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番外編
【迦国1周年記念番外編】人魚姫の涙
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※色々ネタバレなので、1.2巻読了後にお読みください。
雨了と青妃の子供時代の話。
「海の色は矢車菊の花弁のように青く、玻璃のように澄み切っておりました──」
朗々と本を読み上げる少女の声がしていた。
愛くるしい声ではあったが、戦記を開いていた雨了には邪魔にしか感じず、じっとりと声の主を睨む。
「まーたそれを読んでいるのか。人魚姫……だったか。幼子の読む本であろう?」
雨了は本を読み上げる従姉妹にそう声をかけた。
「まあ、雨了ったら意地悪ね。わたくし、この話が気に入っていてよ」
従姉妹の青瑞雪はそう言って頬を膨らませる。その顔は雨了とそっくりである。共に過ごすことも多いし、従姉妹というより妹だと雨了は常々思っている。同い年ではあるが、あくまで妹であって姉ではない。そして自分の方が兄に相応しい、とも。
「その話は終わりが物悲しい。泡になって消えてしまうのだろう。それよりこっちの戦記の方かワクワクして良いではないか。たった三百しかおらん少数の勇士で大軍をやっつけるのだぞ!」
雨了は読みかけの外つ国の戦記を指し示した。
「あらまあ、泣き虫な雨了は泣いてしまうから自分で読めないのね。人魚姫は泡になるけれど、消えて終わりではないのよ。精霊になるのだもの。それに、大切な人を救うためなのだから、たとえ死んでしまっても悲しくはないの。ちゃーんと残るものはあるわ。それが分からない雨了はお子様ねえ」
同い年と言っても、口ではこまっしゃくれた従姉妹には敵わず、雨了は黙って頬を膨らませる。
「なんだと」
「なによ」
互いに頬を膨らませて睨み合う。
一触即発の雰囲気に、クスクスと笑い声の邪魔が入ったのはその時だった。
「まあまあ、お二人ともそっくりなお顔をして。そろそろお茶の時間ですが、いかがなさいますか。お茶菓子もございますよ」
宮女の汪蘭に声をかけられて、瑞雪は笑顔で本を閉じた。
おやつの時間に喧嘩は無粋である。この辺りで一旦休戦なのが常であった。
「お茶菓子! ねえ汪蘭、今日のは何かしら」
「人魚姫の涙──というのはいかがでしょう?」
「人魚姫の涙?」
瑞雪は首を傾げる。
雨了も菓子とは思えないその名称に惹かれて、読んでいる途中だった戦記を閉じた。
「汪蘭、それはどんな菓子なのだ」
「ええ、早く見たいわ!」
「今ご用意いたしますね」
すっかり喧嘩をしていたことを忘れ、ソワソワしている二人の前に出されたのは、既に食べたことのある焼き菓子だった。
「なんだ。蛋白霜の焼き菓子ではないか」
「そうよ。これのどこが人魚姫の涙なのかしら?」
「以前にお出しした時、お二人で奪い合うように召し上がられたから分からなかっただけです。お口の中でゆっくり溶かすように召し上がってみてくださいませ。そうしたらきっと分かりますよ」
「噛んではならぬのか?」
「噛んでも構いませんが、しばらくの間だけお口に入れて我慢してみてくださいませ」
「ふぅむ。試してみよう」
「いただきまぁす」
瑞雪は手を伸ばして白い焼き菓子を摘む。
絞り出して雫の形をしているそれは、確かに涙の形にも見える。
雨了も瑞雪に先を越されるまいと、焼き菓子を掴んで口に放り込んだ。
サクサクと噛み砕きたい気持ちを堪え、汪蘭の言ったように口の中でしばらく溶かす。
すると、すうっと口の中で消えていく菓子。不思議なことに、溶けた瞬間にひんやり冷たく感じたのだ。
驚いて雨了は目を丸くする。向かいの瑞雪もまったく同じ顔をしていた。雨了は可笑しくなってクスクス笑い声を立て、もう一つ焼き菓子を口に入れる。二つ目もすうっと溶け、やはり冷たい気がした。
