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第37話 優しい人ですね
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「やあ、レイナ。呼び出して悪かったね」
レイナが原因で大変な事になっているのにイーサンは笑顔で優しい言葉をレイナに掛けた。
「いえ。こちらこそ、面倒事を起こしてごめんね」
イーサンが色々と忙しい立場だと知っているので申し訳ないと、レイナは素直に謝る。
「いや、問題ない。しかしこの前話した通り個人での薬草作りは控えてくれ」
「はい。分かりました」
「でもレイナは凄い物を作ったな。まさか最上級の回復薬まで作れる薬草とはな」
「うん。私もそんな物が出来るとは思わなかったわ」
レイナとしては何となく薬草を作っただけであり意図は無かった。
「しかも混合回復薬も作製可能となると周りも放って置かないだろう」
最上級の回復薬だけでなく、この世界にないものも出来てしまった。
「これで君の価値は跳ね上がる事になった」
「私の価値?」
「ああ。今回の件レイナはどれほどの事をしたのか、まだ分かっていないみたいだね」
「えっ、どういうこと?」
レイナとしては普通より上質な薬草を作ったそんな感覚だ。
どれほどの事と言われてもピンとこない。
「上級以上の回復薬と言うのは、そんなに簡単に出来る物ではないんだよ。何年も修行した調薬師が最高の薬草を大量に使ってようやく数個出来る。それぐらいの物なんだよ」
イーサンはいつになく真剣な表情と口調で続ける。
「たった30枚の薬草から出来る事はほぼ無い」
「!?」
だから初めにサムエルもレイナの薬草を商人に渡す事を許可してくれたのか。
素人が作った薬草など普通はそんな認識だ。
サムエルも初めからレイナが貴重な回復薬を作製できるのを知っていたのなら、商人に渡すのを拒んだはず。
「それだけ貴重な薬草を作れる君の価値は計り知れない」
「それでも何だか大げさじゃない?」
「しかも混合回復薬は未だ完成させた者はいなかった。商人のお抱えとはいえ一介の調薬師が作れる代物ではない。君が作った薬草が原因なのは明らかなんだよ」
「そうなんだ……」
まさか薬草を作っただけで、こんな事になるとはレイナは思いもしなかった。
「今後君の事を隠匿しなければならなくなった」
「隠匿……ですか?」
「ああ、言い方は悪いが君を我が国が正式に管理する事になった」
「私を……管理……?」
「そうだ。レイナ、君はこの国にとって貴重な存在となった。……まあ俺にとっては既に……」
頭が混乱していたからか小声だったからなのか、イーサンの後半の言葉はレイナは上手く聞き取れなかった。
でも国が自分を管理するって言う事は自由がなくなるのだろうとレイナは覚悟する。
「今まで通りには生活出来ないって事なの?」
「ある程度は縛りが多くなるが、それ以外は今までと変わらない」
「えっ、そうなの?」
「ああ、ただ他の国に行かないで、この国にいて欲しいというのはある」
イブライン王国の人間にはレイナは良くして貰っているので悪い印象はない。
レイナにとっても、そんな申し出は願っても無い事。
そんな国の為に貢献出来る事があるのならとレイナは考えている。
「はい。お世話になります。でも今まで通りメイドの仕事もやっていいの?」
「今までより少なくはなるがやって貰って構わない」
「魔法と剣術の訓練も?」
「ああ、商人になるなら自分を守れる強さも必要だろう?」
イーサンは悪戯っぽい笑みを浮かべ、前にも言った言葉をレイナに言う。
国の管理下に置かれれば商人になるのは厳しいかもしれない。
でもレイナを安心させる為に言ったのだろう。
国の王子としての立場もあるのにレイナの自由を願ってくれている。
そんなイーサンの気遣いにレイナは嬉しくなった。
「ありがとうイーサン……」
これからどうなるのか、不安な気持ちを抑えレイナはイーサンに微笑む。
レイナが原因で大変な事になっているのにイーサンは笑顔で優しい言葉をレイナに掛けた。
「いえ。こちらこそ、面倒事を起こしてごめんね」
イーサンが色々と忙しい立場だと知っているので申し訳ないと、レイナは素直に謝る。
「いや、問題ない。しかしこの前話した通り個人での薬草作りは控えてくれ」
「はい。分かりました」
「でもレイナは凄い物を作ったな。まさか最上級の回復薬まで作れる薬草とはな」
「うん。私もそんな物が出来るとは思わなかったわ」
レイナとしては何となく薬草を作っただけであり意図は無かった。
「しかも混合回復薬も作製可能となると周りも放って置かないだろう」
最上級の回復薬だけでなく、この世界にないものも出来てしまった。
「これで君の価値は跳ね上がる事になった」
「私の価値?」
「ああ。今回の件レイナはどれほどの事をしたのか、まだ分かっていないみたいだね」
「えっ、どういうこと?」
レイナとしては普通より上質な薬草を作ったそんな感覚だ。
どれほどの事と言われてもピンとこない。
「上級以上の回復薬と言うのは、そんなに簡単に出来る物ではないんだよ。何年も修行した調薬師が最高の薬草を大量に使ってようやく数個出来る。それぐらいの物なんだよ」
イーサンはいつになく真剣な表情と口調で続ける。
「たった30枚の薬草から出来る事はほぼ無い」
「!?」
だから初めにサムエルもレイナの薬草を商人に渡す事を許可してくれたのか。
素人が作った薬草など普通はそんな認識だ。
サムエルも初めからレイナが貴重な回復薬を作製できるのを知っていたのなら、商人に渡すのを拒んだはず。
「それだけ貴重な薬草を作れる君の価値は計り知れない」
「それでも何だか大げさじゃない?」
「しかも混合回復薬は未だ完成させた者はいなかった。商人のお抱えとはいえ一介の調薬師が作れる代物ではない。君が作った薬草が原因なのは明らかなんだよ」
「そうなんだ……」
まさか薬草を作っただけで、こんな事になるとはレイナは思いもしなかった。
「今後君の事を隠匿しなければならなくなった」
「隠匿……ですか?」
「ああ、言い方は悪いが君を我が国が正式に管理する事になった」
「私を……管理……?」
「そうだ。レイナ、君はこの国にとって貴重な存在となった。……まあ俺にとっては既に……」
頭が混乱していたからか小声だったからなのか、イーサンの後半の言葉はレイナは上手く聞き取れなかった。
でも国が自分を管理するって言う事は自由がなくなるのだろうとレイナは覚悟する。
「今まで通りには生活出来ないって事なの?」
「ある程度は縛りが多くなるが、それ以外は今までと変わらない」
「えっ、そうなの?」
「ああ、ただ他の国に行かないで、この国にいて欲しいというのはある」
イブライン王国の人間にはレイナは良くして貰っているので悪い印象はない。
レイナにとっても、そんな申し出は願っても無い事。
そんな国の為に貢献出来る事があるのならとレイナは考えている。
「はい。お世話になります。でも今まで通りメイドの仕事もやっていいの?」
「今までより少なくはなるがやって貰って構わない」
「魔法と剣術の訓練も?」
「ああ、商人になるなら自分を守れる強さも必要だろう?」
イーサンは悪戯っぽい笑みを浮かべ、前にも言った言葉をレイナに言う。
国の管理下に置かれれば商人になるのは厳しいかもしれない。
でもレイナを安心させる為に言ったのだろう。
国の王子としての立場もあるのにレイナの自由を願ってくれている。
そんなイーサンの気遣いにレイナは嬉しくなった。
「ありがとうイーサン……」
これからどうなるのか、不安な気持ちを抑えレイナはイーサンに微笑む。
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