若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました

mabu

文字の大きさ
上 下
49 / 105

48

しおりを挟む


面白そうな令嬢が来店して何やら因縁?をつけられました。

あまりの場違いなドレス姿と

鉄板悪役令嬢の様な台詞に

こめかみ、

口元の筋肉を強制停止させていると

反応しない私にシビレを切らし又何やら言ってきます。

「お前!

お前に言っているのです。

私が態々この様なみすぼらしいお店にまで来て進言しているのです。

この先も貧民の餌を作り続けたいと思うならさっさと国に帰りなさい!」

……う~ん。

この令嬢と

令嬢の後ろで剣に手を添え

此方に何とも嫌な視線を送ってくる護衛は

城に居たおバカさん達と同じ人種なのでは?


おバカさん達は一掃されたと

聞いていたのですが、


親は一掃されても

その子供や私兵にまでは手を伸ばしていないという事なのかな?

そんな事を考えていて

今だに声を発しない私に

令嬢はますます怒りだし

護衛は剣を抜きました。


護衛が剣を抜いた瞬間、


「おいおいこいつ等何なんだ?」

突然火の王の声が聞こえたと思ったら

火の王だけでなく

六人の王の姿が私の周りを取り囲みます。


「アレ?どうしました?」

私の普通の返答に

「どうしたじゃない。」

「敵意受けてる」

地の王と闇の王の突っ込み頂きました~。

「敵意を受けてるのに楽しそうですねぇ?」

??

楽しい?

ああそう言われれば


「確かに少し面白いなぁと思ったかな?」

光の王に答えていたのに

令嬢達は自分達が馬鹿にされたのだと勘違いし

更に怒り出しました。

「私の事を馬鹿にしたわね!
この年増!」

そう言いながら手を振り上げたのと同時に前後から叫び声が聞こえました。

「レオナルド様!」


「真由実さん!」

前者は知らない若い男性。

後者は厨房から出て来たレオナルドさん。

2人が出て来たと同時にお互いを見つめてハッとする。


「レオナルド様。
伯爵令嬢は?」

見知らぬ男性がレオナルドに聞く。


レオナルドは男性の問いには答えず真由実を見つめて無事を確かめる。

レオナルドの視線の先の真由実を見た見知らぬ男性は

真由実の周りに居る精霊王達が見える様で突然青ざめ

片膝をつき頭を下げだした。


「高位の精霊様方と真由実様とお見受け致します。

私、レオナルド様の従者をしております

オンハルトと申します。

どうぞ宜しくお願い致します。」

そういえば普通の人には

精霊王の事は見えないし

声も聞こえなかったんだっけ?

この人には見えるんだ。

レオナルドさんには見えてない様だから

上手く誤魔化してもらわないと

流石に六人も居たら不味いのでは?

平静を装い

心の中で盛大に焦っていると

光の王がオンハルトと言う男性に念話の様なもので説明してくれるそうです。

「高位の精霊様?方?

…それより真由実さん!
大丈夫でしたか?

伯爵令嬢に手を上げられそうになっていましたが。」



「あっ、そうでした」

先程居た令嬢は伯爵令嬢だったそうで

今はこの場に居ません。

私は悪意を示したので結界が反応して敷地外に転移しています。

勿論護衛の中年男性もです。

護衛の方は剣を抜いた時点でこの場から消えていたのですが

令嬢は気が付く事なく私に手を上げ様としたのです。

手を上げて消えるのと同時にオンハルトと言う男性と

レオナルドさんが顔を出したのです。

「悪意や敵意がある人間は入れない筈なのに…」

ブツブツと言うレオナルドさんの言う様に

本来なら私に対して悪意や敵意があれば敷地内に入る事が出来無い筈なのに

今回令嬢と護衛は入って来れました。

そう言われればそうだなと思っていたら闇の王の呟きが

「真由実の認識。」

???

私の認識?

光の王が苦笑いをしながら補足してくれた内容によると

最初令嬢は、私の事をハッキリと認識してない状態で

自分より下の人間だと見下していたので悪意や敵意では

ただ命令する為に来た為
敷地に入れたと。

入って
ただ見下していた相手が

自分の事を無視し
さらには馬鹿にされたので

敵意を持ち出したのだと。


実行に移して初めて敵意、悪意と認識されやっと結界が反応したという事らしいです。

「ほぉぅ。
そうだったんだ~。」

私が見えない相手と会話して納得しているので

レオナルドさんは困惑している様でしたが

オンハルトさんという従者さんが説明して納得した様に頷いています。

「う~ん…

真由実さん個人の事を認識しないと反応しない場合もあるのは危険ですから

もっと設定を広範囲に組み換えしておかなければ…」

そんな事を言い出すレオナルドさんに闇の王が反応します。

「もう結界、張った。」



闇の王がかけた結界とは

闇魔術の呪術の内の一つで

この敷地に関する人や物事に対して

少しでもマイナス要素があれば

敷地内の存在を認識出来無い様に反応したり

そもそも良くない事を考えてる時点で

中に入れない様にし

中に入った後でも

私を含めて危害を加え様とした時点で追い出されるという


何ともご都合主義なチート結界であり

このチートな結界を簡単かつあっという間にすませてしまった能力から

ただの高位な精霊ではなく

精霊王なのでは?

とばれてしまいました。

従者さんには全員見えているので

1人が王だとバレると
皆王だという事がバレてしまいます。

……さてさて、どう説明しましょうか?

困った状態の中

先に口を開いたのは従者さんでした。

「真由実様。
精霊様もいらっしゃるので
この場でお願いがございます。

是非に私もレオナルド様と共に
真由実様に
うどん作りの技法を伝授して頂きます様お願い致します。」





しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。 未来を変えるために行動をする 1度裏切った相手とは関わらないように過ごす

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む

家具屋ふふみに
ファンタジー
 この世界には魔法が存在する。  そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。  その属性は主に6つ。  火・水・風・土・雷・そして……無。    クーリアは伯爵令嬢として生まれた。  貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。  そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。    無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。  その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。      だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。    そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。    これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。  そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。 設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m ※←このマークがある話は大体一人称。

世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない

猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。 まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。 ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。 財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。 なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。 ※このお話は、日常系のギャグです。 ※小説家になろう様にも掲載しています。 ※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。

投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」  リーリエは喜んだ。 「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」  もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。

契約結婚のはずが、気づけば王族すら跪いていました

言諮 アイ
ファンタジー
――名ばかりの妻のはずだった。 貧乏貴族の娘であるリリアは、家の借金を返すため、冷酷と名高い辺境伯アレクシスと契約結婚を結ぶことに。 「ただの形式だけの結婚だ。お互い干渉せず、適当にやってくれ」 それが彼の第一声だった。愛の欠片もない契約。そう、リリアはただの「飾り」のはずだった。 だが、彼女には誰もが知らぬ “ある力” があった。 それは、神代より伝わる失われた魔法【王威の審判】。 それは“本来、王にのみ宿る力”であり、王族すら彼女の前に跪く絶対的な力――。 気づけばリリアは貴族社会を塗り替え、辺境伯すら翻弄し、王すら頭を垂れる存在へ。 「これは……一体どういうことだ?」 「さあ? ただの契約結婚のはずでしたけど?」 いつしか契約は意味を失い、冷酷な辺境伯は彼女を「真の妻」として求め始める。 ――これは、一人の少女が世界を変え、気づけばすべてを手に入れていた物語。

処理中です...