若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました

mabu

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本日も午前中はレオナルドさんの練習に付き添います。

…当初の予定では営業日の翌日である今日は

ゆっくり過ごすはずだったのに……

何事も予定通りにはいかないですね。

予定は あくまでも予定ですから気にしたら負けです。

レオナルドさんの独り立ち?

に向けひたすら練習あるのみです!


昨日仕込んだ物をひたすら製麺機で麺線にしていくだけ、

手触りの固さや気温、湿度等で製麺機の扱い方を操作して細さの調節をします。

機械打ちといっても粉から作るうどんは自然の力を感じる程に

1年365日一つ一つ仕込む物で状態が変わります。

知ってました?

粉も乾燥するんですよ?

真冬の寒い時期も乾燥し易いのですが

真夏の灼熱の時期にも乾燥するんです。

しかも挽きたての状態から日が経つにしたがって

水分量が減っていくので質が落ちていきます。

業務用の粉の一袋がだいたい25キロの物が多く

製粉会社も一度にある程度の量を製粉するので

挽きたてが届いたとしてもスグに使いきる訳ではありません。

同じ日に挽いた粉でも使う日が変われば状態が変わるのです。

気温が同じでも湿度や日射条件で体感が違うのと同じです。

まさに自然の力と同じです。

気まぐれな粉の状態を加水をしながら、

プレスをしながら、

熟成度を見ながら状態を見て、

麺線をしながら細さの調節をして やっと麺の形になるんです。

麺の形になっても
細さが変われば湯がく時間も変わります。

ほんの1ミリ太くなるだけでも

状態次第では、湯で時間が5分も6分も変わるんです。

茹で釜の沸騰具合や

お湯の量、

茹で方でも麺質は変わります。

この感覚を覚える事も

職人ならではだと思いますが

実際はうどん屋をするのに調理師免許はいりません。

個人でうどん屋を開業している方でも免許を持ってない方は結構います。

なのに繊細な技術が必要なんです。

今は機械打ちがあり

出汁も機械で出せたり

出汁パックなるものがあったりと便利になりましたが

出汁も微妙に変わるんですよ?

毎日毎日、集中して味わえば違いが分る様になるんですが

パック出汁でも粉と同じ様に変化します。

粉と違い此方は鍋で仕込む場合は

仕込む人の 癖 が出るんです。

同じ火加減で仕込んでいる様でも

全く同じ加減の調節は無理なんです。

元のうどん屋には社員が3人居て

3人共出汁の仕込みをしてましたが

ブレンドして使用していた食材の

それぞれに違う食材の味が強調するんです。

1人は 昆布、

1人は 煮干し、

因みに私は 鰹節の味が強めに出るんです。

同じ店舗で交代で仕込む場合は

なるべく1人の味に近づける為に鰹節の使用量を調節したり

火加減や時間で調節したりしていました。

味に敏感な常連さんの中には出汁の違いに気づく人も居るので大変でした。

一度気づいたお客様が気づかなくなった時は本当に嬉しかったのを覚えています。

麺線も初めの方は打つ度に太さが違い、

同じ一本の麺でも端の中央の太さが違ったり…

フフっ、

正に今のレオナルドさんの状態ですね。

一月あれば作業は覚えるので

後は彼がどの程度の拘りで済ますのか次第ですからね。

拘り続けるのは良いと思いますが度が過ぎると

ただの゙自己満足ですからね。



さて、

今日の勉強はここまでです。

後は製麺機の掃除をして

明日の麺線用の仕込みをして作業も終了です。

製麺機の掃除はレオナルドさんにしてもらいます。

ミルちゃんがお掃除のお手伝いをしたそうに
スリスリぷるぷるしてましたが

これはレオナルドさんの仕事になるので我慢してもらいます。

ちゃんと自分が使った後の

お手入れをして

大事に使用する事も覚えてもらわないといけませんから。

お利口さんのミルちゃんはちゃんと納得してくれました!

私1人で営業する様になったらお手伝いをしてもらいましょう!

それまではホールのテーブルや椅子等のお掃除をお願いしますね?

ムギちゃんは魔法を使用して天井や壁、窓ガラス等を拭き掃除、

ミルちゃんはテーブル席や椅子を順番に周り洗浄していく様です。

時折

〚たのちいでしゅ~〛 

とか

《きゅっぴぴっ~》

とか聞こえるので

ご機嫌でお手伝いをしてくれている様です。

2人も役割りがあると嬉しそうなので

これからしてお掃除部隊長と

副部隊長に任命しましょう!


喜ぶ2人に

スリスリ頂きました~♡


はっ!

又3人でイチャイチャしていて

レオナルドさんの事を忘れてました。

とても羨ましそうなお顔でコチラを見てました。


ごめんなさい(_ _;)

でも2人のスリスリは

親愛の証ですから

してほしければ

まずは2人と仲良くなってからです。

その後何処まで仲良くなるかによりますが

2人が甘えてくれるまで仲良くなるには時間がかかるでしょう。

そんなうるうるお目々で見つめてきても無理なものは無理です。

もう騎士様ではないので

仔犬騎士様ではなく

見習い仔犬ですね。

可哀想な気がしてきたので

イチャイチャは止めてお昼ごはんにしましょうかね~。



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