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23.独占欲※(アルベルト)

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 クリス殿下はまだ晩餐会の方に居なければいけないらしく、カイと一緒に会場に戻った。
 俺は大事をとってアルベルトと自室に帰ることになった。晩餐会の緊張の糸が切れて、ベッドに倒れ込む。アルベルトも俺のすぐ横で添い寝してくれている。いつも一緒に寝ているが、肌が触れ合うのはまだ慣れない。またアルベルトとは反対の方に向いてしまった。
 すると、後ろから覆い被さるように抱きしめられる。首元にかかる髪と、唇にゾクゾクする。吸い付くような、少しの痛みが走る。

「・・・んっ!?」

 身をよじり目線を送ると、アルベルトの切なそうな顔が見えた。
「ナオトが他の奴に取られていきそうで嫌なんだ。」
 クリス殿下のことか?まさかカイ?取り敢えず俺のせいでアルベルトが辛い思いをしているんだな。
 アルベルトと過ごす時間は長いが、最近は魔力コントロールの訓練でヘトヘトになり、部屋に来るのを待たずに寝てしまう事も多かった。アルベルトは、俺の首元に顔を埋めている。
「不安にさせてる?ごめんな。自分の事で精一杯だったんだ。」

「毎日、ブレアのところで訓練して疲弊していたのは知っている。それでも・・・。」

 首元にかかる吐息が刺激となり前の事情を思い出す。
「そこで話されるとくすぐったい・・・。なんかダメだ。」

 意図して禁欲していたわけじゃないが、神子としての役割を果たそうと必死になってたから・・・。この雰囲気は歯止めが効かなくなる。

「首、弱いのか?」
 基本的に体温が低いアルベルトの少し冷たい舌が、俺の首筋を下から上へとを這う。
「・・・んっ、はあぁっ、ダメだって。」

 首が弱いなんて自分でも知らなかった。声が我慢できないほど気持ち良くてこれ以上も求めてしまう。どうしようかと悩んでいると、後ろからさらに強く抱きしめられる。

「なんでだ?私の事はもう飽きたか?」

 不本意な言葉に心が痛む。アルベルトだって晩餐会の護衛で疲れているはずなのに、わがまま言っていいんだろうか。
「俺がアルベルトのこと飽きるなんて絶対に有り得ない。もっとその・・・触りたいけどいい?」
 俺は寝返りを打ち、表情を伺いつつキスをする。こんな俺に欲情してくれているのだろうか。不安になり確かめるようにアルベルトの足の間に自分の足を絡ませた。

「・・・!」
「よかった・・・。俺だけじゃ無かった。」
 太ももに硬くなっているものが当たり安心する。そうなると我慢する理由は無いよな。俺はアルベルトを仰向けになるよう押し倒す。そのまま端正な唇に頬に、首元にキスを落としていく。

「今日は積極的なんだな。」

 お互いに荒くなる息を感じながら、色慾に満ちた目を見つめ合う。
「だって色んなことがありすぎて全然そういう時間取れなかったし・・・。その気にさせたのはアルベルトだろ。俺は、言葉で自分の気持ちを伝えるのが苦手だから・・・不安にさせてごめんな。アルベルトのことは大好きなんだ。俺じゃ釣り合わないかもしれないけど・・・。」

 堰を切ったように色んな感情が溢れかえってしまう。アルベルトはそれを黙って聞いてくれる。

 こんな俺のペースに合わせて気遣ってくれる優しさが堪らなく愛おしくて、少しでも気持ちに応えたい・・・。いや、綺麗事かもしれない。俺もアルベルトのすべてを独占したい。

 俺からアルベルトの身にまとっているものをはだけさせていく。いつもと違う隊服を着ている姿も良かったが、扇情的で鍛えられた筋肉に男の俺でも惚れ惚れしてしまう。アルベルトも俺の着ているものを優しい手つきで、脱がせていく。

