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第二章

勉強会と初依頼

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<勉強会と初依頼> 
 あの騒動から数日が経ったがとりあえず何もない状況だ。橋村さんから何かあるのではと思ったが、何もなし、沙羅やリリンさんも何も言ってこない、藤村先生も何もない、どうなったんだろうかと思うが、聞くのが怖いのでそのことに触れないことに決め訓練や練習をし、日々の学校を過ごすのだった。 
 
 夕食を取っているとエレナ母さんが、 
「利久く~ん、今日ね~副組合長が~、あなたに伝えてと~言ってきたのよ~。忘れないうちに~伝えとくわよ~。」といつもの調子で話してくるが、気にせずに 
「何を言ってきたの?」そう問い返す。 
「え~っとね、今度登録したばかりの人向けの~勉強会を~するから~、参加してねってことだったわ~。」 
「分かったよ、で、いつあるの?」 
「たしか~、十日後で~冒険には最低限必要な装備や道具をしてくるように~って言ってたわ~。」 
「十日後ね、分かった、その日は学校だけど休みますって言っとなくちゃね。」 
「そうね~、伝えたからね~。」そう言ってお互いに夕食を終わらせ、部屋に帰ろうとすると、 
「あ、そうそう~、後十五日後ぐらいに~、お父さん達が帰って来るって連絡があったわよ~。」 
「そうなんだ、じゃあ、また、色々と教えて貰わなくちゃ。」 
「そうね~、それまでに、いっぱい頑張っとくのね~。」 
「わかった」そう言って部屋に行き、宿題などをした後眠るのだった。 
 
 学校やメンバーに冒険者の登録したばかりの人向けの勉強会があることを報告し不在にすることを報告する、もちろん亮も一緒にとは付け加えて説明すると、何の反対もなく拍子抜けするほどだった。 
 言った期日まで何事もなく済み、俺は事前に収納袋に回復薬や解毒薬、麻痺解除薬を入れ商工房横の会館に亮と向かうのだった。 
 
 指定された場所に向かい、受付を済まし説明がある部屋に向かうと、そこにはなぜか見知った顔がある。 
「え、何でみんないるのかな?」と間抜けな言葉を発すると、 
「何でって、それは登録したからだよ。」と答えられると横にいる子もコクコクと頷いている。 
「登録方法は先生に聞いてきました。」 
「貴方の横にいるために、登録をしました。」 
「私は亮君も登録したって聞いたから。」と一人だけ違う答えが返ってくる。 
最初の応えたのがエイルさん、その横が鏑木さん、真面目に答えたのが橋村さん、恥ずかしい言葉を言ってきたのがリリンさんだ、最後はレコアさんだが、亮に対して言ったようで、なぜか亮はもじもじしていた、なんかうれしかったんだろうと思う。 
「登録って、よく先生から許可が出たね?」と問いかけると、 
「藤白先生のご協力ですよ、あの後話し合ったのですから。」橋村さんが教えてくれる。 
「そ、そうなんだね、ちなみに、どんな話をしたのかな?」 
「それは言えません、乙女の秘密ですから。」ときっぱりと断られてしまう。 
「そうですか、それならそれ以上は聞かないけど、エイルさん達も登録していたとは思わなかったな。」話をすり替えるように話すと、 
「うん、橋村さんからお誘いがあったから登録したんよ。」「わ、私もです。」との答えが返ってきたので、 
「もしかして、今日の勉強会って知ってたの?俺が言ったとき、皆な無反応だったから」 
「ええ、知っていましたわ。開催されるという連絡をする日に私達登録しに行きましたのですから。」 
リリンさんが髪を手でフサァ~っとし、動かしながら答えてくる。う~ん、お嬢様ですといった動きなのだが、服が今回も考えさせられる状況で、鞭は通常装備なのだというのが聞いてはいたので仕方ないとしても、本当にどこからその服を探してきているのか知りたくなってしまう、昔の勇者の一人が来ていたという噂のセーラー服らしいのだが、真っ赤な色でスカート裾は白いラインは二本入っているし、目立っているのだ。と、まじまじと見るわけにはいかないので、 
「そうなんだね、俺達は早く登録していたから別のつてで聞いたからね。」と答え、後はたわいのない話をしていると、いかつい人を先頭に三人が入ってくる。俺達は部屋にある椅子に座る。 
「おし、今日行うことを通知したものは来ているな。」そう言って部屋を見渡し、元の位置に戻ると 
「自己紹介しておこう、俺は副組合長の谷口だ、それと、副組合長の肩書だが、実質は冒険者組合の長だ。」 
この組合は建物は別にはなっているが、商工房の組合とセットになっており、各組合の長から組合長を決めることとなっており、今は商業組合の組合長が組合長をやっているので、他の組合長は副となっているので、先程の説明になるのだ。 
「さて、聞いてはいるとは思うが冒険者の心得のを最低限学んでもらう、午前中は話を聞いてもらうことが中心で、午後からはまぁ、一番簡単なものだが、依頼を受けてもらう。と、いっても、居なくなった猫を探して下さいとか家を修理してくださいとかではないからな。中にはそんな依頼もないとは言えんが、今回はそんなものではないとだけ伝えておく。」谷口副組合長が説明する。 
 確かにいきなりそんな依頼を受けても微妙だなとは思う。他の参加者もほっとしているようだ。あとの話は一緒に来た人が説明を引き継ぐようで、谷口組合長は出て行く。そして残った二人 
「それでは、これからは私達が説明等をしていきます。私の名はブライトと言います、一応この組合では二番目です。それと、横にいるのが、、、」 
「フォウといいまーす。よろしくね、私は受付関係の仕事です。」ブライトさんを遮って自己紹介がされる。 
ブライトさんはローブを纏っていて、髪に少し白髪が混じっていて、厳しそうな感じがする。それに対し、フォウさんは茶髪でいかにも事務員的な服装をしているが、言葉遣いがものすごく軽い感じで挨拶がされる。 
「フォウさん、今私が説明しているところですよ。順番を守りなさい。」そう叱責が飛んでくる。 
「まぁまぁ、いいじゃないですか、怒ってばかりだと欠陥が切れちゃいますよ。」そう言い返している。いつもの事なのかフォウさんは余裕のようだ。ブライトさんもそれ以上の事は言わずに、続きを話し始める。 
「自己紹介が終わりましたので、説明があったように今から冒険者として最低限覚えてもらうことを学んでもらいます。分からないことがあったら、質問するように」そう切り出してくる。 
「「「「はい」」」」その部屋にいる全員ではないが、返事をし、説明が始まるのだった。 
 
