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しおりを挟む私の記憶が確かならば
今までのラノベで読んだ限りでは
ダンジョンを産休中の運動場所にする等はなかったハズ……
…なのに今、
目の前の人物は
ダンジョンを自分の妻の産休中の運動場所に認定している。
しかもなんなら自分達の運動場所にも子供達の遊び兼訓練場所にも認定すると……
いや、
確かにこのダンジョンは難易度が低いとは思うよ?
しかもドロップ品は全て食べ物関係だし
3階層からはまだ改装中で
1階層と2階層だけならゆっくり回っても5日から1週間位で完全制覇出来る位の広さだし
スライムとか低ランクの魔物しかでない、
正に子供の軽めの討伐練習の場所にもってこいだと思うし、
大の大人で魔物の討伐が出来る者には運動にすらならないんじゃないかって感じだし。
だけどね?
目の前で自分の妻の運動場所って宣言した男は
この国でもっとも偉い人であり、
その妻ももっとも尊い人物だと思うんですよ。
そんな人達の運動場所って……
アレかな?
プライベートダンジョンってやつなのかな?
国王位の偉い人なら
プライベートで運動場所がてらに
ダンジョンの1つや2つは当然ザマス的な?
「イヤイヤイヤ、真由美さん?
プライベートダンジョンなんてものはありませんからね?
この世界でも運動場所にダンジョンを選ぶのは常識的ではありませんからね?」
私の呟きが聞こえたレオナルドさんがコレは常識的では無いと教えてくれました。
そんな私達の会話を聞いて国王、
そう、
自分の妻、
つまり私の親友である和美の産休中の運動場所に認定した男が
ニコニコと笑顔でお礼を言う。
「真由美殿今日はありがとう!
ココのダンジョンは素晴らし!
魔物は危険の無いレベルでちょっと身体を動かすのには最適だし
ドロップ品は食材。
広さも自然も快適で
キャンプ?なるものにも最適な環境なのではないだろうか?
私もココでなら偶に鈍った身体をほぐしに来れる。
是非とも私達にも許可を下さい!」
何故だろう?
それなりに歳を重ねた成人男性なはずなのに、
もうすぐ成人する子供がいる大人なはずなのに
少年の様にキラキラした目で
期待に満ちた眼差しを向けてくる。
「え、ええ。
何時でも来て下さい。
……勿論、時間を作れるならキャンプも…はい。
……宰相さんもご一緒に?」
国王の隣に居る方からの同じ様な眼差しと
2人の圧の様なものを受け入れ
返事をすれば
ソレはソレは嬉しそうな笑顔になったので
この答えで正解の様です。
「「……父上……」」
そんな国王と宰相さんに呆れる様な目を向けるレオナルドさんとコウダイ君。
でも2人も期待の目をコチラに向けてるので
気持ちは同じなのでしょう。
「ハイハイ。勿論、2人も何時でも来て大丈夫ですよ?
…オンハルトさんもです。
ココに居る人は誰でも何時でも来てくれて構いません。
……ダンジョンにココに居る者の出入りの許可を…」
レオナルドさん達に許可をしていたら
チビ王達に宣言したらダンジョンに登録出来るとと聞いたので
そのまま登録をしてしまいました。
今居るメンバー。
そう、
今は全員総揃いです。
和美のダンジョンでの産休中の運動場所に適しているかの検証に来た
国王に宰相さん、
コウダイ君と萌ちゃんに
レオナルドさんとオンハルトさん
勿論、
当の和美にカミオールさんも一緒に来ていて我が家に集まるメンバー全員です。
和美とカミオールさん達は来た事があるし知ってるので驚きは無いけど
他のメンバーは話だけで実際に来た事はありません。
実際に来て期待以上だった様で
皆キラキラお目目です。
今までは私と一緒に入れば許可をする必要が無かったのですが
コレからは
皆が自由に利用出来る様にと
許可をし登録しておきます。
地味に忘れてたけど
一応このダンジョンは
チビ王ちゃん達が私の為に生み出した
私専用のプライベートダンジョン
になるらしいので登録許可が無い者は誰も侵入出来ないらしいのです。
今居るメンバーは
私の秘密をある程度知ってるメンバーなので問題ありません。
登録許可をした事で辺りが一瞬光って収まれば
国王達男性陣は大はしゃぎです。
ヤれ、何時来るのか、
ヤれ、何日取れるのか、
まずは最速で半日だけでもとか、
早速次回遊びに来る気満々です。
……いや、
分かるよ?
プライベートダンジョンだもんね?
自分達だけのダンジョンだもん嬉しくて早速遊びたいよね?
でもね?
そもそもがね?
和美の産休中の運動場所としてだったでしょ?
和美の事はもうイイのかな?
…
あっ、そうなの?
和美はチビ王達も私も居るし、
産休に入れば何時でも好きな時に来放題だから何も問題ないと?
ソレよりも自分達も来る事の出来る日を確保しなければと?
……
……
もしも~し?
何か趣旨が変わって来てませんか~?
別にイイけどダンジョンは逃げませんよ~?
期限がある訳ではなし
何時でも来てイイので落ち着いて下さ~い?
……
……
「ふふふ、男の人って何時まで経っても男の子なのね~?
でも分かるわぁ~、何時でも来れる自分達だけのダンジョンだなんてウキウキするもの!
早く遊びたくなるわよねぇ~?」
和美の言葉で我に返った男共は照れくさそうですが
しっかり次の予定は立てた様でした~!
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