Árbol de Cerezo「チェリーブロッサム」のシエスタ「昼下がりの就寝」

漆黒１０

　これらの悪夢を見終えるとチェリーブロサッム maconia 48006は、吐いた。何も食べられなくなり、その病床は凄まじいものとなる。彼女は神に祈りながらも、もう二度あの同じ夢は見ませんようにと神に嘆願するのだが、彼女がやっとの思いで眠るにつくとどこか薄暗い部屋であり、そこにはいつもの殺人鬼が現れるのであった。おもゆやおかゆを食べながらしばらくは過ごした。しかし、彼女の強い精神は、この悪夢に根性で負ける事は許さなかった。彼女の強い意志であり、病床にありながらも、病魔の床で解体されながら、毎晩苦しむのである。その悪魔の所業は、まるで自らを呪いし者の仕業かの如く、毎回成されるのであるが、そのファンが口にするリップサービスとは安っぽく、何の役にも立たないジョークのようであった。所詮はオタクの戯言であり、当人が一番良く理解していたので、耳半分で聞き、豚共のダークジョークは反対の耳から捨て去り、自らのブログに掲載する写真は、犯行を行うものへのあてつけのように、中睦まじい、夫婦のようなやり取りが続く。ダイイング・メッセージを理解するのに、数秒もかからなかった。彼女は言葉巧みに、または写真にて、この一連の犯行の犯人へとメッセージを送り続けたのである。それを汲まなく察知しながら、彼女との出会う場所や性行の場所は、それらのabcd「アーべーセーデー」で決められた。それは、彼女と犯人だけの秘密のような仲だったのである。他の者は誰一人意味にすら気づかなかった。

　そして、彼女とのビジネスは成功し続けて、彼女は売れ続けた。その身に栄光を帰し続けたのである。彼女は益々嘘が上手くなり、そのファンを騙し、めくらにし、ふしあな、へならせた。それは彼女の目的だったのである。そして、夢に通じる恐怖とは、その代償として彼女が払うべき、お金に等しかった。彼女は成功し続けるために、その身を犠牲にし、その身を芸能界へとどっぷりと浸かり、その穢れた肉体は、最果ての街にまで名声が轟くようになる。これは意図して彼女が望んだ事であり、彼女の支配が長らく続くためであった。悪魔との契約とは漆黒の名前の如くである。

　彼女が性行を性交として収める時は、アナルを使用した。アナルならば、処女膜を傷つけないからである。そのために、彼女は子宮摘出の手術まで行った。ただ、その以前の妊娠騒動に関しては、三人の子供を愛知に宿した。それは妊娠線を把握すれば分かることである。また、彼女の子宮の傷は今も現実として色濃く根付いている。子宮摘出の傷とは、少なくとも十年間は肌色にはならない。紫色が済めば、血液が溜まり瘡蓋「かさぶた」のような色を模様「もよう」す。これまでファンの声に少なからず髪などを心配されたときは写真に写したりしたが、それが無駄であることをある時から悟った。それからはファンのために自らの容姿を無駄に投影することを止めたのである。ファンに説明しても一円にもならない。自分を売り込むことは、事務所がしてくれる。ファンとは金を払う人間のことであり、金を齎すうえではお客様であるのだが、それ以上は期待できないことを承知したのである。

　芸能界は長くいれば、酸いも甘いも全てが見えてくる。足掛け六年になる彼女にはそのことが痛いほど痛感出来た。また、自分が信用すべき人間も把握できた。それはマネージャーであり、周囲の人間だけであったのだ。所詮は、ファンも一般人である。神でも聖人君子でもない。彼女が引退した後で、彼女と婚姻したいから、優しく接している事を悟る。いや、悟れと言われたのであった。ファンは、ゴミではないが、2期生の卒業生で結婚したYouTuberは、少なからずとも成功者ではなかった。今では貧乏人であり、一般人と化していたからである。

　無償提供できる人というのは最強であり、良いことも悪いことも情報提供だけだが、してくれた。彼女はその行為には感謝はしていた。しかし、彼が望まないように、彼女も一生ひとりでいる。一人暮らしをのんびりする予定であった。また誰と結婚しようが、誰にも迷惑はかからないと情報提供者は答えていた。そこが、棚から牡丹餅を狙うファンとは異なるところであった。自分に一切会いに来ない。ただし、何もしなければ、要求すらない。コイツを利用して、上へと登るように、一期生の先輩から言われていたのである。この先輩を最初はこの不思議な情報提供者は、推していた。しかし一度も会わず、世間に出てはこなかった。となれば生きているのか死体なのかは理解できなかった。その代わり、コイツに推されたメンバーはブレイクした。それは確かな事実であった。