「ねえ、汪蘭! なんだか冷たく感じたの。でも薄荷みたいにスースーするのとは違うわ」
「ああ。とても不思議だ!」
二人の白い頬が揃って桃色に染まっている。本当に良く似ている。もし着物を取り替えでもしたら、きっと間違えてしまう者も出るだろう。汪蘭はそう思い、二人のいとけない愛らしさに頬を緩ませた。
「ふふ、詳しくは存じませんが、砂糖が溶ける時に温度を奪うためにそう感じるのだとか。いつもはすぐ噛み砕いてお茶を飲んでしまうでしょう。ですから口の中でゆっくり溶かして初めて気が付かれたのでしょうね」
「そうなのか。それは面白いな。冷たく溶けるから人魚姫の涙か……言い得て妙だな!」
瑞雪ももう一つ焼き菓子を摘んで口に運ぶ。
「本当ね。ねえ、溶けると冷たく感じるのなら、泡になって溶けてしまった人魚姫も最後は冷たかったのかしら……」
神妙な顔をしている瑞雪が、雪と付く名前のくせに寒いのも冷たいのも嫌いなのだと雨了は知っている。
「そんなことはない。人魚姫は精霊になったのだろう? ならばきっと冷たくはなかったはずだ。そのような泣きそうな顔をするでない」
「まあ、わたくし泣きそうな顔なんてしていなくてよ!」
「していた!」
「していないったら! すぐ泣くのは雨了の方でしょう!」
「泣かぬ! 瑞雪こそ、人魚姫を最初に読んだ時、泣いていただろう」
「泣いてないわ! 雨了こそ……」
「あらまあ……」
また喧嘩を初めてしまった二人を見て、汪蘭は困ったように微笑んだ。
しかし喧嘩は長く続かないことを、二人が赤子の頃から仕えている汪蘭にはちゃんと分かっていた。
「ほら雨了、あと一つ残っていてよ。わたくし、もうお腹いっぱいだから貴方に譲るわ。ねえ汪蘭、お茶のお代わりを淹れて頂戴」
「む、ではいただこう」
「ふふん、わたくしは雨了の姉のようなものだもの。弟には譲ってあげないとね」
そう言われて雨了は苦虫を潰したような表情を浮かべたが、それでも最後の一つを食べたかったらしく、反論せずに焼き菓子を口に放り込んだ。
今日のところは瑞雪の勝ちのようだった。
そして、泣かないと言い張っていた雨了は、読んでいる戦記の勇士が死ぬたび、実はこっそり泣いている。
それを瑞雪にも汪蘭にも知られていることには気付いていないのだった。
──それはまだ、雨了の父が存命な頃。
双子のように良く似た、龍の血を引く子供たちの優しい思い出。
※※※
「雨了、たまにはお菓子でも摘めば? これサクサクで美味しいわよ」
莉珠はそう言って雨了に焼き菓子を差し出した。その白い焼き菓子はなんとも懐かしい。
雨了は頬を緩ませた。
「これは人魚姫の涙だな」
「え、どういうこと?」
「幼い頃に青妃と食べたのだ。汪蘭が人魚姫の涙だと教えてくれてな──」
雫型をした蛋白霜の焼き菓子の由来を聞いて、莉珠は一つ摘む。
「人魚姫かぁ。そういえば、雨了と初めて会った時、雨了ってば自分のことを人魚だって言ったのよね。私、信じちゃってたのよ」
そう言って焼き菓子を口に放り込んだ。
口の中ですうっと溶けて、ほんのり涼しく感じる。
「美味しいわね」
雨了も同じく焼き菓子を口に運んだ。
「ああ。……とても懐かしい味がする」
薄く微笑む雨了に莉珠は見惚れた。
幼い頃の少女めいた美貌から、すっかり大人のものになったが、それでもその美しさに変わりはない。
──私の人魚姫。
十年前のあの時、雨了は泣いていた。葦の草むらでしくしくと泣き声がしたのが出会いのきっかけだった。
あの人魚姫の涙がなければ二人は出会わなかったかもしれない。
「雨了、もっと食べて」
──でも、もう泣かないで。
莉珠はそう思いながら、雨了の口に人魚姫の涙をせっせと運んだのだった。
※冒頭のセリフは青空文庫の「人魚の姫」
ハンス・クリスチャン・アンデルセン作
矢崎源九郎訳を参考にしています
迦国あやかし後宮譚1巻の発売から一年が経ちました。
たくさんの方に読んでいただけて、とても嬉しく思います。
ありがとうございました!
