Árbol de Cerezo「チェリーブロッサム」のシエスタ「昼下がりの就寝」

すずりはさくらの本棚

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漆黒11

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 時に、ジェンダーと麻薬組織、そして、主人公の行方であるが、霧が覚めたように、現れなくなった。まるで、物事に飽きたかのようである。夢の中の逸材とは、時として凶器や洗脳を生み出すが、精神が強ければ、それらの物事は十年後には、良き思い出として語れるであろう。わたくしがそうであったように……。

 まるで、別々の世界に住む住人の如くである。夢とは人間の全てのように感じる事がある。しかし、それは、否である。人間のほぼ人生の十分の八を占める夢だが、人間とは、眠らなければ死ぬと言われている。しかし、眠らずに死んだ人間をわたくしはひとりしか知らない。それは、中国で起きた事件であるのだが、あるゲーマーが眠らずにネットカフェにてゲームをし続けて亡くなった。この一件だけである。しかも、死体の開示はされてはいない。本当に、死因が眠気や離脱だったのかは分からない。人は死ぬ前に、このような場合は、譫妄「せんもう」状態に陥り、悪夢を見るという。しかし、それ自体が洗脳であり、そんな症例は医学会では聴いたことが無い。但し、症状としては起こりうるという範疇「はんちゅう」のお話である。人間とは、ブレーキが利く。ちょうど車が事故を起こしそうになれば、現在の車技術であれば、減速し自然に停止する。ぶっ壊れたブレーキのように、踊りだす悪魔がいれば別の話であるが……。

 悪魔とは、テキサス生まれの化け物であり、名前を「テキーラ・カリロサ」と言う。その者とは、その昔、幼少期に強姦され続けて、養子縁組されるも、その父にも犯されて、年端も行かぬうちに七度の妊娠をし、自分を犠牲にして、その幼子を父から守り、刑務所へ入った人間のことであった。容姿端麗であり、それは美しく、その美貌には何時も笑窪「えくぼ」があったと言う。右目に泣き黒「ぼくろ」が数箇所あり、それは、瞼の境にある。そして、必ずだが、左頬には黒子「ほくろ」が薄くあり、その首筋とその右手に黒子ができた。これが血筋なのか、それとも、神からの啓示なのかは未だ理解はされてはいない。しかし、その者には必ず幸運があると聞く。その者は祝福されて、全てを手に入れると言う伝説である。このサンタクロースのような出来事は稀に起きる。偶然に人間界を見た時に、たまたま恋をしてしまう死神「ヌプリ」がおり、その恋とは、そやつが亡くなるまで続く。というような伝説である。あなたがもしも、死神「ヌプリ」に愛されたならば、その者は勝手に情報を与えてくれるだろう。その者は、あなたを監視して、目を離さない。気持ち悪いだろうが、その者は死神なので、目には見えないのである。あなたに会いに来る事は無い。そして、人間との婚約もできない。これは死神界の掟「おきて」である。もしもその掟を破った死神「ヌプリ」がいたならば、その者は灰や塵と化す。生きてはいけないからである。

 監視下の国は主に日本や米国、テキサス、スペインであり、幼子を好む。この気紛れな悪魔は、人を好きになるのだが、愛し方を知らないために、人を一度も愛したことが無いために恋を知らない。であるからして、安心して過ごすと良い。死神「ヌプリ」は人を幸福にはすることはできるが、不幸にはしないはずである。時々、死神「ヌプリ」の中には、過剰愛なために、ぶっ壊れた脳味噌を持ち合わせる死神「ヌプリ」も存在する。しかし、その際は、人を一度も愛せない悲しい死神なのだと思ってやってほしい。所詮は、人間と死神はこの世には同時には存在できないのですから……。

 人を愛せない死神とは、愛されると逆に死ぬのである。かつてそのような出来事が起きた。人間に愛されてしまったがゆえに、命を落としたのである。彼は塵になり灰となった。所詮は人間などに恋をしてはいけないのだと思う。人間とは、あさましく、自分の欲望を適えるためならば死神すらも利用する。それが人間なのですから……。

 死神「ヌプリ」を探してはならない。彼はこの世界にはいないからである。もしも見つけた時、あなたは息絶えるだろう。死神「ヌプリ」を見て生きていられた人間はまだいない。幸福になれないならばなぜ探すのか?そこもまた人間の面白い所ではある。相手を殺害するためだとしたら、その人間とは実に、強欲であり、魔性の女であろう。わたくしがそうであったように、探されて見つかれば、魂の牢獄へ永久に入ることになる。命が尽きることは無いが、死ぬ事も適わない。それが、我々死神界の掟なのですから……。そして、死神「ヌプリ」とは非常にいやらしく、忖度できない悪魔である。先のことをまったく考慮できないのも、欠点のひとつといえるだろう。我々を殺害する点は、他にも山ほどあるが、人間が起こした事象は、まだ一件だけである。それによりわたくしは、魂の牢獄から見ることしかできなくなった。人間たちを見て、その行いの全てを書き記している。人間とは実に面白く、興味深い。と思った。永遠の命を得ても、この数年間人間を見続けてきたが、未だに人間とは?ときかれれば、回答を出すのに時間を有す。それ程に、人間とは複雑怪奇であり、我々の想像を越す生き物なのである。最後になるのだが、わたくしから一点ある。それは、人が人同士恋をするとはどんな味なのかである。恋をしたことが無い死神。つまりは我々としては、それがジューシーなのか、それとも苦い物なのかが知りたいと思っている。それを知った所で、我々のいたずらは、止まらないが……。
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