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しおりを挟む小さなお口を一生懸命もぐもぐしているムギちゃん
小さな身体をぷるぷるして消化しているミルちゃん
2人よりしっかりしているし何なら精霊王だけど
小さなお口でもぐもぐしているチビ王達
小さな身体の小さなお口での食事風景にメロメロなこの国の王妃様。
そしてコクコクと頷く侍女のカミオールさん。
彼女も小さな生き物が大好きらしく先程の自己紹介の時も
声は聞こえないらしいが
なんとなく言っている事が分かったらしい。
彼女は侍女長でもあるらしいし、侍女スキルでもあるのだろうか?
思わず漏れた言葉は王妃様らしくないけど
我が親友らしい言葉だった。
「正しく同意、
てか毎日この光景を見れる私ってば
マジ幸せ~♡」
そう返す私を羨ましそうに見る親友の和美は
またもやチビちゃん達に視線を向けて話し出す
「本当だよね~!ムギちゃんとミルちゃんも素直で賢いし他の皆様なんて精霊の王だよ?王とか関係なしに可愛いし!」
和美の中では王とかより可愛いさが一番らしい、
流石我が同士。
「だよね~?可愛い上に皆チートだし何処ぞの物語だよって感じだよ。
実際家もチート仕様だし、」
「へっ?マジで?」
「ええ、ええ、奥様。マジの、ガチございますですわよ~。
家の地下とか庭の奥とか異世界チートの結晶じゃね?って感じだよ?」
その言葉に即反応する和美。
「何ソレ!見たい!行きたい!これから行こう!
行ったらいけない場所じゃないんでしょ?なら行きたい!」
おうおう、良き反応過ぎてオバチャン引くよ?
君も中身は私と同じ歳のはずなのですが?
そして現在は私より年上ですよ?
確かに久しぶりの再会で若い頃のままの反応になってたけど
君の場合は学生時代にまでさかのぼった感じですよ?
王妃様?ってカミオールさんの笑顔が引き攣ってるよ?
ちょっと面白い。
「さて、今日は何を作るつもりなのかな?」
なんて話しをわざと反らしてみると
頰を膨らませてブーブー言って文句を言っている。
この人コレが天然なのです。
頰を膨らませてなんて男の前で
あざとい女がするものだと思ってたでしょ?
だけどこの人男性の前ではあざとい事は一切しないくせに
友達といる時に偶に見せる可愛い仕様なんです。
その仕草が面白かったのかムギちゃんとミルちゃんが真似して一緒にブーブー言ってます。
「何コレ、可愛い仕草の三重奏!」
咄嗟にスマホを出して動画を残す私。
和美もブーブー言いながら顔がニヤけています。
そして私のスマホを見て驚き
私に目で訴える
「みなまで言うな、後で進呈してしんぜる。」
なんて茶番をして
この後の行動を決めていきます。
結局この後は地下に行く事にして、
今日の料理は味噌汁だけ作る事になりました。
まぁ、初日だしね?
元々そんなにがっつり料理をするつもりでもなかったし?
小手調べで作れれば後は感覚で覚えてるだろうからね?
そうしてやって来ました地下室の前。
扉を開いて和美を促すと
地下室の中に入って一言呟く
「地下室に草原!
……扉を開けると◯◯の世界でしたが自宅で出来るなんて……」
ええ、ええ、
その驚きや反応が普通なんですよね?
カミオールさんも固まったまま言葉になってない様だし…
最近ではチートに慣れすぎて驚かなくなってきていたから
新鮮です。
そんな2人をおチビちゃん達が案内していく。
草原に驚いていたら今度はプチ泉が出現、
プチと言っても森にある泉のプチであって普通に大きい泉です。
目の奥の光が消えかかっている和美ですが次の建物を見て再び光が戻ります。
いや、逆にギラギラ?
泉の奥にあるログハウス調の建物。
建物の横には中が見えない様に木の柵で囲われた場所があり、
その場所から湯気の様な蒸気が見える。
期待した様な目をして無言で顔を向ける和美
「はいはい、正解です。
和美の好きな温泉です。」
言った途端キラキラした笑顔で走り出す和美。
続く様にチビちゃん達も走り出しソレを温かい目で見守る私。
現在の見た目は年下の2人に見守られる年上の見た目の王妃様。
いいのかそれで?
いくら昔に戻ったみたいな感覚でも最後に会った時よりも若がえってないですか?
学生時位にハッチャケてますよ?
王妃様?
まぁ、誰も見てないからいっか!
………と思ったのは私だけでした。
静かな微笑みで普通の音量なのに走る和美にも聞こえた
「王妃様?」
シンプルな呼びかけを初めて怖いと思いました。
呼ばれてないのに私までブルってなったんだけど?
大人しくなった和美と皆で
温泉施設を見学してログハウス調の部屋に戻ります。
すぐにでも入りたいとタダを捏ねましたが怒られたばかりなのであまり強く粘れず
一旦オアズケになりました。
着替えは取りに行かなくても魔法を使えば服も下着も綺麗に出来ますが
問題は現在の時間です。
なんだかんだと賑やかに過ごして居ると時間の感覚がなくなるんですよね?
もうお昼の時間を少し過ぎた時間なんです。
私達だけなら一食位なんて事ないけど
家にはムギちゃんとミルちゃんの赤ちゃんコンビが居るので食事は大切なんです。
なので
休憩用に作ったログハウス調の部屋で昼食を食べて
食休みしてから上の部屋に戻ります。
え?温泉?
まだ焦らすの可哀想?
でも、食休みをしたら先に味噌汁をつくらないと。
この人温泉好きだから普通に入っても2時間は入りますよ?
そんな人にオッケーを出せば直ぐにオヤツの時間になってあっという間に夕方ですよ?
ソレなら先に味噌汁を作って
オヤツを食べたら一旦帰宅して
早目の夕食をすませてもう一度温泉に入りに来ればいいんです。
カミオールさんも王妃様の風呂好きを知っているから
そう提案してくれて渋々和美も了承してくれました。
いや、ホント、
貴女王妃様なの忘れてるでしょ?
あまり忘れてると他でもボロが出るよ?
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