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しおりを挟む皆の微笑まし眼差しやら
羨む眼差しの中で
オチビちゃん達から
オヤスミのちゅーしてもらい
お兄ちゃんなタマリちゃんに後を任せて
本格的に飲む体制に入った時
急な来客がお店の方に来た様です。
結界に弾かれてないので
悪意がある人では無さそうですが
今は営業時間外な上
お店には明かりが灯ってない状態です。
なのに来客とは?
この場で人の形をして言葉が話せる体のチビヒカちゃんが相手様子を見て対応して来てくれると飛んで行き
戻って来て内容を聞いたら
あらビックリ!
なんと!
王妃様が来店している様です。
ソレを聞いた国王様と宰相様は
一気に酔いが醒めたご様子で
ちょっとビクビクしだしました。
王妃様が態々こんな時間に来るなんて
何かあったのでしょうか?
今は他の妖精さん達が明かりを出してコチラへ誘導してくれているそうです。
母屋から普通に歩けば30分はかかるかな?
なのでチビ王ちゃん達が
魔法で短縮してくれるそうです。
妖精達専用の転移用の道みたいな物があるらしく
明かりに誘導されてついていけば転移する事が出来るそうです。
本人達は転移している事には気がつかないらしく
歩いていたらいつの間にか着いていた、
という感じになるんだって!
何ソレ面白そう!
今度頼んでみようかな!
そんな話をしていたら本当に直ぐにご到着。
「……夜分に突然の訪問、申し訳ありません。
始めまして真由実様、
私、王妃のエリザベートと申します。
本日はお昼に大変良き物を頂き有り難うございました。
その件の御礼もありますが
早急に主人を含めて真由実様にもご報告とお願いしたい事があり
不躾を承知の上で訪問させて頂きました、
どうぞお許し下さいませ。」
後ろに控える侍女共々深々と頭を下げられ慌てて止める。
話し出す前の一瞬、
驚いた顔をしていたのが少し気になるが…
まずは先にこの状況を止めさせないと!
「いやいやいや、王妃様、
頭をお上げ下さい!
王妃様たる方が私の様な一般人に頭を下げるなんて!
謝罪の御言葉だけで十分です!」
ソレを聞いた王妃様は頭を上げてニッコリと微笑んでくれたので
改めて自己紹介します。
何故にニッコリ?
「改めてまして、お初にお目にかかります。
真由実と申します。
お城を出る際には国王様より支援して頂き、
その御縁から今回までの
お付き合いをさせて頂いております。
ご挨拶も出来ないままでしたのでこの場にお越し頂き有り難い限りです。
此方からお会いする事は出来ませんが今後とも宜しくお願い致します」
まぁ、この敷地から出る事は暫く出来ないし
そもそも追放という形でなくともお城に一般人が軽々しく行けないけど、
旦那さんの国王様には慰謝料?とか支援金を貰ったから奥様には挨拶しないとね?
そんな挨拶が終わると
王妃様がにやにや?しながら話し出しました。
何故にやにや?
「私、この国で生まれて家族に支えられて不自由なく育ち
国王様の元に嫁いで子も授かり
その子も成人し伴侶となる者も決まりつつある中
充実した日々の中、
何処か心の奥にほんの少しですが、
スッキリしない気持ちがあり時々不意に不安になる事が
度々ありました。
そんな中、
先日真由実様から頂いた 【おでん】を食した時
はっきりと頭の中に靄ができまして…」
ん?
靄?
え?
王妃様大丈夫?
おでんが口に合わなかった?
そんな事を思っている間も話しは続き
「それが本日頂いたお弁当を食した時にはすっかりと晴れ思い出したのです。
私には違う国で生まれて其処で育ち1人の子を産んだ事。
そしてその子が現在この国の我が息子の伴侶になるであろう子だと!」
んん~?
それって違う記憶があるって事?
息子って、あの王子の事だよね?
で、
伴侶って…、
あっ、
聖女様の事?
おん?
伴侶も子供って事は聖女様が子供って事で、
おりゃ?
何かややこしな!
「はっきり申しますと、
前世の記憶があり
その前世での子供が聖女として召喚されて現在の息子の伴侶になりそうなのです。
そして娘の名前は
篠原萌、
私の前世の名前は
篠原和美です。」
まだまだ話していた王妃様が私の顔を見てにやにや顔をしなが泣き出しました。
私もその顔を見て涙がボロボロと溢れていきます。
「う、そ。
和美、萌、……
篠原和美……
和美なの?
本当に……?」
ゆっくり近づいて来た王妃様が私の両頬を優しく摘み上下に揺らす…
泣きながら笑顔で
「あの頃の真由実のままだ…
それから御免。
萌の召喚に巻き込んで。」
そう言うと手を離し頭を下げた。
頭を下げたままの王妃……
和美を抱きしめると温かい温もりが伝わる。
「和美が謝る事じゃないじゃん!
でもなんで?
ちょっと最初から説明して?」
2人で抱き合い顔を会わせてじっくり話そうとした所で
声がかかる。
完全に2人の世界に入っていた為まわりの事を忘れてた!
「……セシル?
………真由実殿?」
おおぅ。
皆固まったままっすね?
そりゃぁ、
始めましてな2人がいきなり抱き合い、
しかも国の王妃が突然前世の記憶があるとかカミングアウトしてボロ泣きするわ
召喚した2人がその前世の関係者とか内容がぶっ飛んでたら固まるのは当たり前?かな?
皆、固まったまま理解してないのでまずは落ち着いて話しをしましょう。
感動?の再会は終わったし、
後、あのにやにや顔の理由がわかったので話しが終わったらほっぺたムニムニを仕返してやる!
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