媛彦談《ひめひこだん》

テジリ

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最終章

⚠️不快感注意⚠️妊娠中3Pを彷彿とさせる描写があります。 壊心

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 神鳴り山とその麓はタマル冠の婚資だから。タマル冠の死後も、その直系子孫が居たら引き続きあやぎり朝に帰属する。そういう約束らしい。

「だが男なら殺す。女なら活かす」

脅しじゃない。本気でそうするつもりなんだ。こんなことになるなんて、分かりきってる。

 戴冠タイカンは、妹とまだ見ぬ我が子を死地に送り込んで一切無視。なのに長上おさがみとは平気で文通を重ねていられる。ほんっっとうに信じらんない。そもそもまず手を出すな。どこが貴人だよ。鬼人の間違いだろ。

霧彦きりひこ、何を考えてる」

戴冠タイカンには、人としての何かが欠けているんじゃないかなって……」

あ。やな笑顔だ、困窮時代の姉上と同じ、愛想を込めた作り笑い。それをもっともっと磨いて、目まで完璧に誤魔化した紛い物。


 その日の俺は、湯殿で背後から貫かれ、そのまま抱きかかえられながらひのきの淵に腰掛け、前を扱かれていた。
ぬくい水溶き粉を惜しげもなく垂らしているせいで、長上おさがみの手も俺の急所も濡れそぼり滑らかだった。あちこち敏感な部分を強めに擦られ、包み込むような圧迫を加えられても痛くない。むしろ刺激が欲しくてたまらない。ねえもっと、もっとちょうだい。

「まるで人肌みたいだな。なあ霧彦きりひこ、やはり湯で溶いた方が具合良いだろ」

「うん、これ好きっ。そこもっと触って、ひあっ。手だけで達っちゃいそう……」

「嬉しいこと言ってくれるじゃないか、だが少しこらえろ」

「へ、なんで」

手を止めないでよ~。あともうちょっとのとこだったのに。俺が達っしたら無意識に締め付けちゃうんだから、お互いちゃんと気持ちよくなれるでしょ。別にいいじゃん、何が不満なの。

「お取込中、ちょっと失礼。お邪魔しますね」

いったいここになんの用。唐突にタマル冠が乱入してきて肝が冷えた。湯帳を着てるから、お腹周りがふくらんできているのもついでに分かった。
 
「堕ろしたいそうだから、ついでに練習台になって貰おうと思ってな。絶対に孕まないから丁度いい」

そんなのお断りだ。逃げようにも後ろから抱きすくめられて、じたばたするだけで意味がない。そうこうするうちにタマル冠がのしかかってきて、位置まで調整されて迎え入れられた。あまりに義務的過ぎて、興奮もへったくれもない。

「そろそろ女の味も知っとくべきだろう」

「あっ……ちょっと何考えてんですか、長上おさがみもタマル冠もどうかしてます」

それでも双方向からの刺激に責め苛まれて、俺はあっさり逐情した。何なんだよこの状況は。

「なんで、なんで死なないの。なんで~……ううう、うわ~ん」

「まあいわゆる安定期だしな。確実性はないが、子の安全など微塵も考えない憂さ晴らしではある」



結局赤ん坊は無事だった。その後も順調にタマル冠の胎内で育って普通に産まれた。

――ようございましたね。稚媛わかひめですよ

「何で女なの。男なら長上おさがみが殺してくれたのに、もういやーっ、近づかないで。顔も見とうない」

タマル冠の泣き叫ぶ声が、俺の居る離れた部屋まで聞こえてきて益々気が滅入った。
案の定、産婆が赤ん坊を抱きかかえてやって来て、長上おさがみに手渡したから余計にだ。
あなたちょっと前まで本気で殺そうとしてましたよね。よく平気で笑えたもんだ。

「うーん、そうだな……地稚媛つちわかひめにしよう。の実子ではないが、タマル冠から婚資の直轄領を受け継ぐ大事な子供だからな。乳母殿、くれぐれもよろしく」

長上おさがみからそう言われて、おずおずと部屋に入って来たのは、よく知る身内だった。

「えええええっ、姉上。どうしてここに」

「なんだ知らなかったのか。ちょうど地稚媛つちわかひめと年の近い息子がいるから、抜擢したまでだ」


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