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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【2】
グレイ・ダージリン(148)
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エスパーニャの枢機卿ミゲル・バレンシアが辿り着いた時、その村々では病と死、飢えが蔓延していた。
家の窓や扉は、姿の見えぬ大きな鎌を持った骸骨の死神を恐れるかの様にすべて閉じられ、外では打ち捨てられた死体があちらこちらにあり、生き物の鳴き声以外ただただ不気味な静寂が支配していた。
唯一人の出入りのある小さな修道院にミゲル一行は向かったが、そこの聖職者達で残っているのは病に倒れた者だけ。他は病で儚くなった、もしくは逃げ出すかしたという。
今や死を待つ家と化した修道院では、かつて疱瘡を病んだ事のある僅かな者達が、決死隊の如く病人達の面倒を看ていた。
しかし病人が一人また一人と増える中、人手も足りなくなる有り様である。
そんな中現れ助力を申し出たミゲル達は、さながら古の英雄の如く迎えられた。
「うぅ……死にたくねぇよ、死にたくねぇ」
その家で患者達の治療に当たるミゲルは、目の前の出来物だらけで呻き苦しむ病人を痛ましい思いで見詰めている。
「……何故、こうなる前に神の刻印を受けなかったのです。病になってからでは神の刻印も意味を為さない、と聖女様は仰せになりました。せめて、健康な内に受けていれば……」
罪人は死ねば、罪の大きさに比例して太陽神の怒りの業火に魂を焼かれ浄化の苦しみを受ける羽目になるという。
あちこちで上がる、病人の嘆き。
既に何十人も天に召されてしまっている。『あんなこと』については分かっていた。
既に亡くなった者達の内の一人が、死ぬ間際にこの世の罪の許しを贖う為に涙を流しながら告白、懺悔したからだ。
呪われた民カナールに疫病の原因を擦り付ける為に病人を山に追い立てたのだ、と。
「神様、お許しを。罰が当たったんだ、あんなことをした上、聖女様を信じなかったから。カナールの奴らは聖女様に救われて、俺はこのザマで……」
喘ぐ病人の男の目は後悔の涙で潤んでいた。
「……母ちゃんも、嫁のリタも、皆死んじまった……娘の、娘のフリダは……」
「安心なさい。娘御には神の刻印を施しています。彼女は神のご加護で無事ですよ」
病魔に冒されていない者達に対しては、既に刻印を施している。昨日で丁度七日、刻印が完成している筈だ。
「良かった……神様、聖女様、坊様、感謝致します! あの子はおら達の罪を背負わずに済んだんだ……」
男が天井の一点を見つめて感謝の声を上げたその時――扉からガヤガヤと生き残った村人達が入って来た。各々看病の為の道具を手に持ち、それぞれの家族の元へ近寄っている。家族全員を失った者にも、手の空いている顔見知りと思われる村人が近付いている。
ミゲルの目の前の病人には、年の頃十一、二程と思われる少女が駆け寄って来ていた。
「父ちゃん!」
「フリダッ、ダメだ、病がうつっちまう……!」
フリダと呼ばれた娘を気力を振り絞るように押しのけ、早く連れて行ってくれとこちらに懇願の眼差しを向ける男。
それを見下ろし、ミゲルは微笑んで厳かに告げた。
「貴方もまだ生きています、テオ。貴方を含む、今生きている方々を救う為に太陽神が、聖女様が、私達を遣わしたのです。
貴方が罪というならば、それを抱えたまま生きなさい、それが神のご意志です。貴方にはまだやるべき事があるでしょう!」
「坊様の言う通りだよ、父ちゃん! 死なないで! フリダを一人にしないでよぉ!」
「フ、フリダ……」
フリダは泣きながら、父親の疱瘡だらけの顔にキスを落とす――テオの目に光が戻った。
***
朝起きて、未だ眠る妻の寝顔を見る。
朝日の中、白く浮かび上がる陶器の如く滑らかな肌、黄金に光る滑らかな髪。
