轢き逃げ

7.

　光源を手にした獲物は「よな夜な徘徊する」モンスターに狙われやすい。

　携帯がスマホでもアイフォンでも光を放つモノは化け物だ。

　松明で殴って傷つけても警察には相手が化け物だった。

　これで終わりだ。別に殺したりはしない。

　凶器に狂ったアルコール依存症者が怯えて襲った。

　これですべて罷りっ通って来た。法は対人に対しては強くできている。

　だから、ATMなどは襲っても強盗にはならない。

　人、対人ではないからだ。

　いくら機械を破壊しても器物損壊ていですむ。

　親告罪なので対人でしか有り得ない。

　死人にくちなし……。死者には悪効を除外できない。

　そこでさまざまな試験を重ねた。

　どこまでが死者でどこまでが機械か。

　その見極めが重要だ。人間を殴れば三年以下の懲役。

　そこへ様々な違法が纏わり付く。二つ以上の刑期がつく。

　そして裁かれるのだ。一つならば有意義な時間となるが

　二つ以上は経験上、暇潰しの毎日だ。

　学問に勤しむには快適な時間となるだろう。

　翠は琴葉と出会いさまざまな知識を授かる。

　たいていは妄想の世界なので自分が思いついた話だが

　予期せぬ出来事も毎回起こるようになった。

　ホラー映画で観たシーンを実際に起こす時だ。

　それは男子であれ女子であれ同じことであった。

　挿し込む穴がヴァギナかアナルかの違いだ。

　自分の直感は信じるとよい。予知夢をみるようになった。

　翠は予知夢に随って生きている。

　琴葉とは予知夢（牟「む」）である。

　翠には予知夢の他に価値がある人間がいた。

　人間付き合いとは価値が在るか価値が無いかだ。

　価値が無ければ付き合いはしない。人事で済ます。

　他人行儀であり、痙攣が耐えない。

　こめかみが震える感じだ。ピクピクと揺れる。

　偏頭痛がする。後頭部を鈍器で殴られた感じだ。

　後頭部を殴られた気持ちは鈍器で殴られた者にしかわからない。

　人を殴ったり引っ叩いたりしなければ、人の痛みはわからない。

　一生かかっても何も学ばない。何も得られない。

　翠は自分は違うと思う。裏切りと仲違いを除く……。