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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【2】
第二王子ジェレミー③
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第一王子派、第二王子派、そして中立派。
年を追う毎に宮廷勢力が明確になってきている。
第一王子派と第二王子派の勢力はほぼ拮抗状態。自然、双方は王位継承争いに沈黙を守る中立派を如何に取り込むか画策するようになった。
だが、その中立派筆頭の貴族サイモン・キャンディ伯爵は、身分こそは伯爵だが、領地に銀山を持つ王国一二を争う裕福さである。
普通ならば我先に争い、何が何でも自陣営に引き込もうとする筈だが、貴族達は揃って二の足を踏んでいた。
筆頭であり要であるキャンディ伯爵自身の守りは勿論、他の中立派貴族の結束も非常に固く取り入る隙が無い。
それ以上に、キャンディ伯爵には常に黒い噂が付きまとっていた。
やれ王都の闇を牛耳っているだの、ある貴族が不興を買って粛清されただの。
サイモン・キャンディ伯爵にはジェレミーも面識があったが、伯父ドルトン侯爵以上に迫力と威厳があって近寄りがたいという印象だった。
第二王子派貴族に伯父のお気に入りでムーランス伯爵という人物がいるが、存在感がまるで違う。
その鋭利に研がれた刃を思わせるキャンディ伯爵の有り様は、本当に伯爵なのかと疑った程である。
ジェレミーが偶然耳にした噂では、さる貴族が勇気を出してしつこく自陣営へ味方して欲しいと持ち掛けたところ、その蜜色の瞳でじろりと睨まれ、本人以外誰も知らない筈の秘密を意味ありげに仄めかされたのだそう。
その話が真実かどうかは定かではないが、他にもキャンディ伯爵家の屋敷近くで不審死体を見た者がいるとか、キャンディ伯爵が始めた王都の美化を目的とした下肥製造では人間の死体も混ぜ込まれて肥料にされているのだとか、真偽不明の恐ろしい話が飛び交っている。
――キャンディ伯爵は、王国貴族達の秘密や後ろ暗い事情に精通している。下手に手を出そうとするものなら、痛い目を見るだろう。
次第に、貴族達の中でそんな暗黙の了解が広まって行った。
結果、安易に中立派を取り込もうとする動きが鈍り、中立派は常に独立して王位継承争いを静観していた。
良くも悪くも、中立派の独立でトラス王国の権力バランスは保たれていたのである。
***
表向き、中立派へ対する目立った働きかけが鳴りを潜めているだけで、それぞれの王子派閥同士の争い自体は激化していた。
挙句の果てには裏に表に争い合い、王の御前であってもどちらがより王に相応しいかを口論。時に政務が滞る程に足の引っ張り合いが絶えないでいる。
事態を重く見た宰相スキアー公爵が、どちらの王子を王太子にするのかとオディロン王に訊ねたところ、「来年末までに、王国の発展により貢献した王子を王太子とする」と表明。
その判断基準は、中立派貴族に調査させた民の声と決められた。
――如何に王国民の支持を得るか。
目標が明確になったところで、貴族達は真面目に政務に取り組むようになったかに見えた。
そうこうしている内、中立派のキャンディ伯爵家に僅かな動きが見られる。
ウィッタード公爵家の令息ザインが、キャンディ伯爵家の長女アン姫と婚約したのである。
それまでは良かったのだが続きがあった。
実は、アルバート王子がザインと親し気に話したり、ウィッタード公爵家に足繁く通ったりし始めたのだという。
