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1章 異世界から来る死体魔術師
研究所の解体ゼノ
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無事にシャルルク王子との面会も済ませ、アルディに案内されるがままに付いていくと牢がある地下一階の下にていくつもの施錠がされたドアを通り抜けると地下二階の研究所と書かれた標識がある鉄ドアの前で足を止めた。
「すまないが俺はこの先には行けない」
「え?何か理由があるの?」
するとアルディは苦虫を噛み潰したような表情をし何嫌な思い出があるかのようだった。
「実はちょっと前に実験体にされた事があってな…」
「あー、なるほど…」
それがトラウマで入るのはなるべく避けたいと言う事か…
「気をつけていけよ」
「ご心配なく」
鉄ドアのドアノブを回し開けると緑色の煙が入ってきた。
「ふぅ…ま~た失敗か」
「ケホケホッ!ゼノさん分量間違えてますよ~!」
煙でよく見えないが二人分の誰かの声が聞こえた。
「アルディこれは…あれ?」
隣にいたはずのアルディに質問しようとしたが既に帰ったようで姿はなかった。
…そんなに嫌なのか
「あれ?何かドアの前に誰かいるっすよ」
「ん?お客さんかな?」
煙が段々と薄れ影だった姿が徐々に見えるとそこにはピンク色の髪に兎の耳をした見た目から13~14の少年と肩までかかる黒髪に黒縁メガネをかけた長身の青年の姿があった。
二人とも白衣を着ており大きなテーブルの上には山積みにされた本と怪しい液体の入った瓶がいくつも散乱していた。
「あの…アルディ団長から案内されて来ました。異世界から来たドクロと言います」
「兵士から話は聞いてるよ、ドクロくん。さぁ、遠慮はせず入りたまえ」
黒髪の青年の声におずおずと入った瞬間、開いていた鉄ドアが勝手に閉まった。
ドンッ!
「ひゃっ!?」
驚いて思わず振り返るとそこには誰かいた形跡はなく、ただ自動に閉まった様だった。
「気にしないでくれたまえ。それは魔法だ」
「魔法?」
黒髪の青年は淡々と当たり前のようにそう言うと何かの言葉を小さく呟くと右手の中から見たこともない文字が出てきた。
「ここに命令の言葉が書かれてある。これを物体に翳すとその通りに動くようになる魔法さ」
「ドアにはどんな命令を?」
「人の気配がドア裏でないと自動的に閉まり鍵をかけろという命令さ。この魔法は別名 シューラという」
「…シューラ」
「ゼノさん、まだ俺達の自己紹介してないっす」
それまで話を聞いていたピンク髪の少年はゼノと呼ばれた青年に問いかける。
「あ、そうだった!すまない、自己紹介が遅れたね。僕の名はゼノ…この研究所をまとめあげる研究者の一人として、魔法・解剖・研究を携わる者だ。どうぞよろしく」
握手を求めるように手を伸ばされその手を握る。
「よろしくお願いします」
「そこにいるのは僕の助手をやってもらってるシュノくんだ」
「よろしく」
「…よろしく」
素っ気ない挨拶をするシュノという少年に何気にツンデレ感を感じた。
こいつ弟キャラっぽいな…使えそう
「では、ようこそ研究所へ!ドクロくん、君を歓迎するよ」
「すまないが俺はこの先には行けない」
「え?何か理由があるの?」
するとアルディは苦虫を噛み潰したような表情をし何嫌な思い出があるかのようだった。
「実はちょっと前に実験体にされた事があってな…」
「あー、なるほど…」
それがトラウマで入るのはなるべく避けたいと言う事か…
「気をつけていけよ」
「ご心配なく」
鉄ドアのドアノブを回し開けると緑色の煙が入ってきた。
「ふぅ…ま~た失敗か」
「ケホケホッ!ゼノさん分量間違えてますよ~!」
煙でよく見えないが二人分の誰かの声が聞こえた。
「アルディこれは…あれ?」
隣にいたはずのアルディに質問しようとしたが既に帰ったようで姿はなかった。
…そんなに嫌なのか
「あれ?何かドアの前に誰かいるっすよ」
「ん?お客さんかな?」
煙が段々と薄れ影だった姿が徐々に見えるとそこにはピンク色の髪に兎の耳をした見た目から13~14の少年と肩までかかる黒髪に黒縁メガネをかけた長身の青年の姿があった。
二人とも白衣を着ており大きなテーブルの上には山積みにされた本と怪しい液体の入った瓶がいくつも散乱していた。
「あの…アルディ団長から案内されて来ました。異世界から来たドクロと言います」
「兵士から話は聞いてるよ、ドクロくん。さぁ、遠慮はせず入りたまえ」
黒髪の青年の声におずおずと入った瞬間、開いていた鉄ドアが勝手に閉まった。
ドンッ!
「ひゃっ!?」
驚いて思わず振り返るとそこには誰かいた形跡はなく、ただ自動に閉まった様だった。
「気にしないでくれたまえ。それは魔法だ」
「魔法?」
黒髪の青年は淡々と当たり前のようにそう言うと何かの言葉を小さく呟くと右手の中から見たこともない文字が出てきた。
「ここに命令の言葉が書かれてある。これを物体に翳すとその通りに動くようになる魔法さ」
「ドアにはどんな命令を?」
「人の気配がドア裏でないと自動的に閉まり鍵をかけろという命令さ。この魔法は別名 シューラという」
「…シューラ」
「ゼノさん、まだ俺達の自己紹介してないっす」
それまで話を聞いていたピンク髪の少年はゼノと呼ばれた青年に問いかける。
「あ、そうだった!すまない、自己紹介が遅れたね。僕の名はゼノ…この研究所をまとめあげる研究者の一人として、魔法・解剖・研究を携わる者だ。どうぞよろしく」
握手を求めるように手を伸ばされその手を握る。
「よろしくお願いします」
「そこにいるのは僕の助手をやってもらってるシュノくんだ」
「よろしく」
「…よろしく」
素っ気ない挨拶をするシュノという少年に何気にツンデレ感を感じた。
こいつ弟キャラっぽいな…使えそう
「では、ようこそ研究所へ!ドクロくん、君を歓迎するよ」
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