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しおりを挟むあれから毎日
せっせと召喚してマジックバックに入れる作業をし、
召喚出来無い物を空いた時間に作っていく作業をこなしていき
あっという間に
うどん屋さんの営業日を向えました。
元の世界のうどん屋で
鍋料理や煮込み料理の素は
売り込み等で貰っても
賄いでは作る事は流石に無い物が多く
水炊き、キムチ、豆乳、トマト、味噌、すき焼き等を
鍋焼きうどん用の1人用土鍋で作り
シチュー、ビーフシチュー
カレーは小さめの雪平鍋で作って入れました。
あとはオムライスに
焼き飯
グラタンにドリア
焼き魚にオムレツ
トーストにホットサンド……
とお店で作って無い物も結構ありまして
作っては入れ、
召喚しては入れ、
ムギちゃんミルちゃんが
反応しては
それをごはんにし、
レオナルドさんのうるうるキラキラお目々にも負け
練習に付き合うという
ハードな数日でした。
聖女様は心良く
私の要望にも了承してくれたので
回復魔術の付与した物も入れています。
まずは味噌汁です。
うどん出汁を使用した味噌汁なので
軽めの回復魔術を付与します。
うどん各種にも軽めの回復魔術を付与して入れました。
この2種類は軽めなので
食べても
気持ち的に疲れが取れたとか
身体が軽いのは気のせい?
程度で済む感じに付与出来たと思うから
他の人と食べても大丈夫な物です。
聖女様用にうどん出汁を使用したお吸い物には
しっかりとした回復魔術を付与したので
疲労も軽めの怪我等も回復させるから
コレは知られては駄目なやつです。
ただ要望を出した後に気がついたのですが、
今回の遠征には
王子もついて行くのだから
2人で食事する事の方が
多いのでは?
と思いまして、
なら、
ジャンクフードはも含め
王子の分も余分に入れておくべきでは?
となりまして。
回復魔術も軽めと普通の分と
入れて食べ分けてもらう様にしました。
王子や他の人は基本的にはポーションや
他の人の回復魔法があるので必要無いでしょうが
精神的疲労にも差はありますが効果があるので
聖女様が1人で食べるのは気が引けると思う時には
お裾分けしても大丈夫な様に用意しました。
あとは
聖女様の精神的疲労の回復の為にも
1日一杯は飲む様にとメモを入れておきました。
勿論回復魔術の事は要望を通す時に
国王様達にも報告しており
聖女様も王子も知っています。
知っているけど私の存在自体が秘密となっているので
お吸い物だけは他より効果の高い
聖女様専用なんです。
そんなこんなで
アレもコレもと量が増え
まだ半月分なのにマジックバックがいっぱいになり
追加のマジックバック待ちになりました。
今日の営業終了後に
レオナルドさんがマジックバックの納品に行き追加分用のバックを
持って帰って来るので
来週には
準備も終わるでしょう。
今日は朝から雨が降っていて暇なので
残りのメニューを考える余裕もありそうです。
雨だと冒険者も活動する人は少ない様で
通りがかりの人もおらず
ドワーフの親方さん達と
ギルマスさん、
ギルドの職員さん達が来てくれた位で他の人は来ません。
「今日はポトフでも作りながらのんびり営業しましょうかねぇ~。」
最近では日中は少し暑いかな?
と感じる日がでてきていたのに
今日は朝からの雨で少し肌寒い位です。
聖女様用の煮込み料理に異世界鉄板のポトフは入れてなかったので作ります。
ムギちゃんとミルちゃんは
基本的に私が作り出すと
ソレを食べたがるので
今日の晩ごはんはポトフになるだろうと思いながら
2人に聞くと
決定しているようでした。
ムギちゃんミルちゃんにも
手伝ってもらい
鍋に具材を入れて
グツグツ、コトコトと煮込むだけです。
レオナルドさんも参加したそうに
うるうるお目々で訴えていたので
時折鍋の底が焦げ付かない様にかき混ぜてもらう事にしました。
家のキラうるお目々~ズの3人は
本当にお手伝いが好きなので
ちょっとの役割りでも
とても嬉しそうにしてくれます。
鍋焼きの見張りは任せて
ホールの掃除でもしておきましょう。
後1時間程で閉店するので
ぼちぼち片付けておけば
閉店後がスムーズに終われます。
厨房の方は
鍋の見張り役をしなが
レオナルドさんに進めてもらい
私達はテーブル拭きや
床のモップ拭きをしていきます。
ムギちゃんミルちゃんにテーブルを任せ
モップをかけていると
お客様が来店してきました。
素早くモップをしまい
ムギちゃんミルちゃんは
姿を隠したまま
私の肩に移動です。
「いらっしゃいませ~。」
入って来たのは
若い女性と中年の男性です。
男性の方は護衛の様な人で
制服を着ており腰には
剣をさしていました。
若い女性は何処かの令嬢なのでしょう。
うどん屋には不釣り合いなドレス姿のその女性は
私を見るなり
その気の強そうな目を向け
手に持っていた扇を向けて
叫びだしました。
「この泥棒猫!
お前がこの店の店主ですわね?
その様な年増の分際で
レオナルド様を騙し騎士を辞めさせるなんて
この私がゆるしません!
お前の様な年増の異国民は
さっさと国にお帰りなさい!」
いきなりの「泥棒猫」発言に
なんとなく状況が見える気は
しますが
ちょっとこめかみがピクピクなり口元がムズムズしてしまいます。
……来た~~~!
正に悪役令嬢の様なドレス姿の女の子!
お前呼びは頂けないけど
扇を向けて発言後には
その扇で口元を隠し
顎を上げ上から目線を向けて来るのは鉄板では
ないでしょうか?
面白い登場シーンでしたが
……でもお嬢さん、
ココは学園ではなく
ヒロインも居ないただのうどん屋ですよ?
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