健やかな寝息を立てる美しい彼女をこうして眺める事が出来るのは、夫たる僕だけの特権だと思う。
……少し悪戯してみようか。
ふとそんな考えが過り、試しに鼻を摘まんでみようと手を伸ばしかけた瞬間。
「それはどういう、ちょっと待っ……」
間髪入れず僕の顎に彼女の掌が勢いよくぶつけられ、僕は蛙の潰れたような声を上げた。幸い舌は噛まなかったけど、かなり痛い……。
酷いよ、と抗議するも、マリーは起きたばかりな為かぽかんとしてこちらを見ているだけだ。
その後事態を把握した彼女から謝罪は受けたものの、顎の痛みは暫く治らなかった、とほほ。
――全く、えらい目に遭った。
顎を時折擦りながら摂る朝食の席。
サイモン様やティヴィーナ様達は、イドゥリースやスレイマンの通訳を介してアヤスラニ皇帝イブラヒーム一行と和やかに会話をしている。
時折特使一行達の会話に混じりながらちらりと隣に座るマリーの様子を窺うと、カレル様の恐ろしい笑顔をずっと向けられていた。
本人曰く、以前途中で取り上げられて心残りだったからほとぼりが冷めた頃に再挑戦、ということらしいけど。まあ、自業自得だよね。
それよりも――
「それにしても、リシィ様がこちらのお屋敷に滞在なさるなんて、急なお話で驚きましたわ」
食事の間中ずっと、物問いた気にしていた女王リュサイが切り出した。皇女の席がカレル様の隣で在ることも気になっているようだ。
「うふふ、リュシー様を驚かせたくて黙っておりましたのよ。実はトラス王国貴族の文化を学ぶ為に聖女様にお願いしておりましたの。
ここには聖女様もリュシー様もいらっしゃいますし、何より貴婦人の鑑たるティヴィーナ夫人に学べば間違いない、と評判でしたから」
口裏を合わせた通りに答える皇女エリーザベト。そこへマリーが身を乗り出す。
「喫茶の習慣は母が始めたものなんですの。リシィ様は神聖アレマニア帝国でも広めたい、と。
ああそうですわ、カレル兄様! リシィ様はこの屋敷にいらしたばかりで不慣れでいらっしゃるのだから、今日はカレル兄様がエスコートして色々と案内して差し上げて下さいまし!」
しかしカレル様はそんなマリーを一瞥すると、綺麗な笑顔で隣に向き直った。
「……殿下、私にエスコートする栄誉を頂けますか?」
「は、はい! 喜んで……」
頬を染める皇女エリーザベト。女王リュサイが一瞬顔を歪めたように見えた。
「リシィ様、ご案内でしたら私もそれなりに出来ますわ! 時間ならたっぷりありますもの!」
二人の女性の板挟み状態になったカレル様はにこやかに会話に応じているけれど、ふとした瞬間困った表情を見せるので、内心頭を抱えているのだろうな。
うーん……牽制し合っているなぁ。
一国の皇女と女王が一人の男を巡って争う。
度々カレル様から目線で救援要請が飛んで来るけれども、僕の力でどうにか出来る状況でもない。
会話に口を挟む頼りない援護射撃を時折しつつ、食事を続けていると。
「私暫く逃げ回るから」
不意に耳朶を打つ囁き声。
僕が振り返った時にはもう、そそくさと逃げるように食堂を出て行くマリーの後ろ姿が。
……そんな事をしても無駄だと思うけどなぁ。
ちら、とカレル様に視線を戻す。
マリーが僕の隣に居ないのに気付くと、笑顔を崩さぬまますぅっと目を細めた。
「邸内のご案内が終わってからになりますが――今度我が家の庭もご案内しましょう。
自然を残している区画もあり、そこではちょっとした狩りの訓練をする事もあるのですよ。獲物を効率的に追い詰める練習ですね。
勿論本格的なものではなく。獲物をわざと放して生け捕りに――敢えて手加減をするのです」
「まあ、手加減を?」
「何故なんですの?」
首を傾げる皇女エリーザベトと女王リュサイ。
「追跡と、逃げる気力を奪う訓練をする為です。それに、簡単に狩りの獲物が捕まっては面白くないですしね――グレイもそう思うだろう?」
言って、カレル様はぞくりとする笑みを浮かべる。
ひっ、ひぃぃぃ――!
