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47.鑑定
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インベントリを見てみると色々と入っていた。
全てを『ハコニワ』が使っている訳では無いみたいだ。
今まで倒してきた魔獣のアイテムが入っている。
ミノタウロスの角
ワータイガーの牙
ワイバーンの羽
リザードマンの外殻
フレイムドラゴンの爪
サンドワームの外皮
魔人の血液
各種肉、魔核等々……。
「まあ、とりあえずこんな感じかな」
俺は読み上げてみた。
「いやいやいや、待って待って、待ってや! それドロップアイテムなんよね?」
「ああ、そうだ。何か売れそうな物はあるか?」
「それって倒したってことなんよね?」
「倒さなきゃドロップしないだろ?」
何だか話が噛み合わないぞ。
アヤメは口を開け、頭に手を当て驚いているみたいだ。
「んんー、ええかレンヤはん。もし今のが本当で売ったとしたら、それだけで一生暮らしていけるレベルの物ばかりや」
いやまあ、嘘は言っていないんだけどな。
結構いい値で引き取ってくれそうだ。
「フレイムドラゴンの素材なんてそれだけで物凄い価値やねん。三人で倒したんか?」
「ああ、そうだ。あの島は魔獣の巣窟だったからな」
「ほとんどはレンヤさんが一人で倒してましたわ」
「私たちは修行中ですので」
でもシーナもネネも結構倒してくれていた。
まあアイテム回収はプロのスララに任せっきりだったけどな。
毎日のように戦っていたから、たくさん溜まった。
「どんだけ強いんよ……。でもそれだけ強力な魔獣がいるなんて流刑の島はやっぱり怖いところやね。普通の人間は生きていけへんよ」
たしかに初期の状態であの島に行かされていたら間違いなく生きてはいけなかっただろう。
『ハコニワ』発動後で良かったとつくづく思う。
「でもレンヤはんよりシーナはんとネネはんの方が強くみえるんやけどなぁ」
その確信めいた言葉が気になったのでアヤメを『鑑定』してみた。
**************************
名前:アヤメ=マルティーロ(商人)
種族:人間
LⅤ :20
HP :130/130
MP :150/150
攻撃力:320
防御力:200
魔力 :500
俊敏 :700
―スキル―
『鑑定』『浄化』『風纏』
―特別スキル―
『風寵』
**************************
やはり『鑑定』のスキルを持っているな。
目利きがスキルで出来るのだから、商人としては最高のスキルじゃないか。
アヤメは俺達を『鑑定』してステータスをみたのだろう。
それでシーナとネネの方がステータス的に強いことに気が付いた。
それは俺が提案して『ハコニワ』が作った『偽装』スキルが上手く機能したってことだ。
いまはステータスを『偽装』で中身を変えて見せている。
これで通常の『鑑定』では見破れないことが証明された。
「うち結構目利きには自信あったんやけどなぁ……」
「いやそこは安心していい。アヤメの『鑑定』は当たっているぞ」
「えっ、でもレンヤはんの方が二人より強いんやろ? うちの鑑定と逆なんよ」
「それで合ってる。そういう風に見せているからな」
「見せている? なんなのそれ、レンヤはんは何でもありやな……」
商人として『鑑定』スキルに自信がなくなるのは不味いだろう。
間違ってないことを伝えておきたかった。
あとアヤメは特別スキルで面白いものを持っているみたいだ。
『風寵』風の神の寵愛を受ける。
風の神に愛されているなんて、かっこいい響きだな。
「アヤメは特別スキルでいいものを持っているな」
「えっ、レンヤはん特別スキルが見えるんか? 普通『鑑定』で特別スキルは見えへんよ」
なるほど通常の『鑑定』では特別スキルは分からないらしい。
俺の『鑑定』は性能がいいみたいだ。
「ああ分かるみたいなんだ。それによるとアヤメは『風寵』っていうスキルを持っているぞ」
「うちの『鑑定』とは違うんやね。でも『ふうちょう』? ってなんやそれ?」
「まあ簡単にいうと風の神様が助けてくれるみたいな感じかな」
鑑定結果をアヤメに伝えてみた。
「はあ、たしかに小さいころから荒事とか困った時には風に助けられてたかもしれへんね。今回もレンヤはんが風の様に現れて助けてくれはったし……」
「んんっ? なんか意味合いが違う感じがするけど。恩恵はあったみたいだな」
「せやね。なにかに愛されているっていうのはええことや。まあうちとしては愛したいんやけどね」
「…………なんの話だ」
「ま、まあそれは置いといて……レ、レンヤはんには秘密が多すぎるみたいやね」
たしかに考えると結構あるかもな。
「うちの国では少し自重した方がええかもしれんね。能力使い過ぎて周りがパニックみたいになるのも嫌やろ?」
「そうだな。気を付けるか」
「そうですわね。レンヤさんの力はデタラメですので」
「そうですね。レンヤさん非常識なときがありますから」
シーナもネネもずいぶん力が入っているな。
なにか思い当たることでもあったのだろう。
「まあ気を付けてみるよ」