ウィッタード公爵家はこれまで派閥争いには表立って参加してはいなかったが、ここにきて令息ザインは第一王子派であると目され始めているようになった。
このままウィッタード公爵家が第一王子派につけば、第二王子派は不利になるだろう。
その事を耳にした母サブリナ王妃は、扇を開いたり閉じたり落ち着き無く室内を歩き回った。
「うぬぬ、思わぬ伏兵じゃったわ。ほんに回りくどい事。そういう手に出るとは!」
「恐れながら、ザイン公爵令息はジェレミー殿下に取っても従兄弟。スキアー公爵家にはドルトン侯爵家の姫が嫁がれておりますし、決定的に第一王子派が有利になったとは限らぬと愚考致します、王妃殿下」
第二王子を次代の王にする事に熱心で忠実なムーランス伯爵が意見を述べる。
伯父ドルトン侯爵は目を掛けていたが、個人的にジェレミーはムーランス伯爵の事があまり好きではなかった。熱心で忠実と言えば聞こえが良いが、ムーランス伯爵は何かとキャンディ伯爵を目の仇にており、娘のエリザベル姫をジェレミーの妃にと考えている節がある。
というのも、夜会に出る度にジェレミーはエリザベル姫にしつこく付きまとわれており、辟易していた。
「うむ。それに、もうじき一つの伯爵家が第二王子派に加わる予定だ。あの小者はよく働く。実に良い拾い物をした」
伯父ドルトン侯爵が頷いて同意を示す。ジェレミーは僅かに眉を顰めた。
小者、というのが誰を指すのか分からないなりに、伯父が何か後ろ暗い事をしているのだろうという事位は分かる。伯父の言葉に、母サブリナはしかし、溜息を吐いた。
「だとしても、油断は禁物じゃ。この後、アルバートはどう動くか。もしや、アン姫の伝手で何かと理由を付けてキャンディ伯爵家へ行く機会を作り、いずれかの妹姫を見初めようとしておるのでは?」
「流石は王妃殿下、あり得ますな。ザイン公爵令息の友人としてキャンディ伯爵家へ行く事は何ら不自然ではありません」
「ならばどうするか……」
ジェレミーは黙って成り行きを見守る。基本的に母や伯父の言うなりで、こうした場で意見を述べた事はあまりない。
その方が母も伯父も、第二王子派貴族も油断するからだ。それはジェレミーなりの処世術だった。
「そうだ、良い策がある。アルバート王子がキャンディ伯爵家に気を取られている隙に、婚約者として無視出来ぬ身分の姫を用意し宛がっては如何か? 丁度、ガリア王国のピロス公爵令嬢が我が国に来たいという申し出があった筈」
確かにそういう話は出ていた、とジェレミーは記憶を辿った。
正式なものではなく、文化交流に見せかけた遠まわしな縁談だ。伯父の言葉に母は目を輝かせた。
「おお、妙案じゃ! 上手くすればアルバートをガリアにやってしまう事も出来る! ピロス公爵令嬢を招いてアルバートに相手をさせればおいそれとキャンディ伯爵家に行く事は叶うまい」
そうしてガリア王国からピロス公爵令嬢メテオーラ姫が招かれた。
母サブリナの目論見通り、兄王子アルバートがその対応を任されるように仕向けられる。
ジェレミーは兄王子の代わりに自分が彼女と婚約してガリア王国に行けないものだろうかと考え、話しかけてみたが、賢く勝気な年上の女性であるメテオーラ姫とはいまいち反りが合わず断念した。
そもそも、少年の域を脱しておらず中性的な美貌のジェレミーは、彼女に異性として認識されていなかったのだ。
だが、兄王子アルバートもメテオーラ姫の応対をザイン公爵令息と共に行うことで母達の狙いを回避。謀は宙ぶらりんの状態となっていた。
「それで、我が娘とジェレミー殿下を?」
そんなある日、ジェレミーはキャンディ伯爵の値踏みするような視線に晒される。
母サブリナ王妃がキャンディ伯爵を呼び出し、ジェレミーと娘との縁談を持ち掛けたのだ。
