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攻略対象者探し開始!
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ん?モフモフだぁ…フワフワなベッドに洗いたての石鹸の匂いだぁ…
って、何でそんな匂いするんだろう?
たしか私、街中に倒れて…ってあれ?
それからどうなったんだっけ?
ガバッ
目が覚めた拍子に思いっきり起き上がると見たこともない部屋に何故か見たこともないフカフカの真っ白なベッドの上にいた。
「ここどこ…?」
「やぁ、やっと起きたんだね。大丈夫?体や頭とかどこも痛くない?」
すると扉の方から顔を出して心配そうに声をかける声がした。
声の方を見るとそこには、フェーブのかかった茶髪に自分と同じ学校の制服を着た男の子だった。
うわぁ…めちゃイケメン!背も高くてスタイルよくて白が似合う。どことなくチャラそうだけど…
「君、俺と同じ青藍学園の人だよね?制服が同じだからそうかなって。用事があって車で外に出たら信号待ちの時に歩道で君が急に倒れてビックリしちゃったよ。咄嗟に車で病院にいって見てもらったら、疲労だっていうから送ろうにも家分かんないし仕方なく目が覚めるまで家で寝てもらう事にしたんだけど…」
「助けてくれてありがとうございました。」
「いいよ、目の前で倒れてる人がいたら助けるのは当たり前だし」
「いえ、本当に助かりました。お礼も何も出来ず申し訳ないのですが早く帰らないと家族が心配するので失礼させていただきます。」
「じゃあ、夜も遅いし送っていくよ。女の子一人じゃ危ないし」
「大丈夫です。いつもこの時間は一人で帰ってますし」
「でも、ここから帰り道なんて分かんないでしょ?」
「あー、そういえば…」
「じゃあ、決まり!送るよ」
「じゃあ…よろしくお願いします…。」
私は仕方なく送って貰うことにした。
あまり人に頼りたくないが早く帰るためにも仕方ない。
部屋を出ると玄関までの部屋が広すぎて”この人絶対金持ちだ!”と心の中で決定づけた。
やっとの思いで玄関を出ると私は言葉を失った。
「な!?でかっ!こんなに大きい家だったの?私の家の何倍もあるし」
「え?そんなに大きくないと思うけどなぁ」
いや、これを大きくないってバカじゃないの?
何坪あるのよ…この家…
うちの家と比べるのもあれだけど、私とんでもない人と関わちゃったかも…
「さぁ、乗って」
言われた通り用意された車に大人しく乗るが乗った車もあまりにも高級車すぎてもう声に出してツッコミを入れることもやめた。
ていうか、絶対ベンツだよね?この車…
はぁ……
心の溜息しかでてこない…。
絶対場違いだ…
「ところで、まだ自己紹介してなかったね。俺は、2年6組の高宮光。君は?」
「私は1年2組の相浦雪といいます。2年となると先輩ですね。よろしくお願いします。」
「雪ちゃんかぁ…新しく入って来たばかりの1年生だったんだぁ。先輩として分からないことがあったら色々聞いてね!」
雰囲気からしてやっぱチャラいなこの人…
「はぁ、特に聞くような事はないと思いますがその時が来たらよろしくお願いします。」
うんうん!と何故かニコニコ状態のチャラ男を蔑む目で見ていた。
車が家の前に着くとチャラ男こと高宮先輩にお礼述べて別れた。
もう会いたくないな…
ああいう金持ちでチャラ男は苦手なタイプだ。
家につくと妹と弟がいつものように布団で寝ていた。
どんなに疲れても辛くても苦しくても二人の寝顔や笑顔がいつも支えとなり癒してくれる。
どんなに貧乏でもボロいアパート暮しでも贅沢出来なくても地味な服しか着れなくても私には二人さえいてくれたら何もいらない。
私の宝物…
「お姉ちゃん、頑張るからね」
二人の頭を撫でながら呟いた…
「ゆきー!おはようー!」
「真奈!おはよう」
「昨日もバイトだったの?メールしたのに返信くれなかったから心配しちゃったよ」
「ごめん!忙しくて見れなかったんだ。気づいたの今日の朝だし」
「そう…バイトほどほどにね。倒れちゃったりしたら私も悲しいし心配するんだから!」
「分かってる。そうならないように気おつけるよ」
本当は昨日倒れたんだけどね…。
いまだに信じられない。
真奈がこの世界のヒロインだなんて…
真奈は幼い頃からの幼なじみだった。
小学生の頃に人づきあいが苦手な私が女子の中で仲間はずれにあい一人で教室にいた時に声をかけてくれたのが真奈だった。
真奈は、幼い頃から明るくて可愛くて綺麗で誰にでも優しくて心が広かった。
女子からも男子からも好かれ憎めない性格をしていた。
何もかもが私と真逆だった。
だが、私もそんな真奈に惹かれ気づいたら親友になり高校までずっと一緒になっていた。
高校に行っても真奈の人気は収まることはなくまるで華やかなヒロインとその影にいる地味キャラだった。
周りも私たち二人の事を月とスッポンだとか可憐な華と草花だとかキレイと地味だと色々言っている。
もちろん、私は後者の方だ。
真奈は、高校では茶道部とバスケ部を掛け持ちして頑張っているが部活のおかげもあり人気はますます向上中である。
まぁ、考えてみれば真奈がヒロインって言われても納得いくかも…
とにかく攻略対象者にかかわらないように地味キャラなりに生きていかなくちゃ!
