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しおりを挟む「はい、お疲れ様でした。
後は片付けをして今日は終わりましょう。」
午後3時になり初日の営業を終了させます。
先程、閉店10分前にギルマスさんが予告通りに
ビールの購入をしたのが最終のお客様でした。
告知無しの開業でしたが
予想以上の売り上げになり
必要経費が全くかからないので全てが利益になる為
2人で営業しても十分生活していける位でした。
まぁ、
私の場合は生活していけるだけの生活費も能力も
確保しているので気にしていなかったけど
レオナルドさんの生活費を稼がせないといけないので
うどん主体よりビール目的な売り上げになろうとまずはオッケーとしておきます。
後はレオナルドさん次第になるでしょう。
「さて、
ムギちゃん、ミルちゃんもお疲れ様でした。
2人共チョコチョコお手伝いしてくれて有り難うね。
そんなお利口さんな2人には
おやつにプリンをあげましょう!」
わ~!
と喜ぶ2人が両頬にスリスリしてくれます。
この2人は日頃からお手伝い好きなので
今日も途中からお手伝いをしてくれました。
自分だけでなく他の人の姿も隠せると
2人の姿を見えなくする魔法をかけてくれたムギちゃん。
ムギちゃんとミルちゃんは肩で大人しくしていたのですが
洗い物が増えてきた時に
ミルちゃんがスリスリぷるぷるしてお手伝いアピールをしてくれたので
2人に任せたら
ムギちゃんが魔法で軽く洗ってから洗浄機にかけて
それをミルちゃんが包み込みながら水分を取りキレイに重ねて
作業台の設置場所に戻す。
と、
いう作業をしてくれました。
勿論姿を隠してお客様に見られない様に気を配りながらです。
賢いでしょ~?
可愛いくて、
優しくて、
働き者で。
なんて良い子達なんでしょう♡
そんな良い子には
2人の大好きなプリンをあげちゃいます♡
頑張ってくれた2人にプリンを食べさせれば
何時もより遅めのお昼寝に突入したのでタオルベッドに乗せて寝かしておきます。
客席側の掃除をしたら
厨房内の掃除をして、
茹で釜やフライヤー、
洗浄機等の掃除の仕方も教えながら分担して進めます。
1時間程かかり終了したら
私達もプリンでおやつです。
「はいどうぞ。
初めてだから疲れたでしょう?」
開店からずっと身体に力が入ったままの状態だったレオナルドさんが
やっと落ち着いたのか笑顔になりました。
「本当に疲れました。
体力には自信があったのですが
今までで一番だと思う程緊張もしました。
なんとも無い真由実さんは凄いです!」
いやいや、
そりゃあ、アレだけ身体に力を入れたまま何時間もいれば
誰でも疲れるっしょ!
初めてで緊張したのは分るけど
もっと力を抜かないと、
多少の緊張感はあった方が良いけど過度の緊張感はミスに繋がるし、
お客様にも伝わり不安にさせるから気をつけてと助言する。
今日の私達のおやつはカボチャプリンと、ほうじ茶ミルクです。
ムギちゃんミルちゃんのおやつは
濃厚卵のプリンに生クリームをトッピングしてある
特別製で
のご褒美用なのです。
このカボチャプリンは
この前作ってレオナルドさん用に多めに残してしたので出しました。
何故今まで出さなかったのか
それは予告通りに顔を出さなかったからです。
なのに態々出す必要もないかな?
と、
思いまして、出してなかったのです。
拗ねてる?
いえ、
拗ねてるのとは少し違います。
基本、
約束を守らない人にイラッとくるだけです。
約束を守れないなら
言わなければイイのにと。
もしくは多分?とか、
出来ればとか、
確実じゃない事を言ってくれれば待たなくて済むのにと。
ソレが拗ねてる?
待たなければ良いと?
いや、
そうなんだけど、
そうじゃなくて…
……じゃあ、
拗ねたでイイです!
だって、
待ってなければ泉に行けたのに!
って、
思ったんだもん!
ムギちゃんミルちゃんと
もっとイチャイチャしたかったのにと思ったら
つい、
意識的に出さない様にしてました。
ごめんなさい。
心の中で謝っておきます。
本人に謝れ?
はい、分かりました。
「レオナルドさんすみません。
このカボチャプリン、
本当はレオナルドさんが顔を見せると言っていた予定の日に出そうと残しておいた分なんです。」
突然何を言ってるんだという顔をしています。
掻い摘んで説明したら
何故か喜んでます。
「本当にすみませんでした。
今後は約束を破らないと誓います。
私の為に態々残しておいてくれたのを
まだ取っておいてくれたんですね?
有り難うございます。
とても美味しいです。」
さっきまでの疲労感のある笑顔は何処に?
何時もよりニコニコでプリンを食べてます。
いや、私が謝ったのに
逆に謝られるって…。
ちょっとした意地悪な気分で今まで出さなかったのにお礼まで言われるとか…
なんかイラッとした事も
どーでも良くなりました。
この穢れないニコニコ顔を見たら
自分の性格の悪さが恥ずかしいです。
今度からイラッときたら意地悪しないで
ちゃんと口に出して話し合います。
本当にごめんね。
と心の中で
もう一度謝りました。
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