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忠告
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ある日の金城家での広間にてテーブルの上に足を組んで置く一人の少年とその横で珈琲を入れる一人の少女がいた。
それは、急な出来事で願わくば避けたい発言だった…
「雪!三日後に海行くぞ…」
「は?」
その言葉にれいにぃの忠告が頭を過ぎる…
「夏休みイベでそろそろ来そうなのは海イベだな…」
「海イベ?」
「お前のせいで夏休みのバスケイベも神社イベも既に終わったからなせめてこれから起こるイベントは避けなければならない…」
「イベントを避けるってエンドロールするには避けちゃ駄目なんじゃないの?」
「裏で操られてるとするとイベントに巻き込まれでもしたら裏で操ってる奴の思い通りになっちまう…なるべくイベントを避けながらも俺達自ら新しいイベントを引き起こしエンドロールに到達する。それしか道はない…」
「で、でも新しいイベントなんてそう簡単に引き起こせるの?」
「分からない…だが、裏で操ってる奴がお前をヒロインの立ち位置にしたように出来ないとも言えない…」
「確かに…」
私をヒロインの立ち位置に出来るぐらいなら新しいイベントを引き起こす事も出来そうかも…
「それでだな、近々お前に海イベの誘いが来る筈なんだ」
「海イベってことは海に行くの?」
「ああ…誰から誘われるかは現在の好感度率と今の現状次第だから分からないがとにかく海に誘われたら何らかの理由でもつけて断れ!いいな?」
「うぅ…でも、海なんて小さい時しか行った事ないから何か断るの勿体ないような…」
「お前なぁ…自分達の命とどっちが大事なんだよ?海なんて俺が後からでも連れていけるんだし諦めろ」
「え!?れいにぃ後で連れて行ってくれるの?わぁーい!」
「まぁ、男に二言はねぇが…」
と、そんなこんなでれいにぃに忠告を受けた訳だがその後私はそれを守れなそうにない出来事に遭遇したわけである。
それが現在に至る…
夏休みという事で普通の学生は休み期間に入るはずなのだが貧乏暇なしの私はバスケ部のマネージャーが一時大会の疲れをとるため休み中にバイトをこれでもかと入れたのである。
もちろん例のメイドのバイトも含めてだが…
この日は金城の命令と言う事もあり一日中メイドとして金城の屋敷で働いていた。
そして、その守れそうにない出来事が突如起きた。
金城の命令で珈琲を作り愛用のマグカップに注いでいると後ろで堂々と足を組んでテーブルの上に乗せて雑誌を読んでいた金城が不意に顔をあげ作業をする雪を見るや否や突然”海に行こう”と切り出した。
その目は否を言わせまいと鋭い目付きで睨みつけ雪の体を硬直させた。
「だ、だけどその日は私用事が…」
「あん?用事?バスケ部の試合は終わっただろうが!それに、合宿は八月にあるっていってなかったか?」
「うっ…そうじゃなくて、弟たちと遊園地に…」
「へ~、遊園地ねぇ…お前にそんな金あったけ?」
「うぐっ…無いです」
れいにぃ無理だよー!否定も何も断るの理由が見つからないしそれに何より金城先輩の目つきが怖いっ!
「で?他にいい理由はあるか?」
「うぅ…無いです」
「じゃあ、返事は?」
「うぅ…あー、もう!行きますよ!行けばいいんでしょ!」
半ば八つ当たりのように叫ぶと金城はその口元をあげ不敵な笑みを浮かばせた。
れいにぃ…ごめんなさい、さっそく忠告破っちゃいました…
心の中で精一杯の土下座をしつつも後から怒られるであろう葉山の顔を思い浮かべながら背中が凍りついた。
それは、急な出来事で願わくば避けたい発言だった…
「雪!三日後に海行くぞ…」
「は?」
その言葉にれいにぃの忠告が頭を過ぎる…
「夏休みイベでそろそろ来そうなのは海イベだな…」
「海イベ?」
「お前のせいで夏休みのバスケイベも神社イベも既に終わったからなせめてこれから起こるイベントは避けなければならない…」
「イベントを避けるってエンドロールするには避けちゃ駄目なんじゃないの?」
「裏で操られてるとするとイベントに巻き込まれでもしたら裏で操ってる奴の思い通りになっちまう…なるべくイベントを避けながらも俺達自ら新しいイベントを引き起こしエンドロールに到達する。それしか道はない…」
「で、でも新しいイベントなんてそう簡単に引き起こせるの?」
「分からない…だが、裏で操ってる奴がお前をヒロインの立ち位置にしたように出来ないとも言えない…」
「確かに…」
私をヒロインの立ち位置に出来るぐらいなら新しいイベントを引き起こす事も出来そうかも…
「それでだな、近々お前に海イベの誘いが来る筈なんだ」
「海イベってことは海に行くの?」
「ああ…誰から誘われるかは現在の好感度率と今の現状次第だから分からないがとにかく海に誘われたら何らかの理由でもつけて断れ!いいな?」
「うぅ…でも、海なんて小さい時しか行った事ないから何か断るの勿体ないような…」
「お前なぁ…自分達の命とどっちが大事なんだよ?海なんて俺が後からでも連れていけるんだし諦めろ」
「え!?れいにぃ後で連れて行ってくれるの?わぁーい!」
「まぁ、男に二言はねぇが…」
と、そんなこんなでれいにぃに忠告を受けた訳だがその後私はそれを守れなそうにない出来事に遭遇したわけである。
それが現在に至る…
夏休みという事で普通の学生は休み期間に入るはずなのだが貧乏暇なしの私はバスケ部のマネージャーが一時大会の疲れをとるため休み中にバイトをこれでもかと入れたのである。
もちろん例のメイドのバイトも含めてだが…
この日は金城の命令と言う事もあり一日中メイドとして金城の屋敷で働いていた。
そして、その守れそうにない出来事が突如起きた。
金城の命令で珈琲を作り愛用のマグカップに注いでいると後ろで堂々と足を組んでテーブルの上に乗せて雑誌を読んでいた金城が不意に顔をあげ作業をする雪を見るや否や突然”海に行こう”と切り出した。
その目は否を言わせまいと鋭い目付きで睨みつけ雪の体を硬直させた。
「だ、だけどその日は私用事が…」
「あん?用事?バスケ部の試合は終わっただろうが!それに、合宿は八月にあるっていってなかったか?」
「うっ…そうじゃなくて、弟たちと遊園地に…」
「へ~、遊園地ねぇ…お前にそんな金あったけ?」
「うぐっ…無いです」
れいにぃ無理だよー!否定も何も断るの理由が見つからないしそれに何より金城先輩の目つきが怖いっ!
「で?他にいい理由はあるか?」
「うぅ…無いです」
「じゃあ、返事は?」
「うぅ…あー、もう!行きますよ!行けばいいんでしょ!」
半ば八つ当たりのように叫ぶと金城はその口元をあげ不敵な笑みを浮かばせた。
れいにぃ…ごめんなさい、さっそく忠告破っちゃいました…
心の中で精一杯の土下座をしつつも後から怒られるであろう葉山の顔を思い浮かべながら背中が凍りついた。
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