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【1】ちーとにゃんこと世界樹の茶畑ドタバタドラゴン大戦争!
2にゃん
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あれから色々試してみて判明したこと。
それは、私、マジチートだったってこと。
ゲームで言うならきっと全てのステータスカンストしてるレベル。
先程木を倒したように、どこの少年漫画の主人公ですかってぐらいな怪力。大きな岩も簡単に持ち上げることが出来るし、魔法もイメージ浮かべてえいやって魔力込めるだけで無詠唱で簡単に発動する。
気●斬ーと調子に乗って円盤型の真空波をイメージしてやってみたら出来た。木がスパスパ切れていく。ついでに水場を求めて近くまで来ていたのか、木程の大きさの巨大な芋虫っぽい怪物も切れていくのが見えた。
流石は異世界、あんなのが居るのか。あれがここに来てたらと思うと…危ない危ない。
そうそう、移動手段も飛翔魔法や身体強化、テレポートが出来たから大丈夫だった。
もっともテレポートはどこに行くか明確にイメージしないと発動しなかったけれども。
とりあえずこの森から抜けないといけない。それには地理の把握から。
私は飛翔魔法でぐんぐんと上空に浮かびだした。
が。
体感高度百メートルほど浮かんだところで私は音を上げる事になった。
飛翔魔法できても高所恐怖症までは克服できなかったんだもん!
高いとこマジで怖い。
高い高い場所に、足場も無く、ただ浮かんで強く吹き付ける風にものすごく不安と恐怖を覚える。
これ以上上がったら私のSAN値はマッハで無くなるだろう。
その場でくるりと回転して360度のパノラマビューを眺める。すると、遠くに川と、川に沿うように走る道らしきもの、それに森の果てを見つけた。
しかも、森の果て――森の出口の傍には村らしきところがあるのが分かった。森の外には草原が広がっていて、道は村を越えてずっと伸びているようだった。
とりあえずあの村へ行ってみよう。
私は木々の頂上より少し高いぐらいの場所まで高度を下げると、一直線に村の方を目指して飛翔した。
***
その村には十分程で着いた。ざっと見て人口百人程であるようだった。私のような外見の生き物こそはいなかったが、純粋な人間に見える人、尻尾や耳など一部が獣の特徴を持っている人を確認出来た。
森の恵みを受けて暮らす村らしく、あちらこちらから木を切ったり削ったりする音がしている。
蜘蛛とか芋虫とか大っ嫌いな私は潅木の茂みに隠れる勇気は到底なく、チキンな私は隠蔽魔法をかけた上、木の陰に隠れて村を偵察する。
隠蔽魔法は効いてると思うけど、他者から見えないっていうのが客観的に分からないから。後、自分は毛むくじゃら生物なので蚤とか付きやすいだろうから茂みに隠れたくなかったのだ。
風魔法を使って人の話している声を聞くと、日本語の発音ではなかった。
会話の意味が知りたいと魔力を込めると今度は理解できる。耳に入る音は異世界語のままだが、意味は日本語として頭の中に浮かんでくる感じ。
通訳魔法は効くらしい。
文字は…多分読めないだろうが、翻訳魔法が効く事を祈るばかりである。
さて、どうするか。
人を見て、優しそうな人だったら可愛さをアピールしてごはんをねだるのはいい。
訴えるのは男はダメ。男の可愛いっていうのは大概性的アピールも入っているそれだから、私みたいな外見のにゃんこを可愛いと思ってくれる確率は女のそれより低い。
うん、やっぱり女の人。女の子。
女はぬいぐるみとか好きだから私の外見を保護するべきものとして見てくれるだろう。
結論、ごはんや宿をねだるのは人のよさそうな優しそうな女の人! これに限る。村人に保護してもらうのはどうだろう? あ、でも権力者に逆らえなさそうだからそこが心配。
旅人か冒険者みたいな放浪する人たちなら、その土地に執着はないだろうから何かあっても出て行くという選択が可能だ。
そんなことを考えながら観察を続けていると、明らかに村人ではない、旅人か冒険者っぽい物々しい装備の人が目に入った。
彼らは総勢四名。
一人目は茶色の鎧とマントを着て片手剣と盾を持っている剣士っぽい男。金髪に青い瞳、物語に出てきそうなタイプ。日焼けした小麦色の肌、がっしりとした体つき、精悍な顔立ちでなかなか整った造作をしている。
二人目は杖を持って黒に近い茶色のローブとマントを纏っているひょろりとした魔術師っぽい人。顔はローブのフードで隠されているので分からないが、背丈からすると男か。
三人目は全身白い服を着て、黒い髪を結い上げた明るい茶色の瞳の女性。造作はまあまあというところか。それでもどこか美しく感じる人。何がと聞かれたら、その人全体のかもし出す雰囲気が綺麗というか、そんな感じ。第一印象は、まんまどこかの神官っぽい人。
四人目は深緑の服を着て大きくて優雅な造りの白銀の弓矢を持っている、耳の先が尖っている女性だった。こちらは美人過ぎる程美人である。金髪にアーモンドのような切れ長の緑の瞳、お人形のような美貌。特徴からすればまんま妖精種族。ちょっと冷たそうな雰囲気。こっちはとっつきにくい感じ。私の可愛さも通用しなさそう。ちなみに四人の中で一番目立っているのは彼女だった。
剣士、魔術師、神官、弓使い――うん、旅人じゃないな、これはどちらかと言えば冒険者だな。
ターゲットにするなら、断然神官っぽいお姉さん一択で。
と、思っていたら、エルフの人がすばやく弓を番えたかと思うとこちらに打って来た。
弓を番えるのを見た刹那、良くぞ顔を引っ込められたと思う。
歴戦の冒険者怖ぇぇぇ―――!!!!
