20 / 40
特別編③
しおりを挟む「乗ったよぉ~。やっと、ちゅーしてくれるの?」
赤く染まった顔でうちを見上げた。
照れてるのか?
酔っ払ってるのか?
多分両方やろうな。
「しゃあないなぁ。」
聞こえないようにボソッと喋るとうちは片手で悠香を引き寄せた。
よし、これでバランス崩れないな。
もう片方の手で悠香の頭を撫で、その手を下に這わせ。頬に手を添えた。
「悠香、目ぇ瞑って。」
悠香は目を閉じると、ガクッと急に頭を下げた。
あぁ、やっと寝たわ。
悠香はお酒を飲むと急にコロコロ性格が変わる。
しかも、急に寝る。
目が覚めた時覚えてたら言えるんやけど、でも悠香の場合は、何も覚えてないから、タチが悪い。
「だから、飲ませたくなかったのに。」
ボソッと喋っても悠香には聞こえないだろう。
「まぁ悠香の可愛い寝顔目の前で見れたからええか。おやすみ、悠香。」
おでこにキスすると、悠香を抱き上げてゆっくり寝室に入った。
窓から差し込む朝日で私は起きた。
なんでベッドで寝てるんだろう?
全く記憶にない。
「おはようさん。体調どうや?」
隣で寝てた夏希が声をかけてきた。
「おはよう。体調?何にもなってないよ。」
「あんなに飲んどったのになぁ。」
「知らないよ飲んだ記憶ないもん。ところで夏希、仕事大丈夫なの?」
「今日は休みや。だから悠香と一日中一緒におれるわ。」
「やったぁ。」
「だから、もうちょい寝かせて。」
私の腕を引っ張った。
「ちょっ!」
バランスを崩して、夏希がいる方に倒れ込んだ。
「やっぱ、悠香の身体あったかいわぁ。何時間でも寝れる気がする。」
ぎゅーっと抱きしめられた。振りほどく事はできるけど、それはしなかった。
「あと、1時間だけね。」
「うへぇ、1時間しか寝かしてくれへんの。」
「だって行きたいところあるし。」
「それやったら、しゃあないな。1時間で勘弁したろ。んじゃあ、おやすみ。」
言い終わると私達はキスをした。
夏希のキスは本当に優しくて、安心する。
目と鼻の先には、可愛い寝息を立てながら、私を優しく抱き続けてる夏希。
もっと、ぎゅっと抱いてもいいんだよ。
起こさないように、柔らかい髪を撫でると、気持ち良さそうにする。
可愛いなぁ。
あぁ、私ってなんて幸せなんだろう。夏希の寝顔を見るといつもそう思う。
夏希の事好きになって良かった。
これからもずっと大好きでいさせて下さい。
高校生の私へ
夏希といて、高校生の時は辛い時も沢山あって泣いた事悩んだりした事あるけど安心してもいいんだよ。
だって、それ以上に幸せな事があるよ。それに、今の私はとっても幸せだから。
そんな私達の幸せな未来の話でした。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません
たろ
恋愛
処刑されたエリーゼ。
何もしていないのに冤罪で……
死んだと思ったら6歳に戻った。
さっき処刑されたばかりなので、悔しさも怖さも痛さも残ったまま巻き戻った。
絶対に許さない!
今更わたしに優しくしても遅い!
恨みしかない、父親と殿下!
絶対に復讐してやる!
★設定はかなりゆるめです
★あまりシリアスではありません
★よくある話を書いてみたかったんです!!
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
恋より友情!〜婚約者に話しかけるなと言われました〜
k
恋愛
「学園内では、俺に話しかけないで欲しい」
そう婚約者のグレイに言われたエミリア。
はじめは怒り悲しむが、だんだんどうでもよくなってしまったエミリア。
「恋より友情よね!」
そうエミリアが前を向き歩き出した頃、グレイは………。
本編完結です!その後のふたりの話を番外編として書き直してますのでしばらくお待ちください。
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
何も出来ない妻なので
cyaru
恋愛
王族の護衛騎士エリオナル様と結婚をして8年目。
お義母様を葬送したわたくしは、伯爵家を出ていきます。
「何も出来なくて申し訳ありませんでした」
短い手紙と離縁書を唯一頂いたオルゴールと共に置いて。
※そりゃ離縁してくれ言われるわぃ!っと夫に腹の立つ記述があります。
※チョロインではないので、花畑なお話希望の方は閉じてください
※作者の勝手な設定の為こうではないか、あぁではないかと言う一般的な物とは似て非なると考えて下さい
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※作者都合のご都合主義、創作の話です。至って真面目に書いています。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる