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第33話 魔物って怖いですね
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「魔物退治ですか?」
魔法の訓練をしている時、ニコラはレイナに言う。
「魔物達の動きに怪しい所があるので、バレン兄上の第二騎士団が対処に行くらしい」
レイナはまだ会ったことが無いがこの世界には魔物と言われる怪物がいる。
この世界に魔力が有る為だと言われているが本当のところは分かっていない。
ゲームや漫画みたいな世界だなとレイナが冷静に受け止められるのも現実感が無いからなのか。
「対処に行くというのは結構ある事なのですか?」
「まあな。魔物は増えすぎない様に定期的に間引いたりしている。今回の様に怪しい所は調べに行ったりもする」
害虫駆除みたいなものだろうかとレイナは想像する。
「魔物ってどういう感じの生き物なんですか?」
レイナは漫画やゲームの知識しかないので、こちらの世界の魔物と言われるものがどういったものか興味を示す。
「ああ、魔物は獣を凶悪にした生物という感じと言えばいいのか。人間を見れば襲ってくる習性がある」
「なんですかその生き物。変じゃないですか」
いきなり人を襲ってくるなんて普通ではない。
縄張り意識が強いとかいうレベルでもないだろう。
明らかに人間を敵視している印象をレイナは受けた。
「確かにな。おかしな生態だ」
ニコラもレイナの意見に同意する。
人間の数減らしの為に生まれた様な存在。
「しかも高位の魔物ほど強い魔力を持っている。狩るのも一苦労だ」
「魔力持ちなんですね!」
獣が魔力を持っているなんて人間の魔力持ちより強いのは間違いない。
そんな存在が近くにいる事にレイナの表情も曇る。
「魔法を使えるって事ですか?」
魔力を持っているならそう考えるが妥当だろう。
「ああ、強力な魔法が使える個体も存在している。国が滅ぼされたという話もあったな」
「国を滅ぼすってどれだけ危険な生物なんですか!」
出会ったら確実に助かりそうもない。
この世界が危険に満ちている事をレイナは再認識する。
「だから皆さん訓練されているのですね」
「そうだな。団結しなければ勝てないからな。連携や個々の訓練は必要だろう」
「ニコラ様なら魔法で何とかなるのではないですか?」
「まあ、ある程度はな。だが高位の魔物となると一人では太刀打ち出来ない」
ニコラでも勝てない生物と言えば危険度が分かるというもの。
近づかない様にするのが賢明だとレイナは思う。
「魔物はどこにいるのですか?」
レイナは魔物に会ったことが無いので人が住んでいるところには余りいないのかもしれないと考察する。
「本来は何処にでもいるはずなのだが、昔の人間が領地を広げ魔物を奥地に追いやったと言われている。今では深い森やダンジョンにしか発生していない」
「だから街にはいないのですね」
先人が魔物を倒し人間の領地を広げていった。
そのお陰で街の人間は安心して寝られる。
普通だったらのんびり寝てなどいられないだろう。
顔も名前も知らない先人たちにレイナは感謝する。
「今回はバレン兄上の騎士団が討伐にあたる。人間の界隈に入って来る魔物は排除しないといけないからな」
確かに魔物がいつ来るか分からない所に住んでなどいられない。
街に近づく前に討伐するのが賢明であり、それが騎士団の役目なのだろう。
「いつから討伐に出発されるのでしょうか?」
「三週間後に出発して数週間はかかるな。長い時は、一月以上掛かる事もある」
まだ出発までに時間がある様だ。
自分に何か出来ることは無いだろうかとレイナは思案する。
そういえば薬草から作った回復薬ってどうなったのだろうかとレイナは思い出す。
商人に薬草を渡したままであり結果を聞いていない。
もし良いものが出来るなら遠征に持ってって貰いたいし、効果があるものが完成していればとレイナの気持ちは逸る。
レイナはサムエルにどうなっているのか確認する事にした。
魔法の訓練をしている時、ニコラはレイナに言う。
「魔物達の動きに怪しい所があるので、バレン兄上の第二騎士団が対処に行くらしい」
レイナはまだ会ったことが無いがこの世界には魔物と言われる怪物がいる。
この世界に魔力が有る為だと言われているが本当のところは分かっていない。
ゲームや漫画みたいな世界だなとレイナが冷静に受け止められるのも現実感が無いからなのか。
「対処に行くというのは結構ある事なのですか?」
「まあな。魔物は増えすぎない様に定期的に間引いたりしている。今回の様に怪しい所は調べに行ったりもする」
害虫駆除みたいなものだろうかとレイナは想像する。
「魔物ってどういう感じの生き物なんですか?」
レイナは漫画やゲームの知識しかないので、こちらの世界の魔物と言われるものがどういったものか興味を示す。
「ああ、魔物は獣を凶悪にした生物という感じと言えばいいのか。人間を見れば襲ってくる習性がある」
「なんですかその生き物。変じゃないですか」
いきなり人を襲ってくるなんて普通ではない。
縄張り意識が強いとかいうレベルでもないだろう。
明らかに人間を敵視している印象をレイナは受けた。
「確かにな。おかしな生態だ」
ニコラもレイナの意見に同意する。
人間の数減らしの為に生まれた様な存在。
「しかも高位の魔物ほど強い魔力を持っている。狩るのも一苦労だ」
「魔力持ちなんですね!」
獣が魔力を持っているなんて人間の魔力持ちより強いのは間違いない。
そんな存在が近くにいる事にレイナの表情も曇る。
「魔法を使えるって事ですか?」
魔力を持っているならそう考えるが妥当だろう。
「ああ、強力な魔法が使える個体も存在している。国が滅ぼされたという話もあったな」
「国を滅ぼすってどれだけ危険な生物なんですか!」
出会ったら確実に助かりそうもない。
この世界が危険に満ちている事をレイナは再認識する。
「だから皆さん訓練されているのですね」
「そうだな。団結しなければ勝てないからな。連携や個々の訓練は必要だろう」
「ニコラ様なら魔法で何とかなるのではないですか?」
「まあ、ある程度はな。だが高位の魔物となると一人では太刀打ち出来ない」
ニコラでも勝てない生物と言えば危険度が分かるというもの。
近づかない様にするのが賢明だとレイナは思う。
「魔物はどこにいるのですか?」
レイナは魔物に会ったことが無いので人が住んでいるところには余りいないのかもしれないと考察する。
「本来は何処にでもいるはずなのだが、昔の人間が領地を広げ魔物を奥地に追いやったと言われている。今では深い森やダンジョンにしか発生していない」
「だから街にはいないのですね」
先人が魔物を倒し人間の領地を広げていった。
そのお陰で街の人間は安心して寝られる。
普通だったらのんびり寝てなどいられないだろう。
顔も名前も知らない先人たちにレイナは感謝する。
「今回はバレン兄上の騎士団が討伐にあたる。人間の界隈に入って来る魔物は排除しないといけないからな」
確かに魔物がいつ来るか分からない所に住んでなどいられない。
街に近づく前に討伐するのが賢明であり、それが騎士団の役目なのだろう。
「いつから討伐に出発されるのでしょうか?」
「三週間後に出発して数週間はかかるな。長い時は、一月以上掛かる事もある」
まだ出発までに時間がある様だ。
自分に何か出来ることは無いだろうかとレイナは思案する。
そういえば薬草から作った回復薬ってどうなったのだろうかとレイナは思い出す。
商人に薬草を渡したままであり結果を聞いていない。
もし良いものが出来るなら遠征に持ってって貰いたいし、効果があるものが完成していればとレイナの気持ちは逸る。
レイナはサムエルにどうなっているのか確認する事にした。
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