異世界で、初めて恋を知りました。(仮)

青樹蓮華

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38.満月の夜に※(クリス)

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「ねぇ、クリス、本当にこのまま寝るの?」
 夕食を一緒に食べ、お風呂を済ませてベッドに入っている。後ろから抱きしめられていて甘い雰囲気はあるけどお風呂上がりの香りと、いつにも増してフカフカのベッドで、このまま寝てしまいそうだ。

「うん、ナオトは病み上がりだからね。こうしてるだけで充分幸せなんだ。」
 クリスの息がうなじにかかる。昨日アルベルトとは抜き合いしただけだから、正直少し物足りない。それに明日はカイが帰ってきたり、今後は晩餐会があったり、クリスとの時間が取れなくなるかもしれない。このままクリスとの時間が終わってしまうと思うと惜しい。
 でも、どういう風に誘っていいか・・・・。


 俺は振り向きクリスのに抱きついた。
「クリス、ほんとに寝ちゃう?」
「うん、これから色々忙しくなるからね。」
 んー、クリスは夕方の時点でだいぶ疲れてたもんな。普段クリスは、疲労や苦悩は見せないようにしてるけど、最近俺は少しの変化でも分かるようになってきた。無理させるのは申し訳ない。とりあえず、治癒だけして寝よう。落ち着かせるために深く呼吸する。

「分かった。おやすみ。」
 俺はクリスに、天色の魔力を纏わせる。月明かりだけだった部屋にほんのりと天色の光が灯る。俺の魔力に当てられているクリスはとても神秘的に映る。

「・・・ナオト、ありがとう。でもその力は僕のために使わないで。日中、騎士達に使ってあげて?」
 国のために戦う騎士を案ずる、王子としてのクリスも好きだ。でも今日は、そういうのとっぱらって恋人として過ごしたいのに。

「クリスのそういうところ好きだけど、今は王子としてじゃなくて俺の大切な人として一緒にいてくれた方が嬉しい。俺は好きな人を疲れたままにしておけないよ。」

 そう言って俺はクリスに軽くキスをして懐に擦り寄る。クリスの香りや温度が、後ろから抱きしめられるより強くて変な気分になってしまう。それを隠すように俺は反対に寝返りをうった。

「なんでそっち向いちゃうの?」
 クリスの寂しそうな声が聞こえる。そっち向くと欲情しちゃうからなんて言えるわけない。
「えっと、なんとなく・・・・。この方が寝やすいかも。」

「さっきみたいにこっち向いて?」
 クリスは半分ほど起き上がり俺の方を見ている。視線が痛くて顔を背ける。
「・・・・・。」
「ナオト?」
 耳元に息が掠めてそれに耐えていたら、突然耳にキスをされた。
「・・・んっ。」
 思わず声が漏れて口を覆う。羞恥で顔に熱が上がっていく。
「この前、酷くされたの忘れちゃった?」
 アルベルトと三人でした時のことだよな。確かに激しかったけどクリスのことは大好きだし、いつもは柔和であんまり性的な魅力を匂わせないから意外性があって、・・・あれはあれで良かった。

「嫌じゃなかったよ。その・・・、クリスは俺とするのいや?」

「そんなわけないよ・・・、でもナオトが本当に嫌だったり、止まって欲しかったら無理って言ってくれる?」
 俺が頷くと、クリスは「約束だよ。」と言いキスを交わす。

「あっ、はぁ、んっ・・・ふぁぁ、・・・・んっ?」
 
 クリスは俺に跨り、上の服を脱がせようとしてくれた。けど、頭が抜けたあと肘あたりで止まってしまい、腕と服が絡まって身動きが取れない。

 戸惑っていると、横腹あたりから上に向かってなめらかにクリスの手が這っていく。くすぐったいのと、気持ち良いのが半々で身体が仰け反ってしまう。
「んっ、はぁぁ・・・、あぁ、クリスこれっ、動けない。」
「うん、しばらくこのままだよ。」
 そう言ってクリスは舌をぺろっと出し、俺の身体を愛撫し始める。ゆっくり、満遍なく触っているが肝心なところは触れられない。もどかしい時間が続く。
「うぅ、はぁぁ・・・んっ、・・・っクリス、あぁ、俺もクリスのこと触りたい。」

 生理的な涙が溜まっていく。懇願するも虚しくクリスは首を横に振りを俺の下半身に移動する。

「ナオトはもう固くなってるね。」
 ズボン越しにそれを指でなぞられる。下唇を噛み声が漏れるのを我慢していると、キスでそれをはばまれた。
 そのあとズボンを脱がされたが隠す術もなく、露になったそれを扱かれる。足は開かれ、クリスのもう片方の手がぬるりと後孔に入ってきた。

