若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました

mabu

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「申し訳ありませんでした!」

「本当に申し訳ない!」

「ごめんなさい…。」



…今私の目の前で頭を下げてる人物は
この国の最重要人物でもある
国王と王妃、宰相、という役職の
いわば国のトップスリーです。


そんなトップスリーが何故私の様な一般人に頭を下げてるのかと言いますと、

先日和美が思いついた事を私の了承を得ずに勝手に決めて勝手に推し進めるという暴挙にでた事が分かったからです。


えっ?

大袈裟?



いや、考えみて下さい。

追放されたという形で姿を消して

ひっそり?まではいかなくても

目立つ事無く

街にも出歩かず

お店の営業と

チビちゃん達との

賑やかな楽しい生活をしていただけなのに

突然城での宴で
貴族やら要人やらの前で
聖者としてお披露目をする!

なんて言われたんですよ?

私目立つ事はあまり、いや、
かなり苦手なので!

日本でうどん屋に勤めていた時も
テレビ撮影やら雑誌への掲載やらには
一切出てないくらいなんです。
そのメニューを作った本人だとしてもです。

何時も撮影の時は他の人に頼んで変わってもらってたし、

裏で作るだけで顔も出す事無くやり過ごしてたくらいなのに…

聖者なんて重要人物としてのお披露目なんて…

国での決まり事だし決定した後なので渋々了承はしても
心の奥では納得してません。

例え相手が親友とその旦那さんであっても、

国のおえらいさんであったとしても

この暴挙に対しての報復はさせて頂きます!


という事で本日の飲み会を利用させて頂きました。

国王と宰相さんの唯一の楽しみである飲み会。

前回、前々回から我が家で開催する事に決定したみたいな

本人達の楽しみのお酒とお摘み。

毎回食べた事のない物や珍しい物があり

とても喜んでくれるから
私も色々考えていたんですが、

今回の事で本日のお酒とお摘みは
限定する事に致しました。

お酒はビールのみ。

お摘みは食事も兼ねてるので

焼き肉です。

バーベキューではありません。

焼き肉です。

ホットプレートで肉と野菜を焼き
焼き肉のタレでたべます。

十分ご馳走でしょ?

焼き肉だって始めてだし

タレだってお初ですよ?

なのに何故顔がヒクヒクしてるんでしょう?

オマケにレオナルドさんやオンハルトさんまで
チラチラと私の方を見て
国王と宰相さんを見て顔を左右に振ってます。

少しイラッとしてしまいました。

「何でしょうかレオナルドさん?」

ビクッとしたレオナルドさんがヒクヒクしながらコチラに振り向きます。

「い、いえ、何でもありません、す、すみません」

何に対してすみませんなんでしょうか?

今日はビールのみと説明して
食べ方の説明をしただけなのに…

そんなにチラチラ見られる様な事は何もしていませんよ?

ちゃんと笑顔でしょ?


そんな事をレオナルドさんに言っていたらの

国のトップスリーの謝罪でした。

「あら、皆様どうして頭など下げられるのですか?
国のトップが一般人に頭など下げるものではありませんよ?
どうぞ顔を上げて下さいませ。」


「い、いや、真由美殿」

「殿?」

「いや、真由美さん」

「ハイ、どうしました宰相さん?
宰相さんともあろう御方が殿呼びも様呼びもしないと決めたのはソチラなのに間違えるなんて…
何か大事な案件でも城に残して来られたのですか?
ソレなら謝罪はいりませんから次回に持ち越しご帰還頂いて構いませんですよ?」


仕事が残って気がかりなら帰ってもらっても良いと言ったら
顔色が悪くなる宰相さん。

「あらあら、
宰相ともあろう御方が一般人相手に顔色を変えるなんて
よっぽど体調が悪くなるような案件なのでしょうか?」

ソコで国王が割り込んでくる。

「ま、真由美さん。
本当に申し訳なかった。
今回のお披露目の件については
貴女本人にしっかり確認を取らずに決定してしまった私の責だ。
宰相は決定に賛同しただけなので勘弁してやってくれ…
そしてコレからも私達とも仲良くして欲しい」

「本当に申し訳ありませんでした。
本人の意思確認を取らずに決定してしまった私達の責任です。
なるべく真由美さんの負担を軽減出来る様に配慮させてもらいます。」

多分和美が私の了承を取ってるとでも言ったから
確認せずに決定したって事なんだろう。

「…はぁ……。
本当に今回限りにして下さい。
無理なら視察同行など今後の取り引きは考え直しますんで。」


私の本気度を理解した宰相さんがしっかりと頷いてくれました。

こんなやり取りを五分位かな?

静かに見守っていたチビちゃん達ですが

ミルちゃんの空腹が限界の様です。

ムギちゃんはお兄ちゃんなので
我慢できているけど限界は同じかな?

「ま~まぁ?みう、おなかしゅ~た~」

家の子達を待たせる訳にはいきません。

「あら、大変!じゃぁ、ご飯にしようね~?皆待たせてごめんね~?
国王と宰相さんも謝罪は受け入れますんでどうぞ座って下さい。
あっ、謝罪は受け入れますけど
今日の決定事項は変わりませんから悪しからず。」

国王相手であろうが我が家での食事は
我が家のルールで始めます。

チビちゃん達を中心に始まる飲み会はほのぼのと賑やかに始まりました。

ほっと息をついた大人達が席に付きだし
ソレゾレに焼き始めの準備をして乾杯です。

「では、頂きます。かんぱーい!」












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