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しおりを挟む「えへっ。来ちゃった♡」
首を傾げ可愛い台詞?を普通にのたまったのは
私の親友、
中身四十代のオバチャンです。
現在の年齢でも三十代が発言するにはアウトだと思うのに
此奴の場合は許せるのは
身内びいきの様なものなのかな?
まぁ、
そんなどーでも良い思考は置いといて
ほんの数時間前まで我が家で料理と温泉を満喫(主に温泉)して
チビちゃん達に悶絶して帰っていったのに又のご登場。
斜め後ろには国王様がいます。
はは~ぁん。
どうやら
帰って国王様に自慢したな?
リビングで食後のお茶を飲んで
チビちゃん達やレオナルドさん達とワチャワチャ雑談していたので
部屋にある◯◯ドアならぬ転移ドアからのノックの音は聞こえない。
寝ているであろう時間以外は一応ノックをして返事がなければ勝手に入って良いと言ってあるので
勝手に入って来た様です。
勝手に入って来れるのは和美だけに設定しているので
国王様も使用する時は和美が同伴しないと来れないから付き添いかな?
突然の国王様と王妃様の訪問にレオナルドさんとオンハルトさんは驚いています。
「あら?真由美は余り驚いてないのね?」
なんて残念そうな顔して笑うが
私が予想していたのだろうと
えへっと誤魔化してました。
「真由美殿、突然申し訳無い。
セシルから温泉なるものの話を聞いて是非堪能してみたく
不躾ながら訪問してしまいました。」
次の飲み会の為にと
今日もマックスで仕事を終わらせ
早目に夕食を済ませ寝るまで
前倒しで出来る仕事を片付けようと思っていたら
夕食を共にした和美から温泉の素晴らしさを熱弁され
とても興味が湧き時間がある時にと
急遽訪問する事にしたらしいです。
流石に国王様は非常識過ぎるから
次の機会で良いと思ったそうですが
我が親友の和美さんは
自分も又温泉に入る事が出来るからと国王様をプッシュした様で
妻を溺愛しているであろう国王様はコロリと従って付いて来たんでしょう。
まあ、
何となく予想してたからいいけど
私以外は驚くから
訪問した時に他の場所に居てもわかる様にしないといけないね!
後でチビ王達に聞いて追加付与出来ればしておこう。
早速とばかりに和美が急かして来るので
皆で地下に移動します。
今は国王夫妻だけで
お付きの人は誰も居ないので
レオナルドさんもオンハルトさんも一緒に行く事になりました。
男風呂で国王様と一緒に入って色々と説明してもらいます。
多分コレも狙ってこの時間に来たな?
違う時間に来たらお付きの人が居るから
いくら国王様が一緒でも
同じ空間に他の男性が居る温泉には許可されないので
国王様と混浴になる。
混浴自体は夫婦なので別になんともないけど
説明等で自分の温泉タイムを削られるのが煩わしいと思ったのだろう。
どんだけ温泉愛が強いのか!
いくら久しぶりの大好き温泉だからって、
説明する位すぐでしょうに!
え?
久しぶりだからこそ
今は静かに堪能したい?
ならもう少し後で温泉の話をすれば良かったのでは?
ハイハイ。
久しぶりの温泉で、
しかも露天風呂だったから
嬉し過ぎて自慢してしまったのね?
まぁ、イイけどね。
そんな事を温泉に浸かりながら話していると
「おお~!」
とか
「素晴らしい!」
とか
隣の方向から雄叫びが聞こえてきました。
ああ…
まぁ…
確かに静かに堪能したい時に
隣であのテンションはちょっとね……
自分がドヤ顔するゆとりはまだ無かったけど
ついつい嬉しくて自慢しちゃったからレオナルドさん達に説明役を
お願いしたかったのね?
でもね和美さん?
今もそうだけど
上がった後もあのテンションのままだと思うんだ?
イヤ、
寧ろ後の方がテンション上がるかも?
だって上がった後にはアレがあるんだよ?
「コーヒー牛乳」
!!
「マッサージ機」
!!!
「ま、まぁ、そうだけど。
うん、大丈夫。
今ゆっくり出来て大分落ち着いたから。
もう賑やかでもウエルカム!」
その言葉を聞いた途端
今まで静かにつかっていたチビちゃん達がテンションアゲアゲで遊びだしました。
そう、
チビちゃん達はお利口さんなので
空気を読んで大人しくしていたのですが
和美の言葉と雰囲気で大丈夫と分かった様で
ムギちゃんミルちゃんが入った桶を押しながら温泉の中で泳ぎだし
桶が進む度喜びキャッキャと笑う2人に
和美も私も顔がゆるゆるです。
家のチビ王達は性別が無いので
私ともレオナルドさん達ともその時の気分で誰かと一緒に入っていますが
今日は皆コッチに入っています。
私が和美の相手をしやすい様に
チビちゃん達の子守をしてくれているのでしょう。
優しいお兄ちゃんお姉ちゃん!
最近では皆もムギちゃんミルちゃんにメロメロなので
親バカだけでなく
兄バカ
姉バカ
も増えました。
「イヤ~っ!可愛い~!何アレ!ちょっ、ちっちゃいパラダイス~!」
…親バカ2も増えました。
…しんみり静かに温泉堪能は何処いった?
本日2度目の温泉は
国王様達に合わせて短めの時間で終わり
上がった後のコーヒー牛乳と
マッサージ機の説明は人任せではなく自分でしていた我が親友。
夫の無邪気に喜ぶ顔を
ソレはソレは嬉しそうに眺めて一緒に帰っていきました。
今日は温泉で始まり温泉で終わった
そんな一日でした。
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