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たられば3

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瞳孔が徐々に開花してゆき、雌蕾は哀れに揺れている。肉襞が飛び出して、穴が穴を呼ぶかのようである。どこもかしこも穴だらけだ。肌色の一糸纏わぬ露な肉体は、面白いかのように、道化とかしている。しかし、花嫁になるような娘は一人もいなかった。ひとりもだ……。

 悲しみに似た干渉は、打ち寄せては返す波のよう。ただ、動くという重力に反した行動をとるばかり。人間に服従しないとはこのことである。人間とは、奴隷になるのか、服従するのか。従えるものとは、常に同じ道を歩いているものばかりな気がする。

 もしも何々だったらという曖昧な回答はこの世には存在できないかのようである。間違いだらけの人間という生物。裁きが曖昧であるならば、裁かれる方も曖昧だ。肉欲に従いながら生きている。

 無法地帯と化したこの場所は、ビバリーヒルズのようではなかった。高級住宅街ではなくて、戒めに似た干渉が存在するばかりである。邪まな緩衝が生み出す者とは、常に人間の知性を越えた何かだ。受け入れられなければ、肉体の拷問は、意味を成さないかのようである。

 妻にもなれなかった少女たちは、廃品工場にて、バラバラに切り刻まれて、捨てられた。トイレに捨てられた。肉便器と貸した肉体の上に尿や糞便を垂れ流すのだ。如何わしい等と誰が恐れようか。人間の現在住んでいる場所の下には必ず、死体が埋まっているではないか。今ある美しい木下には、死体があり、その上に息としいける何かが芽吹いただけである。滑稽な事に、人間は、他人を殺害して、それを食い荒らす生き物だった。生物がそのひとつである。焼こうが、煮る行為をしようが、それは、生物であったという経歴は消えない。たらればが存在できない世界とは、拮抗に満ちた、劣悪な環境生物が、曖昧さをもっと曖昧にしながら、生殖活動を行っている。人間が、増加するとはそういうことなのだろう。人間が一番偉いという過程を基にした回答だが、人間よりもまじめな生物はたくさんいる。蟻もそのひとつであろうか?働きありと呼ばれるアリたちは、どれもこれもメスであった。オスは存在できなかったといえるだろう。

 生きとし生けるものがみな、生涯を背負いながら、生きているといえるだろう。他人の空似は必要なかった。あなただけの生き方などは、偶像にも満たないのですから……。

 そうして、ときどき、揺さぶりをかけながら、少女たちを追い込んでゆく。少女たちは、自分たちがなぜ?狙われているのかを理解していなかった。そもそもターゲットを決めるのに、この家に入ろうと決めて、成功した泥棒を見たことがない。念入りな捜査には、念入りなカメラがつく。人目につくではないか。人目につかないためには、何もしないことだ。そして急に、肉を欲したらイオンのように狩を始まるのがよろしい。

 肉襞は揺れながらも、曖昧な回答に酔いしれていた。自分がなぜ、抱かれているのかも理解できないようである。いきなり襲われて、いきなり侵入された。そんな程度であろうか。レイプなどとは、脇目も振らずに信仰する宗教に似ている。神を求め合う代わりに、肉を求めるだけである。それが禁断の恋だとしてもだ。女を抱くのに、恋愛は必要なのか。答えはノーである。一番強いものが、メス豚をものにしてきた。歴史が示している。
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