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第二章

トラブル対応

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<トラブル対応>

 留学生に嫌われた男として、一躍有名になってしまったが、酒を飲むことができる年齢になった時に知り合いにそんなことがあったよなと、笑い話にすればいいと思ったからだ、所詮一年間しかいない留学生なのだからと、自分のなかで完結させ、気にしないことにする。まぁ、弱冠何名かは気にしているようだったが、、、

 「ねぇ、聞いてる、利久君、いきなりあんなこと言われて腹立たないの?」沙羅はぷんすか腹立てながら話しかけてくる。そのせいか、毒消しの術の練習がいつもより遅れている。仕方ないので、
「沙羅、そのことはもういいよ、気にしないと俺が決めたんだから、それよりも、気を取られすぎて全然進んでないようだし、これ終わらないと帰れないぞ。」
と言って、集中するように言う、俺はまた消すことに集中をし始めたので、まだ言いたそうだったが、諦めたのか、集中をし始める。
 毒消しが終わったことを先生に告げると、
「結構かかったようだね。今日の毒はちょっと強めにしておいたからねぇ、でも、消せたってことはね、そのレベルの毒以下は、一言「毒消し」で消せるようになっているよ。たしかに詠唱した方が治療を受ける側としては安心できるけど、緊急を要する時はそんな詠唱はじゃまでしかないわ。といっても、そこまでするの人達は減っているから、詠唱言うのが大事にされているのよ。」
「そうなんですね、無詠唱ってすごいことなんですね。」
「そうよ、同じ術を唱える者同士が戦ったとしたら明らかに違いが出るわ。というか、その時点で負け確定な感じね。」
「じゃあ、先生たちの中で無詠唱の先生っているんですか?」沙羅が興味津々で聞く。
「いるわよ、たしか、月夜先生が一つだけ無詠唱だったと思うわ。」たしか、月夜先生は低学年時の習った先生だったが、雰囲気からそんな風に見えなかったので意外だったので、
「低学年の時、月夜先生が担任でしたけど、そんな風に見えなかったんだけどな~?」
「そりゃそうでしょ、低学年じゃ術は教えないし、見せても理解できなでしょうし、今だからわかって聞いたってとこでしょう?」俺達は、納得する。
「ま、あの先生が無詠唱で使う時って言うのは、はっきり言って飲み会であって、次にもと言った瞬間、いなくなってるのよねぇ。」
「え、いやそれって、静かに帰ってるだけなんじゃ?」と突っ込むと、
「そんなことはないわ、月夜先生は私はこれでと言った瞬間、私の前で消えたからね。どうも闇の術で消えてると私は思ってるんだけど。」
「そうなんですね。それじゃあ、間違いないんでしょうね。」俺も沙羅も納得する。
「だから、無詠唱はすごいのよ。」と、話をして、授業を終わり帰ろうとすると、扉がすごい勢いで生徒が入ってくる、
「先生、すいません治療をお願いします。団体の模擬戦してたら術が暴発してしまって、けが人が多数出ました。」
「なんだって、分かった行きます。すまないが、上渕君に村中さんも手伝いを頼むよ。」
「「はい」」
俺達はすぐ横の修練場に向かう。怪我を言ってきた生徒には他の先生を呼んでくるように伝える。

