18 / 19
どんな大人になってると思う?
しおりを挟む
私はGrad dinner danceの日を迎えた。 当日になってダンスを申し込んだ私に、思った通りパパはとても驚いた。
「ねえ、パパ。あと一曲踊り終わったら、名前を呼んで。聖名のバーバラ・プラスティラスじゃなくて。これからは、イズミル・プラスティラスで行こうと思うの」
「いいよ。ところで質問なんだけど、君はシャリムの事どう思ってるんだ?」
「ただの知り合い。冗談抜きでそう思ってるから心配しないで。それとね、これから先の話になるけど、私が大学に行ってしばらくして、またパパと会うことになった時、どんな大人になってると思う?」
「君がなりたいような大人になってたらbestだね。その為にも、大学では可能な限り好きな事を学ぶべきだ。将来の事を考えてとか馬鹿馬鹿しい。そんなのなるようにしかならないし、興味の無い事なんて、どうせ大成しないから。覚えておいて、イズミル」
踊り終わって手を離すと、シャリム・マリスが甲斐甲斐しくパパにシャンパングラスを手渡した。ねえちょっと、私の分は? 私は即座にお礼を言って、シャリム・マリスが手に持っていた方のグラスを無理やり分捕って一息ついた。
「はー、美味しい。とりあえず、あの国にはまた行きたいな」
「イズミル先輩の事だから、どうせ趣味の為だろ?」
「そんなの当たり前じゃん。何か文句でもある?」
完
「ねえ、パパ。あと一曲踊り終わったら、名前を呼んで。聖名のバーバラ・プラスティラスじゃなくて。これからは、イズミル・プラスティラスで行こうと思うの」
「いいよ。ところで質問なんだけど、君はシャリムの事どう思ってるんだ?」
「ただの知り合い。冗談抜きでそう思ってるから心配しないで。それとね、これから先の話になるけど、私が大学に行ってしばらくして、またパパと会うことになった時、どんな大人になってると思う?」
「君がなりたいような大人になってたらbestだね。その為にも、大学では可能な限り好きな事を学ぶべきだ。将来の事を考えてとか馬鹿馬鹿しい。そんなのなるようにしかならないし、興味の無い事なんて、どうせ大成しないから。覚えておいて、イズミル」
踊り終わって手を離すと、シャリム・マリスが甲斐甲斐しくパパにシャンパングラスを手渡した。ねえちょっと、私の分は? 私は即座にお礼を言って、シャリム・マリスが手に持っていた方のグラスを無理やり分捕って一息ついた。
「はー、美味しい。とりあえず、あの国にはまた行きたいな」
「イズミル先輩の事だから、どうせ趣味の為だろ?」
「そんなの当たり前じゃん。何か文句でもある?」
完
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
②シャリム外伝 潜竜談
テジリ
ライト文芸
永遠の夕焼けが続く白夜のさなか、シャハルは広場のカフェで過去に触れ、自身を慕うシャリムを突き放す。しかしめげないシャリムはそれを説得し、共に帰国する。一方その頃アリネ・ハルサナワは、人生の苦境に立たされていた。
そのバンギャ、2度目の推し活を満喫する
碧井ウタ
ライト文芸
40代のおひとり様女性である優花には、青春を捧げた推しがいた。
2001年に解散した、Blue RoseというV系バンドのボーカル、璃桜だ。
そんな彼女は転落事故で死んだはずだったのだが、目を覚ますとなぜか20歳の春に戻っていた。
1998年? Blue Roseは、解散どころかデビュー前だ。
それならば……「追うしかないだろう!」
バンギャ魂に火がついた優花は、過去の後悔もやり直しつつ、2度目の推し活に手を伸ばす。
スマホが無い時代?……な、なんとかなる!
ご当地グルメ……もぐもぐ。
行けなかったライブ……行くしかないでしょ!
これは、過去に戻ったバンギャが、もう一度、自分の推しに命を燃やす物語。
<V系=ヴィジュアル系=派手な髪や化粧や衣装など、ヴィジュアルでも音楽の世界観を表現するバンド>
<バンギャ=V系バンドが好きな女性(ギャ、バンギャルともいう) ※男性はギャ男(ぎゃお)>
※R15は念のため設定
レタリング部の林くん
熊猫珈琲店
ライト文芸
林くんは、文字を書くのではなく描く。
レタリングというらしいのだが、彼の描く飾り文字はかなり独特だ。
躍動感あふれる文字に魅せられて、城崎ケントは林くんの所属するレタリング部に入部した。
ピアスの穴だらけで目つきの悪い林くんと、失言が多くて周囲とギクシャクしがちな城崎ケント。
そんな二人が織りなす、ゆるい日常の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる