余命（虚構）（遺書）【実録】　遠藤さくら（著）

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短編小説

短編『取るに足らない人間の罪を許し続ける神』

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キリストの購いとはその代償は完全な魂には完全な魂。

アダムとエバが神に対して反逆した時に起こりえた宇宙的論争。

神が正しいのか。悪魔の中傷が正しいのか。

間違いなく全能者が正しいと判断したのに、

なぜこの世にこれほどの悲しみが広がったのか。

このことで悩む人は多い。

神父たちは「あなたのお子さんは神が召された」というからである。

この偽善は数百年にわたり、人々を病気という分野で悩ませた。

母親が子供を失う。子を宿したことがない者には、理解できないことなのだろう。

急に大切な自分が時間をかけてその胎に栄養を送り続けた。

生まれてからも、誕生を迎える度に、お祝いをした。

それが、今日からは居なくなった。それは神が取られたからである。

私ならば気が狂うだろうと思う。何日、泣き明かせば自分の子供は返るのだろう。

一種の錯乱状態である。亡くなったとは、母親ならば、気が狂うことなのだろう。

それを神が取られた。その一言でかたずけようとした背景には何があったのか。

神父を責めているのではない。おそらくはその時代には最も妥当な回答なのだろう。

聖句にも「神が取られたのでいなくなった。」という箇所はあるからである。

しかし、その曲解。曲がった解釈は、母を傷つけるのだろう。

どの言葉も子を失った親には、その子供が帰還する以外には救いではない。

言葉足らずではないのだと理解できる。

母と子供とはそれほど密接な関係にあるといえるだろう。

さて、購いである贖罪とは「ただ一度限り捧げられたもの」という言葉がある。

それは聖句にある。「ただ一度限り」とは人が過ちを犯す生き物だと知っていたならば

全能者が「たった一度限りしか許さない」とは解釈できない。

救いとは、みんなのためにある。それゆえに、神は、全能者であるがゆえの苦悩。

『一人も滅ぼされることなく楽園へいたる』を待ち望んでいる。

これを聞いて、なんか胡散臭いな。楽園など来ないのではないか。

現に救われてはいないのだし、これからも救いは無いだろう。

このように解釈したならば、悲劇でしかない。

その人には、心の中においても「平安」はないからである。

救いはないとは何か。私たちは、死んだら、もしくはこのまま生き続けても、

救いがないのであれば、それは、悲劇であろうか。

神の時とは、人間の時間を超越している。これは創世記の記述をみても明らかである。

七日目に休まれた。そして、人間たちは、その日を安息日とした。

この安息日も曲解が混ざっていた。事実キリストは安息日なのに人を癒した。

「人の命は安息日よりも重要ではありませんか。」

なんと安らぎある言葉であろうか。

書士やパリサイ人のようであってはならないとも忠告しています。

救いはあるのか。ないのか。それは「神のご予定の時に終わりが来る」。

人はさまざまな現象を通して、神を感じている。宇宙の法則も然りである。

地球のほかの惑星にて神はパラダイスをもたらすとは一切述べてはいない。

場所は何処なんだ。それは地球というほかはない。

では何時なのか。それは「定めのない時に至るまで続く」。

定めがなければ、終わりは来ないという中傷を聞いたことがある。

そのような人には、「心の中の平安」がないことは、明らかである。

鬱陶しい者をみるようにしか、感性が育っていないのである。

美しいものを見て、美しいと感じたりその余韻を楽しむ。

そのような時間も割けないほど、労働に忙しい人ほどこの答えが多い。

結論。神のご予定の時とは何時なのか。間違いがない言葉が一つだけある。

『これら全ては苦しみの激痛の始まりです。』

毎年の大会で、言われている言葉ですが、人の悩みとはその日一日で十分です。

次の日には次の日の思い患いがやってくるともあります。

『何事も思いわずらってはならない。』

とも述べて人が思い煩いの名手であることを明かしています。

「千年も過ぎ去った昨日のようであり」とも述べられてあり、

神の一日の長さを知ることができます。

私が最後に言えることは、聖書を用いて、回答する。

『彼らが聴いて、悪の道から立ち返るなら。

　その悪の行いのゆえに、彼らに下そうとしている』

裁きを留め置く方であると言うことがわかります。

そして、私の誤解していた解釈に関してですが、何度も罪を慣わしにするものは、

キリストの購いの対象者から外されるですが、それは次の言葉によるものから来ています。

『たった一度限り捧げられた命』と『罪をならわしにするものを戒める』です。

それゆえに、長老たちは、何度も罪を犯すならば排斥もしくは裏切る者として扱う。

協会はそのような教えを公表してはいません。すすめてもいません。

罪を犯した数に関係なく、人が許されるのかは、神しかご存知ではないでしょう。

それでも信仰を固く保つならばどうでしょうか。神は進んで義なる柔和なものを許すとあります。

気持ちよく人を許せる人々は、パラダイスにいるのと同様の落ち着きと柔和さをすでにえています。

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