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団子
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永倉と一緒に夕餉の材料を買いに町に出た私は未来で見た京都と違う幕末の京都の町並みに見入っていた。
「佐々木、そんなにうろちょろしてっとはぐれるぞ」
「すみません、こんなお祭りみたいな町初めてみるのでつい…」
「ははっ お祭りっていっても賑わいのある町って感じだけどな」
「どこもかしこも見たことないものばかりで楽しいです。」
「佐々木の故郷は田舎なのか?」
「えっ、はい…」
「なら、買い物の前に少し町を見ていくか?」
「いいんですか?」
「土方さんたちには内緒だがな」
「ふふっ はい!」
人の賑わいに溢れる町並みはどこか暖かくほっとする町だった。
元気にはしゃいで走り回る子供や客を呼び込む声や大道芸をする人など初めて見た光景に興奮は収まらなかった。
町を見て回るな中で団子と書かれた看板に目が止まった。
団子の看板を凝視している私に何か思ったのか永倉が声をかけてきた。
「団子でも食うか?」
「えっ、いいんですか?」
永倉の一言に目が食べたいと訴えている私を見て永倉が笑い出した。
「あははっ そんな食べたそうな目されちゃあ食べるしかねぇだろ」
「うっ…すみませんつい…」
団子と書かれた店に入ると優しそうな年配のおばさんがお茶を持って出て来た。
「いらっしゃい」
「団子四つ頼む」
「あいよ」
赤い布に敷かれた椅子に座ると傍に置かれたお茶を飲む。
「ふぅ~」
「はい、団子四つね」
「ありがとうございます。」
出来たての団子を一口頬張るとモチモチした食感を堪能する。
「うぅ~!美味しい~!!」
未来で食べた団子も美味しかったが幕末の京都の団子もやっぱり美味しかった。
やっぱ、甘い物がないと生きていけないよね。
「ははっ 随分、美味しそうに食うな。団子は初めてか?」
「いえ、食べた事はあるんですけどこの団子も美味しくて…」
「嬉しい事いってくれるねぇ。よし、じゃあもう一つおまけしてあげるよ」
そう言うとおばさんは団子をもう一つ皿に乗せてくれた。
「わぁ!ありがとうございます!」
「じゃ、俺の団子も一つやるよ」
「いいんですか?」
「俺は、美味しそうに食うおまえみてるだけでもう腹いっぱいだ。」
「ありがとうございます!」
食べた団子引いてこれで団子が三つになった!
ラッキー
その後も美味しそうに食べる私をずっと眺めていた永倉は不意に私の頭を撫でた。
「ふぇ?…」
頭を撫でる手に団子を食べていた手を止めると横にいる永倉の顔みる。
「佐々木、おまえ…犬みてぇだな」
「犬って、僕は犬じゃありません!」
「ははっ すまん、すまん。あまりにも美味しそうに食べるもんだから餌に食いつく犬にみえてなつい…」
ついって、犬にみえたからって頭撫でなくてもいいじゃん。
少しときめいてしまったじゃんか。
「むぅ…」
思わず睨みつける私に永倉は困ったような顔をした。
「うっ…だから、謝ってるだろう?美味しそうに食べるおまえがつい可愛くてな…」
可愛いという一言に思わず顔を背ける。
男に言ってるのは分かるけどそんな言葉言われ慣れてないから意識しなくても意識しちゃうよ…
私は、赤くなる顔を誤魔化すように永倉に向かって反論した。
「そう言う言葉は、男の僕にじゃなくて綺麗な女性にでも言ってください」
「そうだな。男に言うより綺麗な女子に言った方が得するな。ははっ」
片手で頭を掻きながら笑う永倉に良かったような少し残念なような複雑の思いのまま私は残っている団子を頬張った…
「佐々木、そんなにうろちょろしてっとはぐれるぞ」
「すみません、こんなお祭りみたいな町初めてみるのでつい…」
「ははっ お祭りっていっても賑わいのある町って感じだけどな」
「どこもかしこも見たことないものばかりで楽しいです。」
「佐々木の故郷は田舎なのか?」
「えっ、はい…」
「なら、買い物の前に少し町を見ていくか?」
「いいんですか?」
「土方さんたちには内緒だがな」
「ふふっ はい!」
人の賑わいに溢れる町並みはどこか暖かくほっとする町だった。
元気にはしゃいで走り回る子供や客を呼び込む声や大道芸をする人など初めて見た光景に興奮は収まらなかった。
町を見て回るな中で団子と書かれた看板に目が止まった。
団子の看板を凝視している私に何か思ったのか永倉が声をかけてきた。
「団子でも食うか?」
「えっ、いいんですか?」
永倉の一言に目が食べたいと訴えている私を見て永倉が笑い出した。
「あははっ そんな食べたそうな目されちゃあ食べるしかねぇだろ」
「うっ…すみませんつい…」
団子と書かれた店に入ると優しそうな年配のおばさんがお茶を持って出て来た。
「いらっしゃい」
「団子四つ頼む」
「あいよ」
赤い布に敷かれた椅子に座ると傍に置かれたお茶を飲む。
「ふぅ~」
「はい、団子四つね」
「ありがとうございます。」
出来たての団子を一口頬張るとモチモチした食感を堪能する。
「うぅ~!美味しい~!!」
未来で食べた団子も美味しかったが幕末の京都の団子もやっぱり美味しかった。
やっぱ、甘い物がないと生きていけないよね。
「ははっ 随分、美味しそうに食うな。団子は初めてか?」
「いえ、食べた事はあるんですけどこの団子も美味しくて…」
「嬉しい事いってくれるねぇ。よし、じゃあもう一つおまけしてあげるよ」
そう言うとおばさんは団子をもう一つ皿に乗せてくれた。
「わぁ!ありがとうございます!」
「じゃ、俺の団子も一つやるよ」
「いいんですか?」
「俺は、美味しそうに食うおまえみてるだけでもう腹いっぱいだ。」
「ありがとうございます!」
食べた団子引いてこれで団子が三つになった!
ラッキー
その後も美味しそうに食べる私をずっと眺めていた永倉は不意に私の頭を撫でた。
「ふぇ?…」
頭を撫でる手に団子を食べていた手を止めると横にいる永倉の顔みる。
「佐々木、おまえ…犬みてぇだな」
「犬って、僕は犬じゃありません!」
「ははっ すまん、すまん。あまりにも美味しそうに食べるもんだから餌に食いつく犬にみえてなつい…」
ついって、犬にみえたからって頭撫でなくてもいいじゃん。
少しときめいてしまったじゃんか。
「むぅ…」
思わず睨みつける私に永倉は困ったような顔をした。
「うっ…だから、謝ってるだろう?美味しそうに食べるおまえがつい可愛くてな…」
可愛いという一言に思わず顔を背ける。
男に言ってるのは分かるけどそんな言葉言われ慣れてないから意識しなくても意識しちゃうよ…
私は、赤くなる顔を誤魔化すように永倉に向かって反論した。
「そう言う言葉は、男の僕にじゃなくて綺麗な女性にでも言ってください」
「そうだな。男に言うより綺麗な女子に言った方が得するな。ははっ」
片手で頭を掻きながら笑う永倉に良かったような少し残念なような複雑の思いのまま私は残っている団子を頬張った…
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