 「はい、これで午前の部は終わります、一旦昼食を取って、またこの部屋に集まって下さい。」そうブライトさんが言って、部屋から出て行く。 
俺は背伸びをしながら明なの方を向き、「ふぅ~、終ったな、きちんと覚えとないとな。」と言うと、 
「そうですね」「そうですわね。」「うんうん」「う、うん」「疲れた~」 
と、様々な答えが返ってくる。 
「さてと、昼飯だけどどうする?」 
「はい、提案があります。」橋村さんがなぜか手を挙げて言う。 
「橋村さんては上げなくていいから、提案とは?」上げたことに照れながら、 
「この商工房組合に社員食堂というのがあるそうです。そこは安くいて美味しいとのことですので、行ってみませんか?」 
「そんなとこがあるんだ、じゃあ、そこに行こうかな。皆なはどうする?」 
反対意見はないようなので、食堂に移動し昼食をとることにする。 
 
 食堂に着くと今日のお薦めと書かれてあり、美味しそうな内容(ごはんにお味噌汁、サラダとコロッケ二個)だったのでそれを注文する。ほかのメンバーもそれぞれに好きなものを注文し、来た人から先に食べるというのにしてゆっくりとするのだった。金額も銅貨四枚と安くて美味しかったし、学生にはリーズナブルな値段だった。 
時間前一〇分になったので部屋に移動するのだった。 
 