俺は軽い気持ちで返事をした。
全てを『ハコニワ』が使っている訳では無いみたいだ。
今まで倒してきた魔獣のアイテムが入っている。
ミノタウロスの角
ワータイガーの牙
ワイバーンの羽
リザードマンの外殻
フレイムドラゴンの爪
サンドワームの外皮
魔人の血液
各種肉、魔核等々……。
「まあ、とりあえずこんな感じかな」
俺は読み上げてみた。
「いやいやいや、待って待って、待ってや! それドロップアイテムなんよね?」
「ああ、そうだ。何か売れそうな物はあるか?」
「それって倒したってことなんよね?」
「倒さなきゃドロップしないだろ?」
何だか話が噛み合わないぞ。
アヤメは口を開け、頭に手を当て驚いているみたいだ。
「んんー、ええかレンヤはん。もし今のが本当で売ったとしたら、それだけで一生暮らしていけるレベルの物ばかりや」
いやまあ、嘘は言っていないんだけどな。
結構いい値で引き取ってくれそうだ。
「フレイムドラゴンの素材なんてそれだけで物凄い価値やねん。三人で倒したんか?」
「ああ、そうだ。あの島は魔獣の巣窟だったからな」
「ほとんどはレンヤさんが一人で倒してましたわ」
「私たちは修行中ですので」
でもシーナもネネも結構倒してくれていた。
まあアイテム回収はプロのスララに任せっきりだったけどな。
毎日のように戦っていたから、たくさん溜まった。
「どんだけ強いんよ……。でもそれだけ強力な魔獣がいるなんて流刑の島はやっぱり怖いところやね。普通の人間は生きていけへんよ」
たしかに初期の状態であの島に行かされていたら間違いなく生きてはいけなかっただろう。
『ハコニワ』発動後で良かったとつくづく思う。
「でもレンヤはんよりシーナはんとネネはんの方が強くみえるんやけどなぁ」
その確信めいた言葉が気になったのでアヤメを『鑑定』してみた。
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名前:アヤメ=マルティーロ(商人)
種族:人間
LⅤ :20
HP :130/130
MP :150/150
攻撃力:320
防御力:200
魔力 :500
俊敏 :700
―スキル―
『鑑定』『浄化』『風纏』
―特別スキル―
『風寵』
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やはり『鑑定』のスキルを持っているな。
目利きがスキルで出来るのだから、商人としては最高のスキルじゃないか。
アヤメは俺達を『鑑定』してステータスをみたのだろう。
それでシーナとネネの方がステータス的に強いことに気が付いた。
それは俺が提案して『ハコニワ』が作った『偽装』スキルが上手く機能したってことだ。
いまはステータスを『偽装』で中身を変えて見せている。
これで通常の『鑑定』では見破れないことが証明された。
「うち結構目利きには自信あったんやけどなぁ……」
「いやそこは安心していい。アヤメの『鑑定』は当たっているぞ」
「えっ、でもレンヤはんの方が二人より強いんやろ? うちの鑑定と逆なんよ」
「それで合ってる。そういう風に見せているからな」
「見せている? なんなのそれ、レンヤはんは何でもありやな……」
商人として『鑑定』スキルに自信がなくなるのは不味いだろう。
間違ってないことを伝えておきたかった。
あとアヤメは特別スキルで面白いものを持っているみたいだ。
『風寵』風の神の寵愛を受ける。
風の神に愛されているなんて、かっこいい響きだな。
「アヤメは特別スキルでいいものを持っているな」
「えっ、レンヤはん特別スキルが見えるんか? 普通『鑑定』で特別スキルは見えへんよ」
なるほど通常の『鑑定』では特別スキルは分からないらしい。
俺の『鑑定』は性能がいいみたいだ。
「ああ分かるみたいなんだ。それによるとアヤメは『風寵』っていうスキルを持っているぞ」
「うちの『鑑定』とは違うんやね。でも『ふうちょう』? ってなんやそれ?」
「まあ簡単にいうと風の神様が助けてくれるみたいな感じかな」
鑑定結果をアヤメに伝えてみた。
「はあ、たしかに小さいころから荒事とか困った時には風に助けられてたかもしれへんね。今回もレンヤはんが風の様に現れて助けてくれはったし……」
「んんっ? なんか意味合いが違う感じがするけど。恩恵はあったみたいだな」
「せやね。なにかに愛されているっていうのはええことや。まあうちとしては愛したいんやけどね」
「…………なんの話だ」
「ま、まあそれは置いといて……レ、レンヤはんには秘密が多すぎるみたいやね」
たしかに考えると結構あるかもな。
「うちの国では少し自重した方がええかもしれんね。能力使い過ぎて周りがパニックみたいになるのも嫌やろ?」
「そうだな。気を付けるか」
「そうですわね。レンヤさんの力はデタラメですので」
「そうですね。レンヤさん非常識なときがありますから」
シーナもネネもずいぶん力が入っているな。
なにか思い当たることでもあったのだろう。
「まあ気を付けてみるよ」
俺は軽い気持ちで返事をした。
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