キャンディ伯爵はジェレミーから目を逸らしてふっと鼻で笑うと、「再三のお申し出は大変有難いのですが、二番目の娘は年が釣り合いませんし、四番目は幼過ぎます。残るは三番目ですが、生憎病弱にて社交界にさえ出れぬ娘。とてもジェレミー殿下の婚約者としては務まりますまい」とバッサリと拒絶。
キャンディ伯爵家の二番目と三番目の姫二人がルフナー子爵家の令息兄弟二人と婚約したという話が聞こえて来たのは、それから程無くしてのことだった。
「サイモンめ、ジェレミーの何が不満なのじゃ! ルフナー子爵家など、卑しい成り上がりではないか!」
母サブリナは激昂して周囲に当たり散らし、再度キャンディ伯爵を呼び出し問い質す。
だが、キャンディ伯爵は顔色一つ変えず「そうは仰られましても、娘は二人共王子妃の器ではなく、既に顔合わせも済ませ国王陛下より婚姻許可を頂いております」と言ってのけた。
「未来のトラス王国の為にも、王子妃として侯爵家以上の家格の賢姫を選ばれる事をお勧めします」
そう言って去っていくキャンディ伯爵。国王の許可が下されてしまえば、母サブリナ王妃とてどうしようもない。
結果的にキャンディ伯爵家の姫達が幼い一人を残して全て婚約してしまったので、縁談による中立派貴族の取り込みはより難しくなってしまった。
「まあまあ。アルバート殿下もまた、キャンディ伯爵家の姫を娶る当てが外れたことでしょうな。後はメテオーラ姫と婚姻を結ばせ、ガリアにやってしまえば」
ドルトン侯爵の慰めの言葉に王妃サブリナは渋々納得した――筈だったのだが。
「あのバカ息子め。次期リプトン伯爵として折角お膳立てしてやったというのに、頭が痛い事だ」
渋面を作るドルトン侯爵。
悪い事は重なるもので、ドルトン侯爵家の息子メイソンが醜聞を作ったという知らせが飛び込んできたのだ。
何でも、ルフナー子爵令息長男とキャンディ伯爵家の二番目の姫アナベラに言いがかりを掛けたところをアルバート王子が助けたのだという。
年を追う毎に宮廷勢力が明確になってきている。
第一王子派と第二王子派の勢力はほぼ拮抗状態。自然、双方は王位継承争いに沈黙を守る中立派を如何に取り込むか画策するようになった。
だが、その中立派筆頭の貴族サイモン・キャンディ伯爵は、身分こそは伯爵だが、領地に銀山を持つ王国一二を争う裕福さである。
普通ならば我先に争い、何が何でも自陣営に引き込もうとする筈だが、貴族達は揃って二の足を踏んでいた。
筆頭であり要であるキャンディ伯爵自身の守りは勿論、他の中立派貴族の結束も非常に固く取り入る隙が無い。
それ以上に、キャンディ伯爵には常に黒い噂が付きまとっていた。
やれ王都の闇を牛耳っているだの、ある貴族が不興を買って粛清されただの。
サイモン・キャンディ伯爵にはジェレミーも面識があったが、伯父ドルトン侯爵以上に迫力と威厳があって近寄りがたいという印象だった。
第二王子派貴族に伯父のお気に入りでムーランス伯爵という人物がいるが、存在感がまるで違う。
その鋭利に研がれた刃を思わせるキャンディ伯爵の有り様は、本当に伯爵なのかと疑った程である。
ジェレミーが偶然耳にした噂では、さる貴族が勇気を出してしつこく自陣営へ味方して欲しいと持ち掛けたところ、その蜜色の瞳でじろりと睨まれ、本人以外誰も知らない筈の秘密を意味ありげに仄めかされたのだそう。
その話が真実かどうかは定かではないが、他にもキャンディ伯爵家の屋敷近くで不審死体を見た者がいるとか、キャンディ伯爵が始めた王都の美化を目的とした下肥製造では人間の死体も混ぜ込まれて肥料にされているのだとか、真偽不明の恐ろしい話が飛び交っている。