「今日は部活紹介があるためまだ部活に入っていない人はこれを気に入るように…」
うーん、攻略対象者にかかわらないようにするって言ってもまずその対象者が分からないんだよねー。
誰だろう…?
合わせて8人かぁ…たしか8人ともトランプにあった性格や家柄に名前がもじられてたよね。
まずは、攻略対象者探しだ!よし!
バシッ
「痛っ!」
「先生の話の最中なのにうわの空とはどういうりょうけんだ!」
「すみませんでした…」
「珍しいな相浦がぼーとしてるなんて何かあったのか?熱でもあるなら保健室にでも…」
「だっ、大丈夫です。ちょっと考え事してて」
「そうか?何かあるなら先生に何でも言えよ?相談ぐらいにはのるからな」
「ありがとうございます。」
そう言うと先生は頭を撫でて教担へと戻って行った。
そういえば先生の名前って 緑 幸 って名前だっけ?家はたしか科学者や小説家の家でいくつもの研究所をもつ金持ちだった気が…
もしかして先生も攻略対象者?
よく見ればメガネに茶色がかったくせっ毛にコバルトブルーの瞳でスタイル抜群で大人の色気もあるぐらいイケメンの一人だもんなぁ
たしか、先生のファンクラブがあるって真奈言ってたけ?
めちゃくちゃ怪しい…
とにかく攻略対象者の一人として入れておこう。
「珍しいね、ゆきがぼーとしてるなんて」
「うん、ちょっとね…ところで真奈この学校で先生みたいなイケメン度がたかいイケメンっている?」
「ん?珍しいね、ゆきがこういう情報に興味があるなんて。いつもは聞き流すだけ流して興味なさそうなのに」
「うーん、ちょっとした心の変化かな?少しはJKとして高校生活楽しもうかと…」
「おぉ!ついにゆきも恋や青春を楽しむ気になったか!私は嬉しいよ」
うんうんと涙ぐみながら喜ぶ真奈に
ごめん、別に恋も青春も興味ないんだ…と心の中で謝る。
「先生並のイケメン度がたかいイケメンかぁ。知ってるちゃ知ってるけど実際に見た方がはやいかも」
「?実際に見るって言ってもどこで会うかわかんないし…」
「大丈夫だよ!今日の部活紹介の時に多分私が知る限り全員見れるはずだから」
「え?何で?」
「生徒会や風紀委員、部活に入ってる人にいるんだよー!イ・ケ・メ・ンが!」
マジか…
これはめちゃくちゃチャンスだ!
あいにく攻略対象者は分からなくてもイベントが起こる場所は分かる。
内容は、さっぱり覚えてないがとにかくチャンスだ!
攻略対象者さえわかればイベントにもラブフラグにも避けられる!
たしか、部活紹介の時体育館でイベントがおこるってなってたし攻略対象者さえ分かればその人たちさえ避ければまぬがれるわけだしいける!
