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箱庭の定理
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「キーキーキキッーツ・・・・・・」
車が急ブレーキを踏む音がする
人が跳ねられる瞬間だ・・・・・・
ボンネットに身体がぶつかりながり跳ね上がる
肉体は跳ね上がりながら 弧を描くかのようだ
跳ね上がった体が、宙返りをして、アスファルトへと打ち付ける
鮮血が飛び散り、脳挫傷を起こした
アスファルトにはベットリと血糊を伸ばしたような
美しい真っ赤な薔薇となる・・・・・・
傷みが襲い、倒れた矢先に仰ぎ見た夜空がとても美しかった
東京の夜空は、星がほとんど見えない
それでも、輝く、数点の星空がとてもとても美しかった
わたしは 車道へと出た際に、ひき逃げに遭遇した
車はボンネットがへこみ、そのまま走行をした
その際に踏みにじられた腕が変な方向へと捻じ曲がる
しかし、誰も、葬儀にて悲しむものはいなかった
種のないところから草木が生えることはない
善行も悪行も種から生まれる
しかし、善と悪にわけること自体が、おかしなことではないか
時代の背景により、善も悪も、覆されてきた
今日、食べるものがない子供にとって、飢えは深刻な問題だ
その子供が泥棒をしたからといっていったい誰が責められようか
瀕死の子供がいる その子供を生かすも、殺すのも、
国であるとするならば、それは不公平だと思う
かといって、善悪を教えたところで、その子供は更生しない
温故知新ともいえる、それらの言葉とは、偽善である
大人が見てみぬ振りをした社会 それらがもたらすものとは、
社会正義ではなく、無秩序に配列された、散文詩のようであった
喜びと束の間 時代の背景とそれが生み出す齟齬
そこには、救済はなく、あるのは、刑事と民事の間に挟まれた
境界線のない世界 つまりは、ボーダレスだけである
そこで人々は、蔑んだり、蔑まされたりしながら、命乞いをしている
リアルとバーチャルの区別はつかなくなりつつあり
大人という存在に異議を唱える子供が増加した
「大人がしっかりしないから」という意見をちょくちょく耳にする
大人がしっかりしていないのではないと思う
戦争はなぜ起きるのか 困窮しているからである
困窮はなぜ生まれるのか にっちもさっちもいかなくなった国の暴挙である
では、暴挙とは・・・・・・ 答えは火を見るより明らかではないか
その国の人望が損なわれたからである 大統領のスキャンダルもその一つ
国の腐敗とか大人がだらしないからというのは、少し違う気がする
そもそもの根本の原因は、我と錆である
我欲に伴い、錆が反映した世界 繁茂した我と錆は、
善悪を食い潰す獏となるだろう
それは夢くいの正体と著されているではないか・・・・・・
「人が人を支配して、それに害を及ぼした」と聖書が述べている通りである
エンプティセットとは、箱庭の定理であり、その回答はゼロへと導く
0「ゼロ」とは、もっとも美しい自然数である
種のないところから草木が生えることはない
人間が存在しなければ、蛾や錆が宝を食い潰すことはない。
箱庭の定理とは 非常に重要である
無から生み出すものとは 人間の権力を廃した そうした種のない場所である
人宮とは、非人道的なシステムに身をゆだねた、人望に他ならない
「いいことなんてやっぱりない・・・・・・」
そうした人間が、行き着く先が、人宮である
システムは運命であり、運命に逆らいし人間とは、
生きる意味をみいだすことは可能であろうか・・・・・・
それは誰にもわからない
少なくとも、わたしは、殺人を犯したことにかわりはなく、
生き恥をさらして生きることを諦めた人間だということである
時間を戻したとしても
わたしは明日 父と母となった人間に捨てられる 廃棄される
現実とは 実に むごく 否定された人間の行き着く先は
喜びと束の間の境界線である
数度となく時代を行き来して、なお、両親を変えることすら許されない
涅槃とは 輪廻転生に至るが 救いようがない魂も存在した
それだけは 真実なようである
わたしが 今日すべきことは なんであろうか・・・・・・
人を殺めることでもなければ 人を裏切ることでもない
ああ、神さま 善を 善をください
開錠して 人宮の中にて 彷徨いながらも
今日 明日すべきことすら 見つからない 人間
それが 荒木 真緒 である
人工知能は神になりうるのか システムとは神になりうるのか
答えは 聡明である 救いはない
トラベルとは 時空を彷徨う魂のことである
時間空間のねじれに際して 前科者が行く世界
人宮
悪戯に創造された世界 そして わたしの唯一の居場所である
夢の街といわれたこの場所は 何もない場所
巨大な監獄 絶望した人間の行き着く場所
誰もいない場所
物理空間ではない
ここでは 何でも叶うと聴いたことがある
その実は 巨大な監獄であり 人の生死は問われない
巨大な病院という別名を持つ
わたしは 過去と現在 そして未来を行き来しながら
エンプティセットを使用して自らの明日と今日を変革しようと努力した
初めての楽園 人に害されることのない世界
