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きびだんご 桃太郎と言えば「きびだんごじゃない?」

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きびだんご 桃太郎と言えば「きびだんごじゃない?」

昔々、ある村に桃から生まれた若者、桃太郎がいました。彼は心優しく、強い正義感を持ち、村人から慕われる存在でした。ある日、村を襲って人々を苦しめていた鬼たちの話を聞いた桃太郎は、自ら鬼ヶ島に赴き、悪しき鬼たちを退治する決意をします。

旅支度を整える桃太郎の元に、老いたお婆さんがひっそりとした顔でやって来ました。「桃太郎や、お前の道中に役立つかもしれんと、これを作ったんじゃよ」と差し出されたのは、柔らかく甘い香りを放つ丸い団子──そう、きびだんごでした。

「ありがとう、お婆さん!これを持っていけば、元気が湧いてくるに違いありません。」桃太郎はそう言ってにっこりと笑い、きびだんごを懐にしまいました。そして、静かに村をあとにしました。

**道中での出会い**

旅が始まってしばらくして、桃太郎はふと林の中から、力強い鳴き声が聞こえてくるのに気づきました。声の主を探していると、一羽の鷲が枝の上に止まってこちらを見下ろしていました。その鋭い眼差しと引き締まった体つきに、桃太郎は一瞬気後れしましたが、気を引き締めて鷲に声をかけました。

「お前さん、なかなか力がありそうだな。俺と一緒に鬼退治をしないか?」

鷲は鋭いまなざしを向けたまま首を傾げていましたが、桃太郎が懐からきびだんごを一つ取り出し、そっと差し出すと、ふいにその眼差しが和らぎ、彼の元に降りてきました。そして、くちばしでそっと団子を受け取り、一つ食べて言いました。

「俺を仲間にするなら、少し頼りがいのあるところを見せてもらわねばな。」

それからというもの、桃太郎と鷲は共に旅をし、見知らぬ山や深い森を進みながら、鬼ヶ島を目指しました。

**頼れる仲間たち**

次に出会ったのは、青々とした野原で草を食べていた一匹の鹿でした。桃太郎が声をかけると、鹿は耳をピンと立てて、ゆっくりと近づいてきました。桃太郎がきびだんごを差し出すと、鹿は軽やかにそれを食べました。そして、驚くほどに澄んだ声で言いました。

「我も力になろう。ただし、ここから先の険しい道の案内は任せてくれ。」

こうして鹿も仲間になり、さらに道中で出会った山犬や猪も、きびだんごの力に誘われて仲間に加わりました。彼らは桃太郎を先頭に、互いに支え合い、鬼ヶ島を目指して進んでいきました。

**鬼ヶ島での戦い**

ついに一行は鬼ヶ島に到着しました。島は高い崖や岩に囲まれ、重い鉄の門で守られていました。しかし、鷲が門の上を飛び越え、門番の鬼を襲う隙に、鹿が門を押し開けました。桃太郎と仲間たちは一気に鬼の城の中へと突入します。

鬼たちは最初、ただの人間が襲撃してきたのだと思って油断していましたが、桃太郎の剣さばきと仲間たちの連携に、次々と倒れていきました。鷲が空中から敵を見渡して指示を出し、山犬や猪がその指示に従って動く中、桃太郎は恐れず前進し、鬼の大将である赤鬼との対峙を迎えました。

**赤鬼との対峙**

赤鬼は炎のように赤い肌と、燃えるような瞳で桃太郎を睨みつけました。彼は一度、きびだんごを渡しておけば、戦わずとも話が通じるのではないかと考えましたが、赤鬼はそんな話を聞き入れる気はまるでなさそうでした。

「人間ごときがこの鬼ヶ島に乗り込むとは、愚か者め!」

赤鬼が豪快に叫びながら、大きな金棒を振り上げました。しかし、桃太郎も退かず、しっかりと剣を構え、赤鬼の攻撃をかわしながら反撃を繰り返しました。仲間たちも周囲の鬼と激しく戦い、少しずつ敵の数を減らしていきました。

赤鬼との戦いは激しく、互いに疲労がたまり始めました。そのとき、ふと桃太郎の懐の中できびだんごが光を放ちました。それを見た桃太郎は、懐からきびだんごを取り出し、一口かじりました。

すると、体中に不思議な力が湧き上がり、全身がみなぎるような感覚に包まれました。「これが、お婆さんのくれた力か!」と、桃太郎は感謝を胸に、再び赤鬼に立ち向かいました。

力を得た桃太郎の動きは、これまで以上に速く、鋭くなり、ついに赤鬼を倒すことに成功しました。赤鬼が倒れると、残っていた鬼たちは降伏し、桃太郎たちは村へ戻ることができるようになりました。

**帰還と新たな絆**

村に帰った桃太郎と仲間たちは、村人たちからの感謝を受けました。きびだんごのおかげで結ばれた絆は、仲間たちとの絆として深く残り、彼らは再び旅を共にすることを誓い合いました。

「きびだんごがあったから、皆と一緒に戦えた。お婆さんの気持ちが込められていたんだな。」桃太郎は懐のきびだんごをそっと握りしめ、感謝の気持ちを噛みしめました。

それからも桃太郎と仲間たちは、多くの村を巡り、平和のために助け合いながら暮らしていきました。
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