「出てきなさい――そこに居るのは分かってるわ!」
それは、私、マジチートだったってこと。
ゲームで言うならきっと全てのステータスカンストしてるレベル。
先程木を倒したように、どこの少年漫画の主人公ですかってぐらいな怪力。大きな岩も簡単に持ち上げることが出来るし、魔法もイメージ浮かべてえいやって魔力込めるだけで無詠唱で簡単に発動する。
気●斬ーと調子に乗って円盤型の真空波をイメージしてやってみたら出来た。木がスパスパ切れていく。ついでに水場を求めて近くまで来ていたのか、木程の大きさの巨大な芋虫っぽい怪物も切れていくのが見えた。
流石は異世界、あんなのが居るのか。あれがここに来てたらと思うと…危ない危ない。
そうそう、移動手段も飛翔魔法や身体強化、テレポートが出来たから大丈夫だった。
もっともテレポートはどこに行くか明確にイメージしないと発動しなかったけれども。
とりあえずこの森から抜けないといけない。それには地理の把握から。
私は飛翔魔法でぐんぐんと上空に浮かびだした。
が。
体感高度百メートルほど浮かんだところで私は音を上げる事になった。
飛翔魔法できても高所恐怖症までは克服できなかったんだもん!
高いとこマジで怖い。
高い高い場所に、足場も無く、ただ浮かんで強く吹き付ける風にものすごく不安と恐怖を覚える。
これ以上上がったら私のSAN値はマッハで無くなるだろう。
その場でくるりと回転して360度のパノラマビューを眺める。すると、遠くに川と、川に沿うように走る道らしきもの、それに森の果てを見つけた。
しかも、森の果て――森の出口の傍には村らしきところがあるのが分かった。森の外には草原が広がっていて、道は村を越えてずっと伸びているようだった。
とりあえずあの村へ行ってみよう。
私は木々の頂上より少し高いぐらいの場所まで高度を下げると、一直線に村の方を目指して飛翔した。
***
その村には十分程で着いた。ざっと見て人口百人程であるようだった。私のような外見の生き物こそはいなかったが、純粋な人間に見える人、尻尾や耳など一部が獣の特徴を持っている人を確認出来た。
森の恵みを受けて暮らす村らしく、あちらこちらから木を切ったり削ったりする音がしている。
蜘蛛とか芋虫とか大っ嫌いな私は潅木の茂みに隠れる勇気は到底なく、チキンな私は隠蔽魔法をかけた上、木の陰に隠れて村を偵察する。
隠蔽魔法は効いてると思うけど、他者から見えないっていうのが客観的に分からないから。後、自分は毛むくじゃら生物なので蚤とか付きやすいだろうから茂みに隠れたくなかったのだ。
風魔法を使って人の話している声を聞くと、日本語の発音ではなかった。
会話の意味が知りたいと魔力を込めると今度は理解できる。耳に入る音は異世界語のままだが、意味は日本語として頭の中に浮かんでくる感じ。
通訳魔法は効くらしい。
文字は…多分読めないだろうが、翻訳魔法が効く事を祈るばかりである。
さて、どうするか。
人を見て、優しそうな人だったら可愛さをアピールしてごはんをねだるのはいい。
訴えるのは男はダメ。男の可愛いっていうのは大概性的アピールも入っているそれだから、私みたいな外見のにゃんこを可愛いと思ってくれる確率は女のそれより低い。
うん、やっぱり女の人。女の子。
女はぬいぐるみとか好きだから私の外見を保護するべきものとして見てくれるだろう。
結論、ごはんや宿をねだるのは人のよさそうな優しそうな女の人! これに限る。村人に保護してもらうのはどうだろう? あ、でも権力者に逆らえなさそうだからそこが心配。
旅人か冒険者みたいな放浪する人たちなら、その土地に執着はないだろうから何かあっても出て行くという選択が可能だ。
そんなことを考えながら観察を続けていると、明らかに村人ではない、旅人か冒険者っぽい物々しい装備の人が目に入った。
彼らは総勢四名。
一人目は茶色の鎧とマントを着て片手剣と盾を持っている剣士っぽい男。金髪に青い瞳、物語に出てきそうなタイプ。日焼けした小麦色の肌、がっしりとした体つき、精悍な顔立ちでなかなか整った造作をしている。
二人目は杖を持って黒に近い茶色のローブとマントを纏っているひょろりとした魔術師っぽい人。顔はローブのフードで隠されているので分からないが、背丈からすると男か。
三人目は全身白い服を着て、黒い髪を結い上げた明るい茶色の瞳の女性。造作はまあまあというところか。それでもどこか美しく感じる人。何がと聞かれたら、その人全体のかもし出す雰囲気が綺麗というか、そんな感じ。第一印象は、まんまどこかの神官っぽい人。
四人目は深緑の服を着て大きくて優雅な造りの白銀の弓矢を持っている、耳の先が尖っている女性だった。こちらは美人過ぎる程美人である。金髪にアーモンドのような切れ長の緑の瞳、お人形のような美貌。特徴からすればまんま妖精種族。ちょっと冷たそうな雰囲気。こっちはとっつきにくい感じ。私の可愛さも通用しなさそう。ちなみに四人の中で一番目立っているのは彼女だった。
剣士、魔術師、神官、弓使い――うん、旅人じゃないな、これはどちらかと言えば冒険者だな。
ターゲットにするなら、断然神官っぽいお姉さん一択で。
と、思っていたら、エルフの人がすばやく弓を番えたかと思うとこちらに打って来た。
弓を番えるのを見た刹那、良くぞ顔を引っ込められたと思う。
歴戦の冒険者怖ぇぇぇ―――!!!!
「出てきなさい――そこに居るのは分かってるわ!」
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