50代後半からのサバイバルゲーム

長宗我部准尉

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家に着き「ただいま」と声を掛けるが、遠くから奥さんの「おかえりー」の声がする。
靴を脱ごうと玄関に上がろうとすると、横から「ワンッ」と声がする。
白と黒のロングコートのボーダーコリーの【トロ】がいる。
ゴツゴツと20キロ近い体重を足元に乗せて、撫でろと催促してくる。
「ただいま」と声を掛け、頭を撫でる。
あまり構うとスーツが毛だらけになるので、それなりに相手をし、そそくさと2階に上がる。
トロは2階に上がれないよに躾けてあるのが幸いする。
恨めしそうに伏せて見上げるトロの顔を見ながら「あとでな」と声を掛け、着替えに行く。
部屋着に着替えると、1階で待ち伏せしているトロに押されるように、リビングに向かう。
リビングでは、奥さんが晩御飯の用意をしていた。
そして、手の空いている自分はトロのご飯の用意をする。
定時で帰宅したときの、ルーティーンである。

今日は色々ある良い日だが、食卓は何時ものように何も変わらない。
特に自分から臨んだ訳では無いので、これで良いと思える。
ただ、年頃の娘達はバタバタとして、落ち着かない。
今年から大学生の下の子は、食事中でもスマホを持ったまま食事をする。
何度か注意したが、彼女曰く、家族の会話はちゃんと聞いているし、すぐに対応できる様に手元に置いていたいと言うので、今では何も言わなくなった。
上の娘は社会人1年目で、まだ帰宅していない。
上の娘が帰宅するまで、待つかと奥さんに聞いたが、遅くなると言う事なので、今夜は3人と1匹で食事となる。
その間、トロは所定の位置で、「よし」の合図を涎を垂らしながら待っていた。
余りにも大量の涎を見た下の娘は「かわいそう」と言い。
私の代わりに「よし」と合図をおくる。
トロは、私に目配せしながら食事にありつく、私は軽く頷くと、もう無心で食事に取り掛かる。
そして3人で食事する事になる。

よくよく考えると、ここも毎日のルーティーンだと思う。
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