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第三章

行方不明捜索

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<行方不明捜索> 

 俺達は父さん達が帰ってくるまで移動は出来ないので近場での依頼をこなし終わりギルドに戻ると、サブマスのトッポさんが俺達の元にやってくる。 
「お疲れ様です。トッポさん。」「こんにちは」と簡単な挨拶をするが、トッポさんは難しい顔をして話してくる。 
「ああ、お疲れさん、疲れている所すまないがちょっと俺の部屋に来てもらえるか、話がある。」雰囲気が違ったので何事かあったのと思い、俺と亮は顔を見合わせ頷き部屋に向かう。 
部屋に入った俺達はトッポさんに促され椅子に座る。 
「すまないな、さっきも言ったが疲れている所悪いな。」 
「いえ、今日はそこまで厳しい依頼はこなしてませんので、疲れてはいませんが、何かあったんですか?」 
俺の問いに対し答えにくそうにして話を始める。 
「む、うん、そのな、、、ええい、くそ、」と自分に腹が立つような言葉が漏れる。それに対し俺達は何も言わずにその続きが出てくるのを待ち、しばしに沈黙が場を流れるが、 
「すまんな、これを言っていいかどうかと悩んでしまったのと協力をしてもらえるか悩んでしまったんだが、実は数日前からショウ達が行方不明になってしまったんだ。」トッポさんから出た言葉に俺達はびっくりする。 
「信じられんかもしれんが、あの証書を渡した後帰国するまで日数があるからもう少し頑張ると言っていて、簡単な依頼を受けていたようなんだ。そして、昨日の事だがギルドの受付の者からショウ達が帰ってきてないのを聞かされて行きそうな場所を探したのだが見つからなくてな。それで、暫く一緒だったお前達なら何か分かるんじゃないかと思って声をかけたのさ。」 
その問いに対し、「そうだったんですね。」「むむむ」としか答えられない。なぜなら、あの後は全くショウ達と会うこともなかったからだ。 
トッポさんは俺達の反応に対しやはり知らないと言うのが分かり、どうしたものかといった顔になっている。 
「トッポさん、俺達もその捜索にお手伝いさせてもらいます。全く知らないっていう訳ではないですので。」 
「僕も手伝います。」 
そう答えると、 
「すまん、手伝って貰えるか。特にショウ達の一人は階級は低いが貴族さんのご息女なんだ。何かあったとしたら国同士の問題になるんだ。」 
「そうなんですね、分かりました、俺らだけでは厳しいかもしれませんから知り合いに助成して貰うことは可能ですか?」 
「うむむ、あまり広めたくはないのだが、、、」 
「知り合いと言っても、ウエストフォール商会にいる俺の兄さんです。国同士の問題ともなってくると商売にも響いてくると思うので協力して貰えると思うし、秘密にしてくれるはずです。」そう説明をすると、 
「ウエストフォール商会か、ならば問題ない気がするな。が、出来るだけ秘密裏にして欲しい。こちらも捜索は続けるがな。」 
「「分かりました。」」そう言うと部屋から出て早速蒼空兄さんの元に向かうのだった。 

 閉店前にウエストウォール商会に着くことが出来たので蒼空兄さんもしくはニナさんがいないかを聞くと兄さんは取引で出かけており、ニナさんは自宅へと帰っているとの事であった。仕方ないので、伝言をお願いしようとすると、 
「おや、利久さんに亮さんではないですか、どうされたのです?」と声をかけてきたのがギャリソンさんであった。そして、あまり人に聞こえないようにし、 
「あ、ギャリソンさん、よかったちょっとご相談がありまして、今日は急遽伺ったんです。」 
「ご相談ですか?」 
「はい、蒼空兄さんの力を借りようと思いまして。」「蒼空様のですか、それはどのような事です?私でもいいならお伺いしお伝えできますが?」 
「そうですね、実は内容がここでお話しするような事でないので、人がいない所でとなります。」この言葉だけで重大な事と理解したのか、 
「利久さん、ご相談に乗らせて頂きますので、私の後ろについて来て下さい、丁度いい部屋がございますので」 
そう言うと踵を返し移動し始めたので、俺達はその後ろについていくのだった。 
案内された部屋は二人掛けの椅子が二つと簡素なテーブルのみが置かれている、そしてこの部屋は周りに声が漏れないように魔法がかけられているとの事であった。俺達が部屋に入り椅子に座ると同時に、従業員の方がお茶とお茶菓子を持って来る。そして、置いていくとすぐさま退出し三人だけとなる。 
ギャリソンさんから一呼吸とつくためにお茶をどうぞと言われ一口飲むとすぐに飲める温度になっており、本当に一呼吸付ける熱さであった。 
「さて、一呼吸ついたと思われますが、重大なお話とはどのような事でしょうか?内容によっては私の中で終わらせることになります。」獲物を狙うような厳しい目になり話しかけてくるが、怯むことなくお茶ありがとうございますと答え返し、説明に入る。 
「ギャリソンさん、実はショウ達の事です。」 
「ショウ達と言いますと、護衛依頼をしてくれた彼らですね。その彼らがどうしたんですか?」 
「はい、今日ギルドに行くとサブマスのトッポさんから彼らが依頼から帰ってきていないそうなんです。それが分かったのが昨日のことでして、行方不明になり数日たっているそうなんです。」 
「そうですか、それは困ったことですね。」 
「はい、それで先程聞いたのがその中で一人が貴族のご息女らしいので、ユリナか杏夏のどちらかと思うのですが、帰省するのがもうすぐらしく何かあったら問題になるらしいです。それで、捜索に加わるようにしたのですが、国同士の事とかになったら商売にも影響が出るのではと思い急遽伺った次第です。」そう説明するとしばらく思案される、その間に俺はお茶を飲みコップを置くと考えがまとまったのか、 
「それはまずいですね。分かりました、蒼空様に必ずお伝えいたします。それから、微力ながらも私もお手伝いさせて頂きます。」そう答えてくる、そいて、手伝ってもらえるのはありがたかったが、 
「仕事の方はいいのですか?手伝うと言われましたが?」 
「それは大丈夫です。蒼空様にニナ様から何かあったら積極的にご協力しなさいと申し渡されておりますし、ショウ君達を知らないわけではありませんので。」 
「ありがとうございます。早速と言いたいとこですが、ギャリソンさんは兄に報告があるでしょうし、今からとなると俺達はこの土地の事をよくは分からないのから厳しいので、明日の朝もう一度お伺いして対応したいのですがどうでしょうか?」 
「それが一番間違いないかと思います。それでは、明日の朝もう一度宜しくお願い致します。」 
明日の朝詳しく話し合い行動を行うことを約束し別れるのであった。その後俺達は無言で宿に帰り、何かいい案が無いかを考えるのであった。 
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