この時、私はまだ知らなかった。
この後ただの情報収集のための部活紹介が私にとっての事件の始まりだったことに…
って、何でそんな匂いするんだろう?
たしか私、街中に倒れて…ってあれ?
それからどうなったんだっけ?
ガバッ
目が覚めた拍子に思いっきり起き上がると見たこともない部屋に何故か見たこともないフカフカの真っ白なベッドの上にいた。
「ここどこ…?」
「やぁ、やっと起きたんだね。大丈夫?体や頭とかどこも痛くない?」
すると扉の方から顔を出して心配そうに声をかける声がした。
声の方を見るとそこには、フェーブのかかった茶髪に自分と同じ学校の制服を着た男の子だった。
うわぁ…めちゃイケメン!背も高くてスタイルよくて白が似合う。どことなくチャラそうだけど…
「君、俺と同じ青藍学園の人だよね?制服が同じだからそうかなって。用事があって車で外に出たら信号待ちの時に歩道で君が急に倒れてビックリしちゃったよ。咄嗟に車で病院にいって見てもらったら、疲労だっていうから送ろうにも家分かんないし仕方なく目が覚めるまで家で寝てもらう事にしたんだけど…」
「助けてくれてありがとうございました。」
「いいよ、目の前で倒れてる人がいたら助けるのは当たり前だし」
「いえ、本当に助かりました。お礼も何も出来ず申し訳ないのですが早く帰らないと家族が心配するので失礼させていただきます。」
「じゃあ、夜も遅いし送っていくよ。女の子一人じゃ危ないし」
「大丈夫です。いつもこの時間は一人で帰ってますし」
「でも、ここから帰り道なんて分かんないでしょ?」
「あー、そういえば…」
「じゃあ、決まり!送るよ」
「じゃあ…よろしくお願いします…。」
私は仕方なく送って貰うことにした。
あまり人に頼りたくないが早く帰るためにも仕方ない。
部屋を出ると玄関までの部屋が広すぎて”この人絶対金持ちだ!”と心の中で決定づけた。
やっとの思いで玄関を出ると私は言葉を失った。
「な!?でかっ!こんなに大きい家だったの?私の家の何倍もあるし」
「え?そんなに大きくないと思うけどなぁ」
いや、これを大きくないってバカじゃないの?
何坪あるのよ…この家…
うちの家と比べるのもあれだけど、私とんでもない人と関わちゃったかも…
「さぁ、乗って」
言われた通り用意された車に大人しく乗るが乗った車もあまりにも高級車すぎてもう声に出してツッコミを入れることもやめた。
ていうか、絶対ベンツだよね?この車…
はぁ……
心の溜息しかでてこない…。
絶対場違いだ…
「ところで、まだ自己紹介してなかったね。俺は、2年6組の高宮光。君は?」
「私は1年2組の相浦雪といいます。2年となると先輩ですね。よろしくお願いします。」
「雪ちゃんかぁ…新しく入って来たばかりの1年生だったんだぁ。先輩として分からないことがあったら色々聞いてね!」
雰囲気からしてやっぱチャラいなこの人…
「はぁ、特に聞くような事はないと思いますがその時が来たらよろしくお願いします。」
うんうん!と何故かニコニコ状態のチャラ男を蔑む目で見ていた。
車が家の前に着くとチャラ男こと高宮先輩にお礼述べて別れた。
もう会いたくないな…
ああいう金持ちでチャラ男は苦手なタイプだ。
家につくと妹と弟がいつものように布団で寝ていた。
どんなに疲れても辛くても苦しくても二人の寝顔や笑顔がいつも支えとなり癒してくれる。
どんなに貧乏でもボロいアパート暮しでも贅沢出来なくても地味な服しか着れなくても私には二人さえいてくれたら何もいらない。
私の宝物…
「お姉ちゃん、頑張るからね」
二人の頭を撫でながら呟いた…
「ゆきー!おはようー!」
「真奈!おはよう」
「昨日もバイトだったの?メールしたのに返信くれなかったから心配しちゃったよ」
「ごめん!忙しくて見れなかったんだ。気づいたの今日の朝だし」
「そう…バイトほどほどにね。倒れちゃったりしたら私も悲しいし心配するんだから!」
「分かってる。そうならないように気おつけるよ」
本当は昨日倒れたんだけどね…。
いまだに信じられない。
真奈がこの世界のヒロインだなんて…
真奈は幼い頃からの幼なじみだった。
小学生の頃に人づきあいが苦手な私が女子の中で仲間はずれにあい一人で教室にいた時に声をかけてくれたのが真奈だった。
真奈は、幼い頃から明るくて可愛くて綺麗で誰にでも優しくて心が広かった。
女子からも男子からも好かれ憎めない性格をしていた。
何もかもが私と真逆だった。
だが、私もそんな真奈に惹かれ気づいたら親友になり高校までずっと一緒になっていた。
高校に行っても真奈の人気は収まることはなくまるで華やかなヒロインとその影にいる地味キャラだった。
周りも私たち二人の事を月とスッポンだとか可憐な華と草花だとかキレイと地味だと色々言っている。
もちろん、私は後者の方だ。
真奈は、高校では茶道部とバスケ部を掛け持ちして頑張っているが部活のおかげもあり人気はますます向上中である。
まぁ、考えてみれば真奈がヒロインって言われても納得いくかも…
とにかく攻略対象者にかかわらないように地味キャラなりに生きていかなくちゃ!