僕は内心悲鳴を上げた。
果たしてマリーはカレル様から逃げ切れ――
「『うん? 走っているのは――聖女か? 追いかけているのは……聖女の兄君のように見えるが』」
――ないだろうな。
家の窓や扉は、姿の見えぬ大きな鎌を持った骸骨の死神を恐れるかの様にすべて閉じられ、外では打ち捨てられた死体があちらこちらにあり、生き物の鳴き声以外ただただ不気味な静寂が支配していた。
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今や死を待つ家と化した修道院では、かつて疱瘡を病んだ事のある僅かな者達が、決死隊の如く病人達の面倒を看ていた。
しかし病人が一人また一人と増える中、人手も足りなくなる有り様である。
そんな中現れ助力を申し出たミゲル達は、さながら古の英雄の如く迎えられた。
「うぅ……死にたくねぇよ、死にたくねぇ」
その家で患者達の治療に当たるミゲルは、目の前の出来物だらけで呻き苦しむ病人を痛ましい思いで見詰めている。
「……何故、こうなる前に神の刻印を受けなかったのです。病になってからでは神の刻印も意味を為さない、と聖女様は仰せになりました。せめて、健康な内に受けていれば……」
罪人は死ねば、罪の大きさに比例して太陽神の怒りの業火に魂を焼かれ浄化の苦しみを受ける羽目になるという。
あちこちで上がる、病人の嘆き。
既に何十人も天に召されてしまっている。『あんなこと』については分かっていた。
既に亡くなった者達の内の一人が、死ぬ間際にこの世の罪の許しを贖う為に涙を流しながら告白、懺悔したからだ。
呪われた民カナールに疫病の原因を擦り付ける為に病人を山に追い立てたのだ、と。
「神様、お許しを。罰が当たったんだ、あんなことをした上、聖女様を信じなかったから。カナールの奴らは聖女様に救われて、俺はこのザマで……」
喘ぐ病人の男の目は後悔の涙で潤んでいた。
「……母ちゃんも、嫁のリタも、皆死んじまった……娘の、娘のフリダは……」
「安心なさい。娘御には神の刻印を施しています。彼女は神のご加護で無事ですよ」
病魔に冒されていない者達に対しては、既に刻印を施している。昨日で丁度七日、刻印が完成している筈だ。
「良かった……神様、聖女様、坊様、感謝致します! あの子はおら達の罪を背負わずに済んだんだ……」
男が天井の一点を見つめて感謝の声を上げたその時――扉からガヤガヤと生き残った村人達が入って来た。各々看病の為の道具を手に持ち、それぞれの家族の元へ近寄っている。家族全員を失った者にも、手の空いている顔見知りと思われる村人が近付いている。
ミゲルの目の前の病人には、年の頃十一、二程と思われる少女が駆け寄って来ていた。
「父ちゃん!」
「フリダッ、ダメだ、病がうつっちまう……!」
フリダと呼ばれた娘を気力を振り絞るように押しのけ、早く連れて行ってくれとこちらに懇願の眼差しを向ける男。
それを見下ろし、ミゲルは微笑んで厳かに告げた。
「貴方もまだ生きています、テオ。貴方を含む、今生きている方々を救う為に太陽神が、聖女様が、私達を遣わしたのです。
貴方が罪というならば、それを抱えたまま生きなさい、それが神のご意志です。貴方にはまだやるべき事があるでしょう!」
「坊様の言う通りだよ、父ちゃん! 死なないで! フリダを一人にしないでよぉ!」
「フ、フリダ……」
フリダは泣きながら、父親の疱瘡だらけの顔にキスを落とす――テオの目に光が戻った。
***
朝起きて、未だ眠る妻の寝顔を見る。
朝日の中、白く浮かび上がる陶器の如く滑らかな肌、黄金に光る滑らかな髪。
健やかな寝息を立てる美しい彼女をこうして眺める事が出来るのは、夫たる僕だけの特権だと思う。
……少し悪戯してみようか。
ふとそんな考えが過り、試しに鼻を摘まんでみようと手を伸ばしかけた瞬間。
「それはどういう、ちょっと待っ……」
