Árbol de Cerezo「チェリーブロッサム」のシエスタ「昼下がりの就寝」

すずりはさくらの本棚

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暗転3

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 全ての悪夢が過ぎ去ると、穏やかな波が訪れたが、21周期のネブカドネザルの呪いが著者を襲う。頭の中を電流が流れたようになり、第二次世界大戦の鐘が鳴り響く。「先生」と思わず口にした。夢の中で出会う住人は面影は薄いが強烈な印象を与える。特に屍は吐き気を催すだけでなく、精神を病ませた。内臓が切り刻まれてゆく。そんなことは日常にあってはならない。そんな不確かな現状とB29が飛んでゆくような強烈なメッセージを残した。頭の中は、ぼんやりとしていて、とてもではないが、気ばらしや、何かをする気にはなれなかった。小説家とはそれほど体力を削りながら書くものなのかしら。ふと疑問に思うが、空を飛ぶゼロ戦の音はいつまでも拷問のように頭を悩ませる。削りたての果物であるバナナの干したものを齧りながら美味しくないと思いふっと口から吐き出した。

 鏡を見るのが日課だったが、最近はそれすらもできてはいない。日常とは当たり前にくるものではなく、こちらから会いに行かなければ訪れないものとなる。日常とは何か?手を頭や目にやり考える。こうすると落ち着くと聞いたからであるが、誰から聞いたのかは音信普通の手紙のようにわからない。シエスタを楽しみたいが、昼寝をしてゆっくりと日常を送るわけにはいかなかった。ドラッグが迸る。そんな日常を知らないのに、感性で感じてしまうのは良くないことだとわかっていたが、止めることはできなかった。この思考を留めておいて小説にしよう。そう思えていたのは、はるか昔の気がする。だが三週間しか経っていなかった。悪夢を見始めてから三週間です。自分の正気を保つのがどれほど大変なのかを思い知る。

 音楽を聴けば楽になるのか。こんな時は、母に手を握ってもらいたい。しかしその母は、ここにはいないのだ。遠い場所に、遠いところへ。そんな不思議な気分にならせた。どのみちまでかくと発狂した。自分の書く文章と脳の中の何かが、入れ違い立ち返り、自分を責めるのだ。コーヒーのマグカップはひっくり返り、がたがたと音を立てて、机から床へと転がった。後には黒い液体が血液のようにぴちょんぴちょんと流れ落ちる。どこまでも広がる青い空は、自分の中では、どこまでも黒く広がり。違うと首を横に振りながら発狂した。私などいないんだわというと、わーといいながら布団へと絡まるように身を流し込む。さっきまでの平穏がうそのようにである。

 小さい頃は、動物が好きでした。永遠の告白に似た何か。頭を酔わせるマムシのような存在。空気がよどんで、にわかに、丸呑みにするかのようなマムシとは心の乱れにあるかのようだ。

 布団に丸まっていれば何もおきない。でも・・・・・・。何もおきないのが幸福じゃない。人は普通に生きている。普通とは何だ?普通とは社会にて、会社だったり、家族だったり守りたいものを守ること。であれば君にできることは何かね?病院へ通うこと。お薬を飲むこと。でも先生といいかけて、理解されないことを恐れた。本当は、知っていた。理解されないんじゃなくて、理解することが怖いのだ。

 あなたは普通ですといわれたとき、私はどうすればいいのだろうか・・・・・・。それでも生きる。生きている人たちがいる。私はそんなに強くは無い。だったらどうすればいいか考えなさい。生きるために人は生まれてきた。もう楽になりたいと思うのが、これほど難儀だとは思えなかった。書いてもかいても売れない小説のように・・・・・・。私の心はがんじがらめだ。いまどうすればいいのか。それだけを考えるんだ。もらい泣きとはおかしいが、ファンの言葉が聞こえてきた。応援のメッセージが聞こえる。何をするのかは君が決めるんだ。私が全部決めてきた。ように思い込んでいただけ?生かされているのですよ。さまざまな言霊が飛び交う。私はもう死ななくてもいいみたいだ。言わなくてもわかるとは大きな違いだ。人には言わなくてはわからない。いってもわからないことだらけな日々。苦しい日々。それを乗り越えても何も変わらない日々。それでも生きなければならない。自分が悪いことをしているからだと思った日々。それでも何も変わらないときは、また戻ってみて、それでも変わらなければあがくしかない。もがいてもがいて、叱咤激励を受けて、それでも人はなかなか代われない。そんな時戻れる場所がほしい。人は安心を求めているようで、私の場合は、混乱を求めている。心の平安を恐怖する。

 だから生きるんだ・・・・・・。

 この凄惨な事件は板橋区の四葉花見ハイツの103号法廷を殺害することでことなきを得た。103号法廷とは、この夢の主催者である。賃金を滞らせていた男とは別の住人が、この場所を使用しており、この場所にて何人もの女性を連れ込み殺害していた。それがわかったのは、男が消えてから数ヶ月後のことである。滞納された賃金は、支払われないままである。家主は、103号法廷を起訴したが、住居不定無職の住人は所沢市の雑木林にて発見された。真相はわからない。真相とは捻じ曲げられて報道されるからである。遺体が見つかったときに、真相はわかるかもと彼はいった。しかし、wakonia 48006の真相は未だ判らずじまいである。殺人は遂行的に、かつ、計画的に成されるべきである。犯人は未だわからない。これが事実である。鳴り止まない請求の電話は今も鳴り響いている。

 彼は1000人を殺害した。そして、1001人目の犠牲者となる……。
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