「んんっ!うぅ、あぁ・・・っ、クリス?おっ、ねがい、これ服、外してぇ、あぁ!・・・っ!ン」

「今慣らしてるからもうちょっと我慢してね。」

 同時に刺激が与えられ、呆気なくイッてしまいそうだ。俺のを触っている、どちらともの手が早くなっていく。後孔の方の指はいつの間にか増えていて、イイところをグリグリと刺激される。

「はぁ、っあ!いゃぁ・・・あっん、待ってぇ、もうイきそう、もっ、あっあぁ~!」
 身体が震え、自分の腹部に熱いものか掛かる。

「おれだけ、ごめっ」
「謝らないで、ナオト好きだよ。」
 クリスは額にキスを落とし俺の引っかかっていた服を脱がした。やっと体が自由になった。すぐさまクリスに抱きつき、キスをする。
「うわっ、ナオト?・・・んっ、」
 クリスは、優しい手つきで抱きして返してくれる。
「もう挿れて欲しい・・・、それともクリスの舐める?」

「挿れさせてくれる?でもナオトが上になってね。」

 俺はクリスの服を脱がしていき、仰向けに寝てもらう。相変わらず白くて柔らかな肌。この前つけた痕が消えてしまっていた。クリスの上半身を舌で愛撫しながら、キスの痕もつけていく。
 いつもとは違うクリスの官能的な姿に欲情が増す。下から見られているのが恥ずかしいが、クリスのも固くなっていて安心する。俺はゆっくりと腰を降ろしてそれを挿れていく。
「・・・っあ、っんん、はぁ・・・えっ?゛あぁ!!待っ、て!あぁぅ!」
 半分ほどのところで、クリスに下から突き上げられた。すぐに律動を早める。
「うっ、あぁぁぁ!あっんっ、はげしっ、はぁ待っ、てぇっ、あっあぁ!」
 イッたばかりで十分に敏感になっているのに最奥を突かれ、またビクビクと体が痙攣する。足がガクガクと震え、クリスの胸元へ倒れ込む。
「ナオト、大丈夫?」
「んっ、・・・ふぅ、へ、いき・・・。んっ。」

 軽くキスをされると挿入されたまま、横に転がり正常位に変わる。左足を担ぎ上げられ、俺は半分ほど側位の状態でゆっくりと挿入された。
「あっ、おれ、イッたばっか、んっっっ、はぁ!あぁっ!これ、ふかっぁ、っん!」
「ナオト、大好きだよ。」とクリスが耳元で囁く声さえも容易に刺激になり、ゾクゾクと痺れていく。何度も最奥を突かれ痙攣が止まらない。

「あぁぁ!ダメぇ、んっっ、はぁ!ーーーんっはぁっ、めぇぇ!あっダメぇ!もぅムリぃあっ!」

「・・・・っ、はぁ・・・、ムリ?」
 クリスはピタッと律動を止め、担がれていた足も降ろされた。クリスを見ると、肩で息をして辛そうだ。顔を歪めて滴る汗が色っぽい。
 見とれていたが、多分クリスも限界が近いんだと思う。もう少しなら大丈夫、早くクリスにも気持ちよくなって欲しい。
「んっ、えっ、と・・・・・・ムリじゃない。」

「ふぅ、・・・いや、一回抜くよ。」
 そういうとクリスはゆっくり後ろに下がっていこうとする。
「えっ?・・・待って!お願い続けて?」
 クリスが離れないように抱きしめ、足をクリスの腰に回し抜けないように抑える。
「・・・っ、ナオト!セーフワードの意味ないよ。」

「もう少しだけ緩く動いてくれたら大丈夫だから、お願い?」
 余裕のない亜麻色の瞳と見交わす。キスをしながらクリスはゆっくりと動き出した。
「あっ、ふぁあっ、んっクリス、好きぃ・・・はぁ」

「僕もだよ。このくらいなら大丈夫?」
 クリスは気遣うように腰を動かし、キスをする。大切にされてる感じが嬉しくて、快楽の波を後押しする。
「んっ、気持ちっ、あっ、あぁっ、っはぁぁ、またイきそっ」

「僕ももう、・・・ふぅ・・・・・・うっ」

 同時に果てる。余韻を埋めるように何度もキスを交わす。

「ナオト・・・お疲れさま、愛してるよ。」
「クリス、俺も愛してる・・・。」




 窓から差し込む月明かりが左手のリングを照らし綺麗で宙へ掲げる。クリスがその手を絡め取り、手を繋いだまま一緒に眠りについた。
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