――キャンディ伯爵は、王国貴族達の秘密や後ろ暗い事情に精通している。下手に手を出そうとするものなら、痛い目を見るだろう。
次第に、貴族達の中でそんな暗黙の了解が広まって行った。
結果、安易に中立派を取り込もうとする動きが鈍り、中立派は常に独立して王位継承争いを静観していた。
良くも悪くも、中立派の独立でトラス王国の権力バランスは保たれていたのである。
***
表向き、中立派へ対する目立った働きかけが鳴りを潜めているだけで、それぞれの王子派閥同士の争い自体は激化していた。
挙句の果てには裏に表に争い合い、王の御前であってもどちらがより王に相応しいかを口論。時に政務が滞る程に足の引っ張り合いが絶えないでいる。
事態を重く見た宰相スキアー公爵が、どちらの王子を王太子にするのかとオディロン王に訊ねたところ、「来年末までに、王国の発展により貢献した王子を王太子とする」と表明。
その判断基準は、中立派貴族に調査させた民の声と決められた。
――如何に王国民の支持を得るか。
目標が明確になったところで、貴族達は真面目に政務に取り組むようになったかに見えた。
そうこうしている内、中立派のキャンディ伯爵家に僅かな動きが見られる。
ウィッタード公爵家の令息ザインが、キャンディ伯爵家の長女アン姫と婚約したのである。
それまでは良かったのだが続きがあった。
実は、アルバート王子がザインと親し気に話したり、ウィッタード公爵家に足繁く通ったりし始めたのだという。
ウィッタード公爵家はこれまで派閥争いには表立って参加してはいなかったが、ここにきて令息ザインは第一王子派であると目され始めているようになった。
このままウィッタード公爵家が第一王子派につけば、第二王子派は不利になるだろう。
その事を耳にした母サブリナ王妃は、扇を開いたり閉じたり落ち着き無く室内を歩き回った。
「うぬぬ、思わぬ伏兵じゃったわ。ほんに回りくどい事。そういう手に出るとは!」
「恐れながら、ザイン公爵令息はジェレミー殿下に取っても従兄弟。スキアー公爵家にはドルトン侯爵家の姫が嫁がれておりますし、決定的に第一王子派が有利になったとは限らぬと愚考致します、王妃殿下」
第二王子を次代の王にする事に熱心で忠実なムーランス伯爵が意見を述べる。
伯父ドルトン侯爵は目を掛けていたが、個人的にジェレミーはムーランス伯爵の事があまり好きではなかった。熱心で忠実と言えば聞こえが良いが、ムーランス伯爵は何かとキャンディ伯爵を目の仇にており、娘のエリザベル姫をジェレミーの妃にと考えている節がある。
というのも、夜会に出る度にジェレミーはエリザベル姫にしつこく付きまとわれており、辟易していた。
「うむ。それに、もうじき一つの伯爵家が第二王子派に加わる予定だ。あの小者はよく働く。実に良い拾い物をした」
伯父ドルトン侯爵が頷いて同意を示す。ジェレミーは僅かに眉を顰めた。
小者、というのが誰を指すのか分からないなりに、伯父が何か後ろ暗い事をしているのだろうという事位は分かる。伯父の言葉に、母サブリナはしかし、溜息を吐いた。
「だとしても、油断は禁物じゃ。この後、アルバートはどう動くか。もしや、アン姫の伝手で何かと理由を付けてキャンディ伯爵家へ行く機会を作り、いずれかの妹姫を見初めようとしておるのでは?」
「流石は王妃殿下、あり得ますな。ザイン公爵令息の友人としてキャンディ伯爵家へ行く事は何ら不自然ではありません」
「ならばどうするか……」
ジェレミーは黙って成り行きを見守る。基本的に母や伯父の言うなりで、こうした場で意見を述べた事はあまりない。
その方が母も伯父も、第二王子派貴族も油断するからだ。それはジェレミーなりの処世術だった。
