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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【2】
アルコルというその星は実は見えない方が死亡フラグ。
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ラドの正体を知ってしまった以上は、場所を変えた方が良いだろう。
喫茶室はママンが使っているとのことなので、適当な客間を用意させる。
そこでラドが述べた希望は、(実はラドの異母姉である)リュシー様と話したいのでその仲介とセッティングをして欲しいとのことだった。
密談が終わった後は、夫婦でラドを丁重にお見送り。
さてリュシー様にどう切り出そうかと考えていると。
「ぶべら!」
「マリー、僕に何か言うことは無いかな? ん?」
私は思わず世紀末に生きるならず者のような悲鳴を上げた。
凄みのある笑顔のグレイの手が、私の頬を思い切り引っ掴んでいたのである。
頬が中央に寄せられ唇が縦に圧縮され――頬にめり込んだグレイの指の圧が痛い痛い痛い!
そこ、マリーちゃんのデリケートな秘孔がっっ!
「あだだっ! ごめんなひゃい、ごめんなひゃい!」
余りの痛さに私は秒で降参した。両腕でグレイの手を引き離す。
こいつ……だんだん私への扱いが父サイモンに似てきているような。
前脚と後ろ脚が慌てた様子でグレイに抗議しだしたが、サリーナが無情にも「今回はマリー様が悪いわ。そうやって甘やかすのはマリー様ご自身の為にもならないと殿にも言われたでしょう貴方達」と冷たい視線を向けている。
「少しずつでもマリーのそういうところ直していかないといけないから僕は引かないからね、二人共。
で、マリー? 分かった時点で僕、いや僕らの誰かでも良いから伝えるべきだったよね。マリーの能力なら、出来たよねぇぇ~!?」
グレイが眉を逆立てて怒っているのはあれだ。
最後、ラドが緊張した様子で聖女がどれだけ自分の事を知っているのか~みたいな事を訊いてきたのだ。
「うぅ……酷いわグレイ。だって、あんなこと訊かれたら、聖女として期待に応えない訳にはいかないじゃない!」
途中まで同席していたイサークが退席してしまっていたこともあり、サービス精神旺盛な私はラドの正体を淑女の礼をして厳かに告げてやったのである。
ラドがあんな質問さえしなければ……くっ。
「後でちゃんとそれについて話すつもりだったんだから!」
結果的に、不意打ち爆撃のような形になってしまったが、断じて私の本意ではない。
前脚と後ろ脚はサリーナに、私はグレイに叱られ。それぞれ私を甘やかさないこと、分かった時点ですぐさま情報共有を約束させられた。
あれ? 中脚の姿が何時の間にか消えている。え、既に父サイモンへ報告に走りました?
ちょ……私、更に怒られるの!?
ああ、心の中に見えたら死の兆しであるという星が見……
「妻を叱るのは夫である僕の役目だからね。反省してくれたなら、後でそうならないようにとりなしておくよ……はぁ。
それから、頼まれた事をリュサイ様に話すときは、僕も同席するよ、いいね!」
……えかけたけど一瞬で助かったああああ!
「うわーん、グレイありがとう! 反省してるし、今度からちゃんと気を付けるからね!」
…等とグレイに抱き着いてキスしまくって喜んでいると。
どこからか咳払いの音がして――顔を一瞬で真っ赤にしたグレイに私は引っ剥がされた。
視線を巡らせると、少し離れた場所でリュシー様達が気まずそうに頬を赤らめている。
「あら、おほほほほ! お見苦しいところをお見せしましたわね」
「いえ、夫婦仲が宜しいのは良い事ですから……ところでマリー様、お時間を頂く事は可能でしょうか? 少し、お話ししたいことが……」
その言葉に私達は思わず顔を見合わせる。
寧ろこちらから頼もうと思っていたところだ。「勿論構いませんわ」と頷いた。
喫茶室はママンが使っているとのことなので、適当な客間を用意させる。
そこでラドが述べた希望は、(実はラドの異母姉である)リュシー様と話したいのでその仲介とセッティングをして欲しいとのことだった。
密談が終わった後は、夫婦でラドを丁重にお見送り。
さてリュシー様にどう切り出そうかと考えていると。
「ぶべら!」
「マリー、僕に何か言うことは無いかな? ん?」
私は思わず世紀末に生きるならず者のような悲鳴を上げた。
凄みのある笑顔のグレイの手が、私の頬を思い切り引っ掴んでいたのである。
頬が中央に寄せられ唇が縦に圧縮され――頬にめり込んだグレイの指の圧が痛い痛い痛い!
そこ、マリーちゃんのデリケートな秘孔がっっ!
「あだだっ! ごめんなひゃい、ごめんなひゃい!」
余りの痛さに私は秒で降参した。両腕でグレイの手を引き離す。
こいつ……だんだん私への扱いが父サイモンに似てきているような。
前脚と後ろ脚が慌てた様子でグレイに抗議しだしたが、サリーナが無情にも「今回はマリー様が悪いわ。そうやって甘やかすのはマリー様ご自身の為にもならないと殿にも言われたでしょう貴方達」と冷たい視線を向けている。
「少しずつでもマリーのそういうところ直していかないといけないから僕は引かないからね、二人共。
で、マリー? 分かった時点で僕、いや僕らの誰かでも良いから伝えるべきだったよね。マリーの能力なら、出来たよねぇぇ~!?」
グレイが眉を逆立てて怒っているのはあれだ。
最後、ラドが緊張した様子で聖女がどれだけ自分の事を知っているのか~みたいな事を訊いてきたのだ。
「うぅ……酷いわグレイ。だって、あんなこと訊かれたら、聖女として期待に応えない訳にはいかないじゃない!」
途中まで同席していたイサークが退席してしまっていたこともあり、サービス精神旺盛な私はラドの正体を淑女の礼をして厳かに告げてやったのである。
ラドがあんな質問さえしなければ……くっ。
「後でちゃんとそれについて話すつもりだったんだから!」
結果的に、不意打ち爆撃のような形になってしまったが、断じて私の本意ではない。
前脚と後ろ脚はサリーナに、私はグレイに叱られ。それぞれ私を甘やかさないこと、分かった時点ですぐさま情報共有を約束させられた。
あれ? 中脚の姿が何時の間にか消えている。え、既に父サイモンへ報告に走りました?
ちょ……私、更に怒られるの!?
ああ、心の中に見えたら死の兆しであるという星が見……
「妻を叱るのは夫である僕の役目だからね。反省してくれたなら、後でそうならないようにとりなしておくよ……はぁ。
それから、頼まれた事をリュサイ様に話すときは、僕も同席するよ、いいね!」
……えかけたけど一瞬で助かったああああ!
「うわーん、グレイありがとう! 反省してるし、今度からちゃんと気を付けるからね!」
…等とグレイに抱き着いてキスしまくって喜んでいると。
どこからか咳払いの音がして――顔を一瞬で真っ赤にしたグレイに私は引っ剥がされた。
視線を巡らせると、少し離れた場所でリュシー様達が気まずそうに頬を赤らめている。
「あら、おほほほほ! お見苦しいところをお見せしましたわね」
「いえ、夫婦仲が宜しいのは良い事ですから……ところでマリー様、お時間を頂く事は可能でしょうか? 少し、お話ししたいことが……」
その言葉に私達は思わず顔を見合わせる。
寧ろこちらから頼もうと思っていたところだ。「勿論構いませんわ」と頷いた。
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