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今月で家のローンが終わる。
親から貰ったお金のお陰で、今月で30年払い続けてきたローンが終わるのだ。
そして、明日はボーナスもある。
今日一日中走り回った営業も苦でない。
営業車から降りて軽い足取りで本社ビルへ向かう。
車はビルの裏側に有る契約してあるパーキングに停めたので少し歩くのだ。
数100メートルの道のりが、普段と違う景色に見えた。
視野が広がってる?
余裕が出てるのかな。
すると、いきなり真横に大きな音がする
大きな黒いバイクが前を塞ぐように停車してきた。
いつもなら、睨むか、注意をするのだが、今日はいつもと違う。
思わず
「おっと、ごめんなさいね、、」
と、小さな声で言ってしまった。
そして、そのまま通り抜けようとすると
後ろから、バイクから笑い声が聞こえてきた。
「何!あやまってんだよ、あははは」
流石に失礼なヤツだと思い、振り返ると
そこには知った顔があった。
真っ黒な艶の無いハーレーダビッドソンに跨り、真っ黒な艶の無いヘルメットを脱ぎ、ミラーにヘルメットを掛け笑う男は、矢野と言う名前で、今年で確か64か5だったか。
昔、フィリピンに出張したときに出会った知り合いだ。
初めて出会ったときは、怪しくて警戒していたのだが、よくよく話を聞くとちゃんとした会社の社長だと言う。
しかも、アパレル系の、、まあ、この辺りは要注意なんだが。
全て現金で色々な物を輸入していたので、少し仕事を手伝ってしまったり、助けられたりした仲である。
「小林君、オレオレ」
「矢野さん?矢野さんですか」
「そう!元気?遠くで車に乗ってたの見つけたからさ、思わず探しちゃって、あはは」
相変わらず、憎めない出鱈目な感じで毎回現れる、この人は。
「確か、小林くんってさ、南の方に住んでるだよね」
「あ、はい」
「オレ今ね、市内での仕事は息子に任せてさ、南のほうで趣味の店やってんだよ、まあ、趣味なんで土日祝しかやってないんだけど、近くにきたら寄ってよ」
と、名刺を渡した。
裏を見ると簡単な地図が書いてあったが
何かがあったけ?と思う場所にマークが付いていた。
そう言って簡単な挨拶をして矢野は、またバイクに跨り走り去っていった。
名刺を持ったまま、矢野の後ろ姿をみながら
「かっこいい。。」
と、ボソリ呟くと、我に帰った。
本社の近くだよなココ、誰かに見られなかっただろか。
さっき迄、緩んでいた顔を軽く叩き、気合を入れて本社へ戻った。
帰りは社用車で帰宅する。
部長職ともなると、融通が利かせやすい。
明日は朝から取引先へと直行できる。
道中笑顔が絶えず、唄を口遊むほどである。
理由は1つ、ボーナス&昇給である、昇給評価を付ける立場となり早数年、自分に昇給が来るとは思ってもいなかった。
当然、笑みが絶えないのだ、社内では何もないように振る舞い、車の中に1人になった瞬間からニヤケ顔が治らないのだ。
そして片道1時間程で自宅に帰ってきた。
親から貰ったお金のお陰で、今月で30年払い続けてきたローンが終わるのだ。
そして、明日はボーナスもある。
今日一日中走り回った営業も苦でない。
営業車から降りて軽い足取りで本社ビルへ向かう。
車はビルの裏側に有る契約してあるパーキングに停めたので少し歩くのだ。
数100メートルの道のりが、普段と違う景色に見えた。
視野が広がってる?
余裕が出てるのかな。
すると、いきなり真横に大きな音がする
大きな黒いバイクが前を塞ぐように停車してきた。
いつもなら、睨むか、注意をするのだが、今日はいつもと違う。
思わず
「おっと、ごめんなさいね、、」
と、小さな声で言ってしまった。
そして、そのまま通り抜けようとすると
後ろから、バイクから笑い声が聞こえてきた。
「何!あやまってんだよ、あははは」
流石に失礼なヤツだと思い、振り返ると
そこには知った顔があった。
真っ黒な艶の無いハーレーダビッドソンに跨り、真っ黒な艶の無いヘルメットを脱ぎ、ミラーにヘルメットを掛け笑う男は、矢野と言う名前で、今年で確か64か5だったか。
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初めて出会ったときは、怪しくて警戒していたのだが、よくよく話を聞くとちゃんとした会社の社長だと言う。
しかも、アパレル系の、、まあ、この辺りは要注意なんだが。
全て現金で色々な物を輸入していたので、少し仕事を手伝ってしまったり、助けられたりした仲である。
「小林君、オレオレ」
「矢野さん?矢野さんですか」
「そう!元気?遠くで車に乗ってたの見つけたからさ、思わず探しちゃって、あはは」
相変わらず、憎めない出鱈目な感じで毎回現れる、この人は。
「確か、小林くんってさ、南の方に住んでるだよね」
「あ、はい」
「オレ今ね、市内での仕事は息子に任せてさ、南のほうで趣味の店やってんだよ、まあ、趣味なんで土日祝しかやってないんだけど、近くにきたら寄ってよ」
と、名刺を渡した。
裏を見ると簡単な地図が書いてあったが
何かがあったけ?と思う場所にマークが付いていた。
そう言って簡単な挨拶をして矢野は、またバイクに跨り走り去っていった。
名刺を持ったまま、矢野の後ろ姿をみながら
「かっこいい。。」
と、ボソリ呟くと、我に帰った。
本社の近くだよなココ、誰かに見られなかっただろか。
さっき迄、緩んでいた顔を軽く叩き、気合を入れて本社へ戻った。
帰りは社用車で帰宅する。
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明日は朝から取引先へと直行できる。
道中笑顔が絶えず、唄を口遊むほどである。
理由は1つ、ボーナス&昇給である、昇給評価を付ける立場となり早数年、自分に昇給が来るとは思ってもいなかった。
当然、笑みが絶えないのだ、社内では何もないように振る舞い、車の中に1人になった瞬間からニヤケ顔が治らないのだ。
そして片道1時間程で自宅に帰ってきた。
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