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欺瞞7

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 溶鉱炉にて顔面が肌蹴る形でチェリーは亡くなっていた……。男に惚れ込んで、彼を称えたものはみな、惨殺された。その手にはナチスのカギ十字がナイフで切り刻まれていた。カエサルのものはカエサルに……。しかし、男のものは男の物であった。人の物をも分捕りものとして扱う。屍は、肉は剥がされて綺麗に美しく装飾され、赤身を帯びた筋肉だけが血抜きされた葡萄酒の様に、その身の穢れを喪うかのように亡くなっていた。今は唯、亡骸が頭蓋骨と綺麗にカットされた装飾品のように歯を全て抜かれ、血肉に飢えた野獣がチェリーの周りを逝きかうばかりであった。男の目的は必ず遂行された。それが神の意志であるかのようにである。忖度は無く、そこに在る物は非道に満ちた残虐性だけであった。爪を剥がされて指を失った筋肉が垂れ、喉仏を斬られた遺体は灰になることは無く、この世の生き血を啜るかのように魂だけが彷徨う。

 ポルノとの関係は今の所は無い。迂闊に有名人を登場させれば、足が着く事を身を以って知っていた。心地良さそうに眠るシェパードが、骨や肉を食していた。男は骨董が趣味であり、その残虐の限りを尽くした後に、女の遺体の骨を様々なダイヤの身代わりにしていた。特に女性の骨は高く売れ、その魂は触れる者を恐怖へと叩き込む。

 混沌が支配する中、ベッカム「酒の神」が支配する。蝮は腹這いになり進む。狡猾な死神は、チェロを弾くように弦が弾けた。それと同時に、44口径が火を噴く。西日に夜景が映し出され、影が伸びる。

 夜景に映りだされたキング「ヘロイン」の取引現場は、今は横浜には無い。新宿にて傍受した紫外線が、肌を焼く。チェリーを殺害するために作成されたドラッグは、肌荒れ防止ではなく、バイオテクノロジーを駆使して、中国武漢で作られた。それは、テキサスの灰のようであり、肌を焦がしイカレタ症状を引き起こす。なしなしの顔にさせ、溶解する皮膚は、おどけた皮膚を溶かした。女性の皮膚を破壊し尽くした。そのものとは、科学の温床であり、キングよりも瞬殺力を得た。邪な神々、神話や童謡ではなく、ナチスのカギ十字のもとなされた。

 千の万が殺害され、ユダヤを屠った様に、蓄積したドラッグの面影は今は静かに眠る。ピンク色と赤玉にそっくりであった。ピラミッドで構成された資本主義社会を破壊した。何処までも続く赤い絨毯が国会の如く血で染められ、跡に残るは狼煙の数だけであった。遺体は、ドロドロと蕩けたマイナスイオンで構成される絶対零度で破壊され跡形も無く粉砕した。ニューヨークの町を闊歩する金持ち坊やに似合うはずも無く、夜毎に襲う。天子の羽は、実に一晩で十八万七千人の命を奪うこととなる。

 民間人は忘れていたのだ。資本主義が齎す恩恵と民主主義が齎すものは余りにも異なる。戦争が初まって以来、過去に無い死者を出した。慈しみは無く、今は唯眠る遺体に付き添い、涙する子供の姿が影法師の如く路上にあふれかえる。卵を産んだ蟷螂「きりぎりす」が夜行列車に似た灯火の中、ハイカラなお嬢を見つめてはその着物を剥ぐ。蝕んだ暑さのなかコンテナにて死亡した。桃尻娘が数百人。跡形も無く……。この話はやめようと言い出したヒゲ面の男。満面の笑みを浮かべながらステーキを食す。全身から不気味なオーラを身の丈を弁えろと言った。これが彼が人を殺害するときの拾得物である。

 今生きるのも必死であり、明日の命は感ぜられなかった。ふっと消されたラジオが二度と歌わないように……。東西南北へと伸びた行方の知れない人間模様は、ななしばかりで意味を成さない。DNAを鑑定するにもその機関が崩壊し、滅びの死神の鎌がちぐはぐな思いを募らせた。

 警察はといえば、爆撃に備えたカモフラージュを作り出し、よもすがらである。機動隊はマッカラ「火炙り」を受けながらも、鍛え抜かれた精神で喝黙した。無差別殺人は所々にクレータをあけて、月夜の晩に悪魔を手招きするかの如くである。

 不幸中の幸いだったのは、月光が満ちて、ソナタを奏でるように物静かな面影は静止した絵画のように灰色の街へと消えた。紙巻煙草を求めて彷徨う。幸福洗脳科学のようであり、いつしかぬればゆのようであり。カラスの行水のような死体が川へとあふれた。
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