若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました

mabu

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一通り王妃様の説明を聞いた国王様やその他の男性陣は

中々理解が追いつかなくて呆然としているので

そちらは暫く放置して私達は私達で話しをしようと思います。

でもまずは国王様に了承を取らないといけない事がありますので先にお願いしましょう。

「国王様、大丈夫ですか?
ちょっと国王様達が落ち着くまで王妃様とお話をさせて頂きたいのですが、
王妃様と話す時に前世での名前で呼ぶ事をお許し頂けますか?
勿論この敷地内だけですし
このメンバー以外の方が居る場合はちゃんと王妃様とお呼びします。
ですのでどうかお願いします。」

「あ、ああ。
私は構わないよ。
2人が前世で親友と言うなら2人での呼び名の方が落ち着くだろう。
他の者のまえで変えれるなら問題ない…」

よしっ!

了解取った!

元親友の顔を見ると
彼女は綺麗な顔を傾けて
少しおどけてみせた。

「私の了承は取らなくて良いのかしら?」

そんな言葉をお澄まし顔でのたまったので

ゆっくり手を伸ばし
ニッコリ微笑みながら頰をつねってやる。

「誰がワタクシだって?
さっきも今もわざとお澄ましさんになってるでしょ!
さっきなんか挨拶する前
にやにやしてたの誤魔化せてないからね!」

私が王妃の頰をつねったからなのか

王妃が悪ふざけをした事に驚いたのか

皆更にぽかーんとしていて

唯一お付きの侍女さんだけがニコニコしていた。

普通は自分の主人の頰をつねったりする人間には適意を抱きそうだけど
後から紹介して貰った時に聞いたら
王妃様がとても嬉しそうだったからと逆に感謝されました。







「…それで急遽コッチに来たのね?」

「うん、そうなんだ…
で、いい?」

「勿論オッケーに決まってんじゃん!」



アレから国王様達も落ち着いて
改めて皆で炬燵に入ってお酒を飲みながらこれからの事を話しています。

途中で国王様から

「セ、セシルや?
君はお酒が得意ではなかったのでは?」

と我が親友の飲みっぷりに驚いていたけど

我が親友の和美は好みは前世と変わらないらしく

この世界のエールやワインは口に合わなかったので日頃から飲む事はなかったそうです。

なので私の召喚で彼女の好きなチューハイやらカクテルやらを出したら

飲むわ飲むわ、

そりゃぁ、国王様も驚くよね?

ただ単に好きな物がなかったから飲まなかっただけで

飲めない訳ではないのだから……


まぁ、今後は夫婦で飲む事も出来ると分かって嬉しそうにしてたからオッケーでしょう!

そんなこんなで飲みながら
今後についてのお願いをされ
私は即座に了承しております。

国王様も普通に了承していたけどいいのかな?


私にとっては嬉しい事だけど
旦那様としては奥様がチョクチョクお出掛けする事になるんだけど…
しかも王妃様という立ち場だし……


まっ、心の広い旦那様兼国王様で良かった良かった!




彼女のお願いはまずは国王様に対してで

定期的に私の元に遊びに来る事の承諾と

定期的な飲み会、

偶にで良いのでお泊まりもしたい。

そして可能な時がきたら

王妃の自室への私の招待の許可。

お城での王妃用のプライベートキッチンの設置のお願いでした。


そして私には定期的な食材の提供のお願いと

プライベートキッチンが出来るまで料理の腕前を戻す為の練習の場の提供だけでした。


折角記憶が戻って前世での娘と現在の息子が一緒になりそうなので是非とも2人に手料理を食べさせたいとの事。

ついでの様に国王様にも食べさせたいと言ってました。


今まで貴族のお嬢様として育てられたので当然料理はした事がない訳で

記憶が戻っても身体的には何十年も料理をしてないから少し不安らしい。

どのみち和食の食材は私しか用意出来ないので

元々食材のお願いと

記憶を取り戻す切っ掛けの
お弁当のお礼を言うつもりで来たら

親友ご登場!

ので、遊びに来るついでに台所を使わせろ!

と、なった様です。


国王様も

今まで何一つ要望を出さなかった王妃が子供の為とはいえ

初めてのお願いをされて嬉しそうにしていた。

しかも国王様以外には

本音も冗談も言わない王妃が

私に対してとても気の抜けた態度で接していて

2人のツーカー具合に少し焼き餅を焼いたそうです。


自分の知らない前世での王妃を知ってる人物、

彼女の好きな飲み物をさり気なく出し

ソレを当たり前の様に飲む王妃の姿を見て私に嫉妬したと…


はいはい。


ご馳走様でございます。


何時までも仲が良くて

よーござんした~!


……ハァ…。



取り敢えず今日はこのまま

マッタリ飲んで

又明日彼女だけ来るそうです。


私達が召喚された時期から

頭のモヤモヤと不安な気持ちが強くなり

ここ最近では公務を休んで
部屋にこもってたらしく

来週まで時間があるので
その間にキッチンの工事をしてもらい

本人は家に通って感覚を戻しておきたいと。



勿論オッケーしましたヨ!


ちょっと楽しみなんですけど!


明日彼女が来たら

寝てしまったムギちゃんと
ミルちゃん、
タマリちゃんの紹介をして
改めてチビ王ちゃん達の説明をしよう。

彼女にするなら国王様達にもしないといけないのかな?

ソレは彼女に任せよう。

この世界の事や常識は彼女の方が詳しいし

彼女の判断に従おう。

明日、彼女はどんな顔をするだろうか?

きっと驚くだろうが
彼女の事だ

もふもふ羨ましい!

ってなるに違いない!

ああ…

明日が楽しみだ!





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