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友達とはなんぞや?
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それは少しふしぎな日常会話だった。ある年配の上司は常々「私に友達はいません」と口にしていたのだが、新人研修中の灯枇が業務内容について質問していた際に、
「~さん、今日呑みに行きましょうよ!」
と、別の部署の同世代位の方から、わざわざドアから顔を覗かせてまで誘われていたのである。
灯枇はそれをふまえて、つい訊ねた。
「でも、上司さんが友達はいないと言っていたら、上司さんの事を友達だと思っている人が聞いた時に悲しくなりませんか?」
「いやぁ~、友達はいないんですよ」
それは後年灯枇が配属部署で身に沁みた事実である。確かに呑みに行くだけなら友達じゃねーわ。
実際のところ、なぜか若手社員ほどその傾向が強かった。灯枇からすれば、若手飲み会の方が余程接待である。まあ灯枇は接待能力など皆無であるからして、ただの人数稼ぎでしかないのだが。
急な呼び出しに応じて真夜中まで居酒屋やらバーやらスナックで愚痴を聞かされ、今まで遊んだこともないダーツやビリヤードに付き合わされる。
灯枇は明日も仕事なので、とさすがに0時を過ぎたところで切り出し、幅を利かせる若手社員トップの了解を得て退散したりもした。
その他釣りやバーベキューは全力で回避したが、なにぶん転勤族というのは現在居住地に友人ゼロなので、たかが職場の後輩を、個人的なレジャーにまで召喚し憂さを晴らす位しか思いつかないのだろう。
「~さん、今日呑みに行きましょうよ!」
と、別の部署の同世代位の方から、わざわざドアから顔を覗かせてまで誘われていたのである。
灯枇はそれをふまえて、つい訊ねた。
「でも、上司さんが友達はいないと言っていたら、上司さんの事を友達だと思っている人が聞いた時に悲しくなりませんか?」
「いやぁ~、友達はいないんですよ」
それは後年灯枇が配属部署で身に沁みた事実である。確かに呑みに行くだけなら友達じゃねーわ。
実際のところ、なぜか若手社員ほどその傾向が強かった。灯枇からすれば、若手飲み会の方が余程接待である。まあ灯枇は接待能力など皆無であるからして、ただの人数稼ぎでしかないのだが。
急な呼び出しに応じて真夜中まで居酒屋やらバーやらスナックで愚痴を聞かされ、今まで遊んだこともないダーツやビリヤードに付き合わされる。
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