声を失くした女性〜素敵cafeでアルバイト始めました〜

 とある街中にある一軒のカフェ。

 入り口には

 “水面<みなも>カフェへようこそ。のんびりとした空間と、時間をお楽しみ下さい”
 
 と、店長の手書きであろう、若干丸目を帯びていたが、どこか温かい雰囲気を持つ文字で書いてあった。

 その文字を見て、「フフフ」と笑う、優しい笑顔の女性。その後ろには無言で俯く少女が1人、スカートを握りしめて立っていた。

 「そんなに緊張しないで。大丈夫、あなたなら大丈夫だから」

 そう言って女性は少女の肩を優しく撫でた。少女は無言のまま、頭をコクコクと下げ、握りめていた手を開く。

 女性はその様子を笑顔で見ていた。

 ドアをそっと開ける。

 “チリンチリン”

 ドアベルが鳴る。

 女性と少女は手を繋ぎながら、中へと入って行った。

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 失声症の少女と、その少女を保護した精神科医。その教え子であるカフェの店長、周りの人達を巻き込んで繰り広げられるサクセスストーリー。
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