雨了と青妃の子供時代の話。
「海の色は矢車菊の花弁のように青く、玻璃のように澄み切っておりました──」
朗々と本を読み上げる少女の声がしていた。
愛くるしい声ではあったが、戦記を開いていた雨了には邪魔にしか感じず、じっとりと声の主を睨む。
「まーたそれを読んでいるのか。人魚姫……だったか。幼子の読む本であろう?」
雨了は本を読み上げる従姉妹にそう声をかけた。
「まあ、雨了ったら意地悪ね。わたくし、この話が気に入っていてよ」
従姉妹の青瑞雪はそう言って頬を膨らませる。その顔は雨了とそっくりである。共に過ごすことも多いし、従姉妹というより妹だと雨了は常々思っている。同い年ではあるが、あくまで妹であって姉ではない。そして自分の方が兄に相応しい、とも。
「その話は終わりが物悲しい。泡になって消えてしまうのだろう。それよりこっちの戦記の方かワクワクして良いではないか。たった三百しかおらん少数の勇士で大軍をやっつけるのだぞ!」
雨了は読みかけの外つ国の戦記を指し示した。
「あらまあ、泣き虫な雨了は泣いてしまうから自分で読めないのね。人魚姫は泡になるけれど、消えて終わりではないのよ。精霊になるのだもの。それに、大切な人を救うためなのだから、たとえ死んでしまっても悲しくはないの。ちゃーんと残るものはあるわ。それが分からない雨了はお子様ねえ」
同い年と言っても、口ではこまっしゃくれた従姉妹には敵わず、雨了は黙って頬を膨らませる。
「なんだと」
「なによ」
互いに頬を膨らませて睨み合う。
一触即発の雰囲気に、クスクスと笑い声の邪魔が入ったのはその時だった。
「まあまあ、お二人ともそっくりなお顔をして。そろそろお茶の時間ですが、いかがなさいますか。お茶菓子もございますよ」
宮女の汪蘭に声をかけられて、瑞雪は笑顔で本を閉じた。
おやつの時間に喧嘩は無粋である。この辺りで一旦休戦なのが常であった。
「お茶菓子! ねえ汪蘭、今日のは何かしら」
「人魚姫の涙──というのはいかがでしょう?」
「人魚姫の涙?」
瑞雪は首を傾げる。
雨了も菓子とは思えないその名称に惹かれて、読んでいる途中だった戦記を閉じた。
「汪蘭、それはどんな菓子なのだ」
「ええ、早く見たいわ!」
「今ご用意いたしますね」
すっかり喧嘩をしていたことを忘れ、ソワソワしている二人の前に出されたのは、既に食べたことのある焼き菓子だった。
「なんだ。蛋白霜の焼き菓子ではないか」
「そうよ。これのどこが人魚姫の涙なのかしら?」
「以前にお出しした時、お二人で奪い合うように召し上がられたから分からなかっただけです。お口の中でゆっくり溶かすように召し上がってみてくださいませ。そうしたらきっと分かりますよ」
「噛んではならぬのか?」
「噛んでも構いませんが、しばらくの間だけお口に入れて我慢してみてくださいませ」
「ふぅむ。試してみよう」
「いただきまぁす」
瑞雪は手を伸ばして白い焼き菓子を摘む。
絞り出して雫の形をしているそれは、確かに涙の形にも見える。
雨了も瑞雪に先を越されるまいと、焼き菓子を掴んで口に放り込んだ。
サクサクと噛み砕きたい気持ちを堪え、汪蘭の言ったように口の中でしばらく溶かす。
すると、すうっと口の中で消えていく菓子。不思議なことに、溶けた瞬間にひんやり冷たく感じたのだ。
驚いて雨了は目を丸くする。向かいの瑞雪もまったく同じ顔をしていた。雨了は可笑しくなってクスクス笑い声を立て、もう一つ焼き菓子を口に入れる。二つ目もすうっと溶け、やはり冷たい気がした。
「ねえ、汪蘭! なんだか冷たく感じたの。でも薄荷みたいにスースーするのとは違うわ」
「ああ。とても不思議だ!」
二人の白い頬が揃って桃色に染まっている。本当に良く似ている。もし着物を取り替えでもしたら、きっと間違えてしまう者も出るだろう。汪蘭はそう思い、二人のいとけない愛らしさに頬を緩ませた。