「今日は部活紹介があるためまだ部活に入っていない人はこれを気に入るように…」
うーん、攻略対象者にかかわらないようにするって言ってもまずその対象者が分からないんだよねー。
誰だろう…?
合わせて8人かぁ…たしか8人ともトランプにあった性格や家柄に名前がもじられてたよね。
まずは、攻略対象者探しだ!よし!
バシッ
「痛っ!」
「先生の話の最中なのにうわの空とはどういうりょうけんだ!」
「すみませんでした…」
「珍しいな相浦がぼーとしてるなんて何かあったのか?熱でもあるなら保健室にでも…」
「だっ、大丈夫です。ちょっと考え事してて」
「そうか?何かあるなら先生に何でも言えよ?相談ぐらいにはのるからな」
「ありがとうございます。」
そう言うと先生は頭を撫でて教担へと戻って行った。
そういえば先生の名前って 緑 幸 って名前だっけ?家はたしか科学者や小説家の家でいくつもの研究所をもつ金持ちだった気が…
もしかして先生も攻略対象者?
よく見ればメガネに茶色がかったくせっ毛にコバルトブルーの瞳でスタイル抜群で大人の色気もあるぐらいイケメンの一人だもんなぁ
たしか、先生のファンクラブがあるって真奈言ってたけ?
めちゃくちゃ怪しい…
とにかく攻略対象者の一人として入れておこう。
「珍しいね、ゆきがぼーとしてるなんて」
「うん、ちょっとね…ところで真奈この学校で先生みたいなイケメン度がたかいイケメンっている?」
「ん?珍しいね、ゆきがこういう情報に興味があるなんて。いつもは聞き流すだけ流して興味なさそうなのに」
「うーん、ちょっとした心の変化かな?少しはJKとして高校生活楽しもうかと…」
「おぉ!ついにゆきも恋や青春を楽しむ気になったか!私は嬉しいよ」
うんうんと涙ぐみながら喜ぶ真奈に
ごめん、別に恋も青春も興味ないんだ…と心の中で謝る。
「先生並のイケメン度がたかいイケメンかぁ。知ってるちゃ知ってるけど実際に見た方がはやいかも」
「?実際に見るって言ってもどこで会うかわかんないし…」
「大丈夫だよ!今日の部活紹介の時に多分私が知る限り全員見れるはずだから」
「え?何で?」
「生徒会や風紀委員、部活に入ってる人にいるんだよー!イ・ケ・メ・ンが!」
マジか…
これはめちゃくちゃチャンスだ!
あいにく攻略対象者は分からなくてもイベントが起こる場所は分かる。
内容は、さっぱり覚えてないがとにかくチャンスだ!
攻略対象者さえわかればイベントにもラブフラグにも避けられる!
たしか、部活紹介の時体育館でイベントがおこるってなってたし攻略対象者さえ分かればその人たちさえ避ければまぬがれるわけだしいける!
この時、私はまだ知らなかった。
この後ただの情報収集のための部活紹介が私にとっての事件の始まりだったことに…
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