 修練場では、切り傷などを負った者、火傷を負った者、骨が折れてしまっている者とバラバラになっていたので、
「動ける人は私のとことに集まって下さい。」と呼びかけると、6人ほどが大丈夫だったようで、その人たちに説明する。
「今、怪我をしている人達を分けます。擦り傷などの人、火傷の人、骨折の人を一カ所に集めて下さい。動かせないと思ったら、とりあえず、鎧などを外して治療しやすいようにして下さい。それでもダメなときは、言いに来てください。はい、急いで動いて。」
そう、指揮をすると、今度は俺達のほうに向いて、
「じゃあ、我々も動きますが、上渕君は火傷の人を、村中さんは擦り傷などの人を治療してください。骨折の人は私が見ます。大変かと思いますがお願いします。」
そう言うと、骨折をした者たちが集まらせる場所へ移動する。俺達も指示された通りに移動し治療を始める。
そして、火傷の治療方法はたしか、まずは火傷になったとこを水で冷やす、そして治療と先生が言っていたのを覚えてはいるが、どうしたらいいのか悩むが、自分が作っている回復薬を試してみて、うまくいったら、それをやることにする。まずは、火傷の状態がちょっとぐらいの人に行うことにする、丁度腕だけ、火傷がと言う人がいたので、持っていた回復薬を火傷の部分だけかけると、治っていくのが分かる。行けると思ったので、火傷が治った方に、
「すいません、この回復薬をあなたの火傷ぐらいの方にかけて行ってもらえますか?無くなったら、私の所に来てください。」
そう言って、回復薬の入った水筒を渡すと、分かったと言って他の人にもかけて治療をして行ってもらう、と、治ったという声が聞こえてくる。
その間に俺は一番ひどい人の所に行くと、顔から半分近く火傷を負っていた、他の人が声をかけてはいるが反応が悪い、もう駄目じゃないだろうかと言った声が聞こえてくるが、それでもと思い術を発動する。複合術ができるのは秘密にしていたかったが、言ってられないので、両手を火傷の人に向け唱え始める。
「光と水よ、我が呼びかけに応えて、強力な癒しの水となれ、超回復水ハイパーポーション」水と光が集まりだし、混ざり合う。
そして混ざり合った水が体を包むと、火傷が治っていくのが分かる、ただ、顔を包んでしまうと息が出来ずに窒息してしまうので、火傷の部分にゆっくりとかけ、そして、口からも流し込むと、顔の傷が治っていくのが分かる。
そして、とりあえず全部の傷が治ったが分かると、それを見ていた人達が「うそだろ」「まじかよ」と言った声が聞こえてくるが、まだ、治療を待っている人達がいたので、
「すいません、治癒はしたつもりですが、意識とになると私は医者じゃないからわからないので、見てもらっていいですか?」と言うと、傷の浅かった人が分かったと言って来てくれたので、次の人へ移動し、治癒を行ってく。
さっきの人まではいかないまでも、火傷が酷かった人達にも複合術で治療を行っていく、ただし、さっきよりかは効果は落としてだが、出ないと、術力が無くなってしまうからだ。ただ、自分がどれくらいかは分かってはいないが、使い過ぎはよくないだろうと思いつつも発動していく。そうこうしているうちに、回復をできる先生と医者がやってきて、治療を始めたので、俺の出番は減っていくが、それでも、やれることの手伝いを行っていると、終ったのか、藤白先生が俺の所にやってきて終ったよと、言ってきたので、沙羅の所に行き、終ったらしいぞと言い、疲れたので修練場の壁に二人でもたれ状況を見ていると、生徒の何人かが藤白先生に状況を説明をしているのが見えると、その生徒に達に対して、叱っているのが見える、生徒たちが何度も頭を下げてるからだ。それ以外も状況を見る。俺達の出番はないような感じなので、沙羅に庭のベンチに移動しようと提案し、その場を離れる。