それこそが わたしが求めてやまない 元来の真実であった
車が急ブレーキを踏む音がする
人が跳ねられる瞬間だ・・・・・・
ボンネットに身体がぶつかりながり跳ね上がる
肉体は跳ね上がりながら 弧を描くかのようだ
跳ね上がった体が、宙返りをして、アスファルトへと打ち付ける
鮮血が飛び散り、脳挫傷を起こした
アスファルトにはベットリと血糊を伸ばしたような
美しい真っ赤な薔薇となる・・・・・・
傷みが襲い、倒れた矢先に仰ぎ見た夜空がとても美しかった
東京の夜空は、星がほとんど見えない
それでも、輝く、数点の星空がとてもとても美しかった
わたしは 車道へと出た際に、ひき逃げに遭遇した
車はボンネットがへこみ、そのまま走行をした
その際に踏みにじられた腕が変な方向へと捻じ曲がる
しかし、誰も、葬儀にて悲しむものはいなかった
種のないところから草木が生えることはない
善行も悪行も種から生まれる
しかし、善と悪にわけること自体が、おかしなことではないか
時代の背景により、善も悪も、覆されてきた
今日、食べるものがない子供にとって、飢えは深刻な問題だ
その子供が泥棒をしたからといっていったい誰が責められようか
瀕死の子供がいる その子供を生かすも、殺すのも、
国であるとするならば、それは不公平だと思う
かといって、善悪を教えたところで、その子供は更生しない
温故知新ともいえる、それらの言葉とは、偽善である
大人が見てみぬ振りをした社会 それらがもたらすものとは、
社会正義ではなく、無秩序に配列された、散文詩のようであった
喜びと束の間 時代の背景とそれが生み出す齟齬
そこには、救済はなく、あるのは、刑事と民事の間に挟まれた
境界線のない世界 つまりは、ボーダレスだけである
そこで人々は、蔑んだり、蔑まされたりしながら、命乞いをしている
リアルとバーチャルの区別はつかなくなりつつあり
大人という存在に異議を唱える子供が増加した
「大人がしっかりしないから」という意見をちょくちょく耳にする
大人がしっかりしていないのではないと思う
戦争はなぜ起きるのか 困窮しているからである
困窮はなぜ生まれるのか にっちもさっちもいかなくなった国の暴挙である
では、暴挙とは・・・・・・ 答えは火を見るより明らかではないか
その国の人望が損なわれたからである 大統領のスキャンダルもその一つ
国の腐敗とか大人がだらしないからというのは、少し違う気がする
そもそもの根本の原因は、我と錆である
我欲に伴い、錆が反映した世界 繁茂した我と錆は、
善悪を食い潰す獏となるだろう
それは夢くいの正体と著されているではないか・・・・・・
「人が人を支配して、それに害を及ぼした」と聖書が述べている通りである
エンプティセットとは、箱庭の定理であり、その回答はゼロへと導く
0「ゼロ」とは、もっとも美しい自然数である
種のないところから草木が生えることはない
人間が存在しなければ、蛾や錆が宝を食い潰すことはない。
箱庭の定理とは 非常に重要である
無から生み出すものとは 人間の権力を廃した そうした種のない場所である
人宮とは、非人道的なシステムに身をゆだねた、人望に他ならない
「いいことなんてやっぱりない・・・・・・」
そうした人間が、行き着く先が、人宮である
システムは運命であり、運命に逆らいし人間とは、
生きる意味をみいだすことは可能であろうか・・・・・・
それは誰にもわからない
少なくとも、わたしは、殺人を犯したことにかわりはなく、
生き恥をさらして生きることを諦めた人間だということである
時間を戻したとしても
わたしは明日 父と母となった人間に捨てられる 廃棄される
現実とは 実に むごく 否定された人間の行き着く先は
喜びと束の間の境界線である
数度となく時代を行き来して、なお、両親を変えることすら許されない
涅槃とは 輪廻転生に至るが 救いようがない魂も存在した
それだけは 真実なようである
わたしが 今日すべきことは なんであろうか・・・・・・
人を殺めることでもなければ 人を裏切ることでもない
ああ、神さま 善を 善をください
開錠して 人宮の中にて 彷徨いながらも
今日 明日すべきことすら 見つからない 人間
それが 荒木 真緒 である
人工知能は神になりうるのか システムとは神になりうるのか
答えは 聡明である 救いはない
トラベルとは 時空を彷徨う魂のことである
時間空間のねじれに際して 前科者が行く世界
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悪戯に創造された世界 そして わたしの唯一の居場所である
夢の街といわれたこの場所は 何もない場所
巨大な監獄 絶望した人間の行き着く場所
誰もいない場所
物理空間ではない
ここでは 何でも叶うと聴いたことがある
その実は 巨大な監獄であり 人の生死は問われない
巨大な病院という別名を持つ
わたしは 過去と現在 そして未来を行き来しながら
エンプティセットを使用して自らの明日と今日を変革しようと努力した
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