 部屋に突き午前中と同じ椅子に座り待っていると、午後からもブライトさんとフォウさんが引き続きのようだ。 
「では、午後の部を始めます。これからの説明はフォウ君がします」 
「はいはーい、今から午後の部の依頼について説明します。」 
そう言うと、ボードを取り出しいくつか張り付けていく。 
「はい、注目。今皆さんの前に出したボードは組合にある依頼の縮小版と思って下さい。このボードに貼られたものを受けてもらいます。」 
「と、言っても簡単なものですから、そこまで苦労はしないと思います。一人でやれるものですが、今回は何かあったらいけませんので、パーティを組んでもらいます。人数は決まっていませんので好きな人数で組んでいいですよ。後、この依頼はきちんとカウントされます。」 
そう言われがやがやとし始める、知ってる者同士ならすぐに組めるが知らない者同士だと中々組みづらいと思うが、いつも同じメンバーと組めるとは限らないので、その辺りも含めているのかなと思ったりする。 
「はい、それじゃあ、組んだ人から依頼を受けに来てくださいね。」その言葉に俺は、 
「おし、じゃあ、俺はだれと組むかな」そう言うと、 
「誰と組むかなじゃなくて、いつものメンバーにリリンさんでいいんじゃないの?何人でもいいって言ってたし」エイルさんが言ってくるが、それに皆な反対もせずに 
「それいいわね」「そうしましょう」と言った言葉が出てくるので、 
「え、でも、報酬ほとんどないまんまになるよ?」と言うと 
「報酬はどうでもいいのです。」「そう、今日は皆で依頼をこなすというのが目的ですから。」「利久さんと一緒ならば問題ないです。」と返ってくる、最後のは目的代わってる気がするが、気にしないでおこう。 
「わかった、じゃあ、七人で受けるってことで、フォウさんのとこに一緒に行こう。」そう言うと椅子から立って依頼を受けに行くと、 
「おい、お前らそんな人数で受けるのか?」俺達より二つか三つ歳上の人かなという人から質問される。 
「はい、この人数で受けます。全員学校の友達なんで。」 
「ああ、そういうことね。それじゃあその人数になるか。しかし、女の子率高いな。うらやましいぜ。」 
「はは、なぜかこんな風にですよ。」 
「そうか、じゃあ、頑張れよ。俺も話しかけてくないとな、じゃあな。」そう言って他の人に話しかけに移動したので、フォウさんの下へ移動しパーティが七人になったことを説明し、依頼を見る。 
依頼は、本当に簡単なもので、傷薬になる薬草採取などで、一旦町を出て少し歩けばすぐに見つかるものだ。 
「どれを受ける?」そう尋ねると 
「森の近くの果実採取でいいんじゃない?」亮が言うので、ほかの人にも尋ねると問題ないようだったので、その依頼を受けることをフォウさんに言い受けると、 
「目的を達成したら、報告しに来てね、それで、今日の勉強会は終わりだからね。」 
「分かりました」そう返事をして、館を後にし町の外に向かうのであった。 
 
 町を出て一時間ほど歩くと目的の森に到着し、少し中に入っていくと目的の果実を見つけたので、亮が木に登り指定された数を狩り降りてくる。 
「この実を持っていけば依頼終了だね。」 
「そうだな、終わりだな。」そう言って引き返そうとすると、ガサガサと言った音が聞こえてきたので、 
「皆な、武器を持って構えろ。」そう言うと同時に何か出てくる、出てきたのは動物だった。 
「む、ワイルドボアか、あいつ狂暴なんだよな。おそらくここで逃げても追いかけてくるだろうから、倒してしまおう。いいか?」そう訊ねると、 
「分かりました。」「了解ですよ」「ちゃっちゃとやっちゃおう」と言った声が聞こえてきたので、 
「おし、いっちょやるか、じゃあ、亮とエイルさんはあいつをかく乱、レコアさんと俺は攻撃をする、鏑木さんとリリンさんは術で攻撃を、ただし火はダメだよ。橋村さんは鏑木さんとリリンさんと自分に防御の術をかけといて、俺が前衛組にはかけるから。よしいくぞ。」 
「光よ、我が呼びかけに応じて不可視の鎧となり身を守らん。防御光ディフェンスライト|」唱えると見えない鎧が出来ると同時に、エイルさんと亮の攻撃が始まる。 
エイルさんは木の上から矢を放ち亮は闇の術で足止めをするとこ効果抜群だったようで、興奮はしながらもきょろきょろしだすので、その隙にリリンさんと鏑木さんが土の術の土球を飛ばし攻撃するとどちらもいいとこに当たったのか、フラフラし始めたので、レコアさんと俺は走り出し斬りつけるとあっさりと倒れてしまった。 
「ありゃ、もう倒れちまった。はえーな。」そう言うと、 
「つーかさ、利久君のレベル高いからじゃないの?」亮にそう突っ込まれると、 
「あ、そうだった、上がってたんだ。まぁ、みんなも上がってるとは思うんだけど?」 
「そうそう、だからあっさりだったんだよ。」 
「じゃあ、こんな感じでやっていくってのが分かったからいいとするか」そう言って終わらせることにして、ワイルドボアを俺と亮で組合まで運び処理してもらった後、依頼達成を報告をして解散する。依頼の報酬は銅貨六枚だけだったが、ワイルドボアの代金が銀貨三枚と銅貨六枚あったので全部銅貨で貰い均等に分けて、今後もちょくちょく依頼を受けてやっていこうと話して解散したのだった
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