 庭のベンチで二人休んでいると、。
「利久く~ん、沙羅ちゃ~ん」と亮が俺達を見つけて大きな声で走ってくるので、手を挙げて反応する。
「俺達の前に来るそうそう、俺達の雰囲気を感じて、
「どうしたの二人とも、なんか、すっごく疲れてるようだけど?」
「ああ、ちょっとしたトラブルがあってな、二人で協力をしてきたとこさ。」
「トラブル?」と言って考え込むと、何か思い当たったのか、
「もしかして、先生たちがすごい勢いで修練場に向かって行ったやつかな?」
「そう、まさに、それ」「それ~」と沙羅は声を出すのも嫌と言った感じで、返事をする。
「どんなことがったの?」
「詳しくは知らないけど、集団戦の模擬戦をやってて、術を発動したら予想以上に効果が強かったみたいで、火傷やけが人が結構でて、治療してくれって言ってきたのさ。ま、その中にはすごっくひどい怪我の人がいたから、術を使って治療してきたけど、ちょっと強めの術を使いすぎて疲れてるっとこかな、俺はね。」
「私の方も術の使い過ぎで疲れてるのがあるけど、それ以上に怪我が酷くて血を見ちゃったから気持ち悪いってとこね。」
「そうだったんだね、お疲れ様。」
「もうちょっと休んでから、帰ろうと思ってるから、先に帰っててもいいぜ。」と言うと、
「いや、回復するまで待つよ、どのみち、僕も、今日の訓練きつかったから。」
「そっか、じゃあ、暫く、ぼーっとしとこうぜ。」
「「さんぜーい」」と言って、亮は横の芝生に座り、ゆっくりし始める。沙羅は目をつぶる、俺も目をつぶると、いつの間にか寝ていたようで、どこから声が聞こえてくる来たので、ゆっくりと目を開けると、藤白先生が走ってきてるのが見えたので、沙羅と亮を起こし、先生を待つ。
先生が俺達の前に来るが、ハァハァと息を切らしている。
「先生大丈夫ですか?息が切れてるようですが、、、?」
「そ、そうね、最近運動不足と痛感するわ、と、年かしら?」その問いに、答えるわけにはいかないので、無言になる。そうこうしているうちに、息を整えて話しかけてくる。
「上渕君に村中さん、あなたたちのおかげで全員治癒できたわ。特に、半分近く火傷を負ってた子なんかは、もうみんなダメかと思ってたようなのよ。」
「まぁ、そうでしょうね。僕が見ても助けられるかどうかって言う感じでしたからね。まぁ、回復されたんなら、よかったかなとしか言いようがないですけど。」
「そうね、それは良かった思うわ。」
「で、先生、今日の惨劇の原因は分かったのですか?」と問いかけると、
「ええ、分かったわ、どうやら術を撃ちあったのが、火と風の術が混ざってしまって、酷いことになったようなのよね。火と風って組み合わせれるからね。複合術になってしまったという訳、それが、模擬戦の人達に降りかかったったようなのよ。」
今回の状況を説明がされる。
「で、話は変わるんだけど、上渕君、あなた複合術を使ったって、治癒を見ていた人達から聞いたんだけど、ほんと?」どうやら、しっかりと覚えられていて、報告があったようだ。隠してても仕方ないので、
「はい、光と水の複合術を使いました。でも、今使えるのは回復薬を作るぐらいの力しかありませんよ。」
「そうなのね、回復薬を作れるっていう事なのね、でもさ、半死人クラスを回復させるって普通はあり得ないのよ。だって、医者の人が見て一切の傷とかがないって言ってたんだから。」
「あ~、まぁ、緊急と思ったので、いつもより強めって言う感じで詠唱しましたからね。それででしょうね。ただ、ゴリゴリ見えない力が削られてる感じはしましたので、その人以外は力を落としましたよ。」
「はぁ、全く、習うのはまだまだ先なのに、それでいつから使えるようになっていたの?」
「術を習い始めてからですよ。教えてくれたのは母さんですけどね。」
「分かりました。じゃあ、次からはあなたは回復系の複合術を教えて行きましょう。」
「はい、分かりました。あ、でも、俺の術については秘密でお願いしたいんですけどね。」
「秘密にしとくけど、人の口には戸が立てられないというのは分かってね。じゃあ、今日はもう帰りなさい、疲れてると思うから。」
「はい、先生。」そう言って、俺達の会話を聞いていた沙羅と亮に帰ろうと促し帰宅する。
しかし、今日はなんか散々だったなと思ってしまった。
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