はらわた

生きとし生けるものがみな、生涯を背負っているならば、どうして、私だけが救われないのでしょうか?

肛門を抉られている感じが絶え間なく続く。腸を引きづり出される感じがする。

嘘にうそを、塗り重ねても色褪せない何かがそこにはある。

悪魔が笑いながら、月光に照らされているではないか……。

今宵は、満月なのか、それとも、日が沈みかけた地平線が明るいのか。

それすらも理解できない。脳みそは、常に、幻覚を生じさせては、ハローと言っている。

誰への挨拶なのかは、今は関係ない。

真綿で首を締め付けられるような痛みと解熱剤を大量に服用した感じがする。

今感じている未来とは、闇にラーメンをまぶしたような味だった。

砂団子の味がする。砂利が唇へと付着しては、お茶で流し込む。

生きとし生けるものが、光や闇だとするならば、灰色はどこに住めばよいのでしょうか?

鑑みる姿勢を崩さずに、崩壊してゆく肉体を、夢見ている。大麻がうまい……。

罪人は、今宵、悪魔とダンスを踊るだろう。月光は悪魔を照らす。

美しすぎるテラスが、にこやかに微笑む。

今日も一日生き抜いたぞ。その思いとは裏腹に、重力が、手足を縛る。

まるで監獄のようではないか。ひとやに繋がれた手足が、痙攣を帯びながら、ばたつく……。

明日目が覚めるとは限らない。次第に脳と手足を蝕むマムシは今回はアルコールではなかったのだ。

ベートベンの「運命」が鳴り響いた。「月光」ではないことを悲しく思い、重力に反して生きる。

それが、私であった。
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