「そうだ、良い策がある。アルバート王子がキャンディ伯爵家に気を取られている隙に、婚約者として無視出来ぬ身分の姫を用意し宛がっては如何か? 丁度、ガリア王国のピロス公爵令嬢が我が国に来たいという申し出があった筈」
確かにそういう話は出ていた、とジェレミーは記憶を辿った。
正式なものではなく、文化交流に見せかけた遠まわしな縁談だ。伯父の言葉に母は目を輝かせた。
「おお、妙案じゃ! 上手くすればアルバートをガリアにやってしまう事も出来る! ピロス公爵令嬢を招いてアルバートに相手をさせればおいそれとキャンディ伯爵家に行く事は叶うまい」
そうしてガリア王国からピロス公爵令嬢メテオーラ姫が招かれた。
母サブリナの目論見通り、兄王子アルバートがその対応を任されるように仕向けられる。
ジェレミーは兄王子の代わりに自分が彼女と婚約してガリア王国に行けないものだろうかと考え、話しかけてみたが、賢く勝気な年上の女性であるメテオーラ姫とはいまいち反りが合わず断念した。
そもそも、少年の域を脱しておらず中性的な美貌のジェレミーは、彼女に異性として認識されていなかったのだ。
だが、兄王子アルバートもメテオーラ姫の応対をザイン公爵令息と共に行うことで母達の狙いを回避。謀は宙ぶらりんの状態となっていた。
「それで、我が娘とジェレミー殿下を?」
そんなある日、ジェレミーはキャンディ伯爵の値踏みするような視線に晒される。
母サブリナ王妃がキャンディ伯爵を呼び出し、ジェレミーと娘との縁談を持ち掛けたのだ。
キャンディ伯爵はジェレミーから目を逸らしてふっと鼻で笑うと、「再三のお申し出は大変有難いのですが、二番目の娘は年が釣り合いませんし、四番目は幼過ぎます。残るは三番目ですが、生憎病弱にて社交界にさえ出れぬ娘。とてもジェレミー殿下の婚約者としては務まりますまい」とバッサリと拒絶。
キャンディ伯爵家の二番目と三番目の姫二人がルフナー子爵家の令息兄弟二人と婚約したという話が聞こえて来たのは、それから程無くしてのことだった。
「サイモンめ、ジェレミーの何が不満なのじゃ! ルフナー子爵家など、卑しい成り上がりではないか!」
母サブリナは激昂して周囲に当たり散らし、再度キャンディ伯爵を呼び出し問い質す。
だが、キャンディ伯爵は顔色一つ変えず「そうは仰られましても、娘は二人共王子妃の器ではなく、既に顔合わせも済ませ国王陛下より婚姻許可を頂いております」と言ってのけた。
「未来のトラス王国の為にも、王子妃として侯爵家以上の家格の賢姫を選ばれる事をお勧めします」
そう言って去っていくキャンディ伯爵。国王の許可が下されてしまえば、母サブリナ王妃とてどうしようもない。
結果的にキャンディ伯爵家の姫達が幼い一人を残して全て婚約してしまったので、縁談による中立派貴族の取り込みはより難しくなってしまった。
「まあまあ。アルバート殿下もまた、キャンディ伯爵家の姫を娶る当てが外れたことでしょうな。後はメテオーラ姫と婚姻を結ばせ、ガリアにやってしまえば」
ドルトン侯爵の慰めの言葉に王妃サブリナは渋々納得した――筈だったのだが。
「あのバカ息子め。次期リプトン伯爵として折角お膳立てしてやったというのに、頭が痛い事だ」
渋面を作るドルトン侯爵。
悪い事は重なるもので、ドルトン侯爵家の息子メイソンが醜聞を作ったという知らせが飛び込んできたのだ。
何でも、ルフナー子爵令息長男とキャンディ伯爵家の二番目の姫アナベラに言いがかりを掛けたところをアルバート王子が助けたのだという。
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