間髪入れず僕の顎に彼女の掌が勢いよくぶつけられ、僕は蛙の潰れたような声を上げた。幸い舌は噛まなかったけど、かなり痛い……。
酷いよ、と抗議するも、マリーは起きたばかりな為かぽかんとしてこちらを見ているだけだ。
その後事態を把握した彼女から謝罪は受けたものの、顎の痛みは暫く治らなかった、とほほ。
――全く、えらい目に遭った。
顎を時折擦りながら摂る朝食の席。
サイモン様やティヴィーナ様達は、イドゥリースやスレイマンの通訳を介してアヤスラニ皇帝イブラヒーム一行と和やかに会話をしている。
時折特使一行達の会話に混じりながらちらりと隣に座るマリーの様子を窺うと、カレル様の恐ろしい笑顔をずっと向けられていた。
本人曰く、以前途中で取り上げられて心残りだったからほとぼりが冷めた頃に再挑戦、ということらしいけど。まあ、自業自得だよね。
それよりも――
「それにしても、リシィ様がこちらのお屋敷に滞在なさるなんて、急なお話で驚きましたわ」
食事の間中ずっと、物問いた気にしていた女王リュサイが切り出した。皇女の席がカレル様の隣で在ることも気になっているようだ。
「うふふ、リュシー様を驚かせたくて黙っておりましたのよ。実はトラス王国貴族の文化を学ぶ為に聖女様にお願いしておりましたの。
ここには聖女様もリュシー様もいらっしゃいますし、何より貴婦人の鑑たるティヴィーナ夫人に学べば間違いない、と評判でしたから」
口裏を合わせた通りに答える皇女エリーザベト。そこへマリーが身を乗り出す。
「喫茶の習慣は母が始めたものなんですの。リシィ様は神聖アレマニア帝国でも広めたい、と。
ああそうですわ、カレル兄様! リシィ様はこの屋敷にいらしたばかりで不慣れでいらっしゃるのだから、今日はカレル兄様がエスコートして色々と案内して差し上げて下さいまし!」
しかしカレル様はそんなマリーを一瞥すると、綺麗な笑顔で隣に向き直った。
「……殿下、私にエスコートする栄誉を頂けますか?」
「は、はい! 喜んで……」
頬を染める皇女エリーザベト。女王リュサイが一瞬顔を歪めたように見えた。
「リシィ様、ご案内でしたら私もそれなりに出来ますわ! 時間ならたっぷりありますもの!」
二人の女性の板挟み状態になったカレル様はにこやかに会話に応じているけれど、ふとした瞬間困った表情を見せるので、内心頭を抱えているのだろうな。
うーん……牽制し合っているなぁ。
一国の皇女と女王が一人の男を巡って争う。
度々カレル様から目線で救援要請が飛んで来るけれども、僕の力でどうにか出来る状況でもない。
会話に口を挟む頼りない援護射撃を時折しつつ、食事を続けていると。
「私暫く逃げ回るから」
不意に耳朶を打つ囁き声。
僕が振り返った時にはもう、そそくさと逃げるように食堂を出て行くマリーの後ろ姿が。
……そんな事をしても無駄だと思うけどなぁ。
ちら、とカレル様に視線を戻す。
マリーが僕の隣に居ないのに気付くと、笑顔を崩さぬまますぅっと目を細めた。
「邸内のご案内が終わってからになりますが――今度我が家の庭もご案内しましょう。
自然を残している区画もあり、そこではちょっとした狩りの訓練をする事もあるのですよ。獲物を効率的に追い詰める練習ですね。
勿論本格的なものではなく。獲物をわざと放して生け捕りに――敢えて手加減をするのです」
「まあ、手加減を?」
「何故なんですの?」
首を傾げる皇女エリーザベトと女王リュサイ。
「追跡と、逃げる気力を奪う訓練をする為です。それに、簡単に狩りの獲物が捕まっては面白くないですしね――グレイもそう思うだろう?」
言って、カレル様はぞくりとする笑みを浮かべる。
ひっ、ひぃぃぃ――!
僕は内心悲鳴を上げた。
果たしてマリーはカレル様から逃げ切れ――
「『うん? 走っているのは――聖女か? 追いかけているのは……聖女の兄君のように見えるが』」
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