 以前はされるがままだったから、今度は俺から何か出来ることは無いか模索しながら、上半身を這わせていた手をズボンにかける。存在感のあるそれは俺を求めているようでなんだか嬉しい。こんなことをするのは初めてで、躊躇いもあるが・・・。
 どちらともなくキスを交し、俺は下の方へ移動する。既に固くなっているものを舐めて、咥え込む。
「んっ!」

 咥えた途端ビクッと反応してくれる。感じてくれていることに安心する。

「・・・っ、ナオト!そんなことしなくていい!」

 アルベルトは俺の頭を離そうとする。俺はその手を掴み、アルベルトの方を見上げる。

「いや、俺がしたいんだ。俺の精いっぱいを受けとってくれよ。」

 もう一度咥え込みストロークする。口内にある熱を持ったものは少し苦しいし、顎が痛くなるが嫌な感じはしない。

 上から聞こえる余裕のない吐息は興奮を助長させる。早くこれが欲しい、でも今はアルベルトを満足させてあげたい。少しでも俺の好きを伝えたい。アルベルトの反り返るそれは俺の口内を犯していく。欲情を抑えきれず腰が浮き、声が出る。

「んっ、、ふぁ・・・。どんどん固くなっていくな。」

「当たり前だろ。まさかナオトがこんなことしてくれると思ってなかったからな。でももう限界だ。ナオトの中に入れたい。」

 あっという間に、今度は俺が下になりアルベルトに主導権を握られてしまう。アルベルトは香油を取り、指に纏わせたかと思うと、俺の中にゆっくりと入れてくる。不思議と痛くないのは、ずっと求めていたからだろうか。前も丁寧に愛撫される。まだ気遣いが残る余裕が悔しい・・・。

「なぁ、指じゃなくてアルベルトのこれが欲しい。」
 手を伸ばしアルベルトのそれに触る。

「・・・はぁ、無理するな。出来るだけ優しくしたいんだ。」

「我慢できない。こんな体にしたのはアルベルトだろ、早く来てよ。」

 汗が上から滴り落ちる。「痛かったら、ちゃんと言えよ。」と声がしたかと思えば、ぬるりと指では無い固いものが入ってくる。待ち望んでいた快楽が俺を襲う。

「ああっ!はぁ・・・。アルベルト好きだ。もっと。」
 自分から漏れ出る甘ったるくなった声を隠すようにキスを求める。
「煽るなよ、ほんとに加減出来なくなる。」
「んっ、いいよ、ふぁ。あっ、全部受け止めるから、お願い。」
 それからは狂ったように快楽に溺れていく。アルベルトは俺を四つん這いの状態にして奥に当ててくる。
「あぁっ!!んっ、うぁ!・・・はぁ、気持ちいい、アルベルト好き。ふっ、あぁ!」

「こら、逃げるな。」
 腰を抑えられ、アルベルのが奥に強く打ち付けられる。無意識に離れようとした腰は引き止められた。
「はぁぁ!やばいからもう!あっ、!イクっ!あぁ!」
「はぁ、中だけでイクのか?ほら、一度イッておけ。」

 呆気なく射精してしまった。力が抜けて腰が落ちる。それでも繋がれたままのそれは、まだ満足していないようだ。イッたばかりの俺には動いていなくても過敏に反応してしまうのに、そのままピストンを続けられる。目の前がチカチカして、意識が飛びそうになる。

「あっあぁ!!やばいっそれ!もう無理ぃ。やめっ!アルっ、あぁ!」

 痙攣が止まらない。シーツを掴み押し寄せる快楽に耐える。

「もう少しだから耐えてくれ。はぁ、私もっ、つっ、!」

 ビクビクと俺の中で脈打つそれを感じ、俺ももう一度果てた。薄れていく意識の中で体のあちこちにキスを落とされる。心地よい倦怠感を感じながら眠りについた。
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