追放された元勇者パーティーの最強魔術師、魔族の少女を拾って無双する

はる

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第2章 

新たなる戦い

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 皆さんお久しぶりです。アベルです。覚えていますか? 私は今、ある戦いに巻き込まれています。

 あ、戦いといえば、人族と魔族が戦っていたことを話しましたよね? そのことをもう少し詳しく話したいと思います。

 私たちの世界には大きく分けて三つの種族が存在しています。
 一つ目は私たち人族。その中でも私も所属している人間が大半を占め、残り数割をドワーフという小人族が占めています。彼らは多種族の妖精族に含まれるのではないかという疑問がありますが、そこはまだ定まっていません。

 次に今出た妖精族です。妖精族は人間に似ていますが、外的特徴は耳が長く、美女、美少女が多いことが特徴です。つまり、エルフと呼ばれる種族が大半を占めています。
 エルフは見た目こそ私たちにそっくりですが、私たちより長寿という特徴があります。自分より幼く見えても、実は年上でしたということが多々あるわけです。羨ましいです。ちなみに、エルフの成人は百歳を超えてかららしいです。

 最後は人族の敵と言われている魔族です。魔族は多くの種族が集まっていることが特徴です。
 まずは吸血を行うことで能力が上がる吸血鬼族。いわゆるヴァンパイアと呼ばれる種族です。彼らには小さな角に翼が生えていることが特徴です。ロザリアも吸血鬼族だったりします。
 次に、魔物に似ている獣人族です。文字通り、彼らは獣のような見た目をしています。感覚では、狼のような獣人が多い気がします。魔族の中で一番肉弾戦が得意だったりします。
 あとは不死族。特徴は名前通りです。といっても、完全に不死なわけではないですけどね。主に彼らはスケルトンみたいな肉体を持たないものがほとんどです。どうやって増えているんでしょうね?
 最後は魔王がいたとされる淫魔族です。別名サキュバスです。彼らは一つの個体で雄と雌をこなすことができるそうです。といっても、自分だけで子供を作ることはできないらしいです。どうしてでしょうね? 兄弟同士でも子供は――(規制)
 まぁ、これが魔族です。他にもいるらしいですが、主にこの四種族で構成されているといってもよいでしょう。
 追記ですが、ロザリア曰く、魔王は各種族に一体ずつ存在するそうです。そうでなければ、淫魔族の魔王を倒した時点で終わっていたはずですからね。そこは納得です。
 
 とまぁ、改めて申しますけど、私は今、ある戦いに巻き込まれています。それも、私の命が脅かされるような――

「うるさい! この腐れ貧乳ッ!」

「く、腐れ貧にゅ――あなたこそ黙りなさいよ! このツルペタ幼女ッ!」

「ツルペタ――ッ!?」

 はい、とても醜い戦いに巻き込まれています。はぁ……。

 ことの発端は些細なことだった。なんてことのない、いつも通りの会話――
 だが、どうしてだろうか? なぜか、彼女たちは互いに受け入れることができないことがあったらしく、このように、言い合いに発展してしまった。
 
 この腐れ貧乳ことアセロラは以前、レガリアで仲間になった少女だ。少女? というには少し年を食っているように思えるが、そこには、ちゃんとした理由がある。
 アセロラは見た目こそ二十代に近く見える美人ともいえる容姿だ。だが、彼女は人間ではない。魔族でもない。そう、エルフなのだ。冒頭でその話をしたのには、彼女の紹介を楽にするために行ったものである。
 女性に歳を訊くのはあれだが、エルフだから大丈夫だと高をくくって訊いてみた。曰く、彼女の年齢は三十とお前こそ幼女だろうと突っ込みを入れたくなる年齢であった。もちろん、人間であれば、そんなことはないが。
 彼女がエルフだと知ったのは、彼女自身から伝えてくれたからだ。アセロラは自分にかけていた魔法を解いて、エルフだという証拠である長い耳を見せてくれた。
 流石は魔法に長けた種族。俺でも見破ることのできなかった隠滅魔法に少し感動してしまった。そして、視線を少し下に動かして、その慎ましいお胸を見て、違う意味で涙が出てしまった。
 エルフのもう一つの特徴――それは、容姿は素晴らしく優れるくせに、胸の発達が著しくよくないということだ。
 一説では、魔法を使うため、魔力を消費するとともに、胸の脂肪も消費するらしいが、本当かどうかは定かではない。
 実際、魔術師で胸が大きい女性もいるわけだしな。だが、彼女は例外に漏れず、その内の一人であった。

 そして、もう一人のツルペタ少女であるロザリアは、吸血鬼の少女である。彼女が魔族だということは、アセロラにはまだ伏せてある。
 エルフは人間にも認められているが、魔族はそうではないからだ。アセロラが仲間になったといっても、日はまだ浅い。裏切られる可能性も十分にあったからだ。それほど、魔族の情報は高く売れるのだ。
 で、このツルペタ君。年齢は俺より一つ年下の十六歳らしい。マジでッ!? って、声に出して驚いたよ。だって、アセロラじゃないが、このツルペタ貧乳少女だよ? ほぼ同じ歳の女性と比べたら、うん。発達が悲しいな。全体的に。
 先に行っておくが、魔族の寿命は様々だ。ロザリアの種族である吸血鬼族は人間とほぼ同じくらいらしい。だから、ロザリアは人間の歳相応の見た目になっていなければいけないのだが、彼女は幼女は言い過ぎだが、十二、三くらいと発達がしばし遅れていた。悲しきなり。

 とまぁ、そんな貧乳同士が悪口を言い合うとどうなるか? お互いのコンプレックスを刺激し合うしかないのだ。
 ちなみに、胸の大きさ具合は

 ロザリア>アセロラ

 となっている。ま、五十歩百歩だけど。それに恐らく、一番胸囲が大きいのは俺である。
 特に発達しているわけではないが、毎日鍛えているため、胸筋はそこそこある。言いたいことはわかるな? つまり、そういうことだ。
 でも、別に女に胸囲で勝っても嬉しくないな。なんかこう……悲しくなってくる。お互いに。

 では、そろそろ。この醜い戦いを終わらせようではないか。この紳士の名にかけて。←誰やねん。

「おーい、そろそろ……」

「「黙れ童貞ッ!」」

 オッフ、痛い一撃を食らいました……。童貞の何が悪いんだよッ! 
……あー、早く終わってくれないかなぁ……。俺はそんなことを思いながら、足を進めるのであった。





―――――――――――――――
 更新が遅れてすいません。テスト勉強が忙しいのです……。期間が明けたら更新頻度も上げるので、もうしばらくお待ちください。
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