人胎(S--T--N)磁石「もしも我々が生きているのがSでもなくTでもなくNでもないならば我々はどこへ向かっているのだろうか?」

すずりはさくらの本棚

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汚い肉体

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 この世界が終わる前

 わたしは普通の学生だった

 力なき民

 父親からの強姦

 毎晩、言い寄る汚らしい口髭と酒臭い口臭

 それがわたしを悩ませた

 「やめろよ!親父、出てけよ!!」

 女学生の抵抗とは、本当に空しい限りだ

 軋むベッドの上で毎晩のように侵された

 穢い腕に抱かれるたびに、自殺を考えた

 小さい頃は、優しい父親だった

 どうしてこうなった・・・・・・

 そればかりが、気の病むところだ

 それでも生きていられたのは、偽者の愛とやらに固執できたからだろう

 システムや運命などが存在しない世界

 喜びと束の間の人生、それが、わたしという存在だった

 口汚く罵る声、母親の悲鳴、性的汚名、母親からの性的暴力

 わたしは、システムをきっと望んでいたのだろう

 この世界をガラリと変えてしまうほどの運命を・・・・・・

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