「ふふ、詳しくは存じませんが、砂糖が溶ける時に温度を奪うためにそう感じるのだとか。いつもはすぐ噛み砕いてお茶を飲んでしまうでしょう。ですから口の中でゆっくり溶かして初めて気が付かれたのでしょうね」
「そうなのか。それは面白いな。冷たく溶けるから人魚姫の涙か……言い得て妙だな!」
瑞雪ももう一つ焼き菓子を摘んで口に運ぶ。
「本当ね。ねえ、溶けると冷たく感じるのなら、泡になって溶けてしまった人魚姫も最後は冷たかったのかしら……」
神妙な顔をしている瑞雪が、雪と付く名前のくせに寒いのも冷たいのも嫌いなのだと雨了は知っている。
「そんなことはない。人魚姫は精霊になったのだろう? ならばきっと冷たくはなかったはずだ。そのような泣きそうな顔をするでない」
「まあ、わたくし泣きそうな顔なんてしていなくてよ!」
「していた!」
「していないったら! すぐ泣くのは雨了の方でしょう!」
「泣かぬ! 瑞雪こそ、人魚姫を最初に読んだ時、泣いていただろう」
「泣いてないわ! 雨了こそ……」
「あらまあ……」
また喧嘩を初めてしまった二人を見て、汪蘭は困ったように微笑んだ。
しかし喧嘩は長く続かないことを、二人が赤子の頃から仕えている汪蘭にはちゃんと分かっていた。
「ほら雨了、あと一つ残っていてよ。わたくし、もうお腹いっぱいだから貴方に譲るわ。ねえ汪蘭、お茶のお代わりを淹れて頂戴」
「む、ではいただこう」
「ふふん、わたくしは雨了の姉のようなものだもの。弟には譲ってあげないとね」
そう言われて雨了は苦虫を潰したような表情を浮かべたが、それでも最後の一つを食べたかったらしく、反論せずに焼き菓子を口に放り込んだ。
今日のところは瑞雪の勝ちのようだった。
そして、泣かないと言い張っていた雨了は、読んでいる戦記の勇士が死ぬたび、実はこっそり泣いている。
それを瑞雪にも汪蘭にも知られていることには気付いていないのだった。
──それはまだ、雨了の父が存命な頃。
双子のように良く似た、龍の血を引く子供たちの優しい思い出。
※※※
「雨了、たまにはお菓子でも摘めば? これサクサクで美味しいわよ」
莉珠はそう言って雨了に焼き菓子を差し出した。その白い焼き菓子はなんとも懐かしい。
雨了は頬を緩ませた。
「これは人魚姫の涙だな」
「え、どういうこと?」
「幼い頃に青妃と食べたのだ。汪蘭が人魚姫の涙だと教えてくれてな──」
雫型をした蛋白霜の焼き菓子の由来を聞いて、莉珠は一つ摘む。
「人魚姫かぁ。そういえば、雨了と初めて会った時、雨了ってば自分のことを人魚だって言ったのよね。私、信じちゃってたのよ」
そう言って焼き菓子を口に放り込んだ。
口の中ですうっと溶けて、ほんのり涼しく感じる。
「美味しいわね」
雨了も同じく焼き菓子を口に運んだ。
「ああ。……とても懐かしい味がする」
薄く微笑む雨了に莉珠は見惚れた。
幼い頃の少女めいた美貌から、すっかり大人のものになったが、それでもその美しさに変わりはない。
──私の人魚姫。
十年前のあの時、雨了は泣いていた。葦の草むらでしくしくと泣き声がしたのが出会いのきっかけだった。
あの人魚姫の涙がなければ二人は出会わなかったかもしれない。
「雨了、もっと食べて」
──でも、もう泣かないで。
莉珠はそう思いながら、雨了の口に人魚姫の涙をせっせと運んだのだった。
※冒頭のセリフは青空文庫の「人魚の姫」
ハンス・クリスチャン・アンデルセン作
矢崎源九郎訳を参考にしています
迦国あやかし後宮譚1巻の発売から一年が経ちました。
たくさんの方に読んでいただけて、とても嬉しく思います。
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