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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【2】
グレイ・ダージリン(138)
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ふわぁ……。
僕はあくびをかみ殺しながら朝食の席に着いていた。
あれからサイモン様に報告しに行ったら、サイモン様直々に辺境伯と交渉の上で知らせて下さるとの事。
今後ともそういう要請があれば必ず報告するように念を押された。僕としても高位貴族としてはまだまだ未熟な身。相手によっては判断が難しいので、サイモン様は頼もしい限りだ。
肩の荷が下りた後で自室に戻り仕事をしたら、眠れなくなってしまった。
マリーが言っていた、眠気覚ましになるという苦い緑茶を飲んだからなのかも知れない。後少し後少し、とやっている内に結局ほぼ徹夜になってしまっていた。
外から馬の小さな嘶きが聞こえて来る。そちらを見ると、灯りが幾つか揺れ動いているのが見える。
カールが窓を開けて口笛を吹いた。僕には分からないが、何らかのやりとりが交わされたようだ。こちらを振り向くカール。
「リプトン伯爵が出立するみたいですねー、見送りに行きますかー?」
「そうだね、行こうか」
強張った体をほぐすように伸びをして、僕はコートを羽織ると階下へと向かった。カールも背後からついてくる。
彼には結局徹夜に付き合わせる形になってしまった。寝ていて良いと言ったのだけれど、隠密騎士は夜番で徹夜することもあるし、ちゃんと仮眠は取ったから大丈夫なのだそうだ。
階段を降り、玄関を出ると馬車泊まりに出る。僕の姿を認めたカーフィは、少し驚いたように目を見開いた後。深く頭を下げて紳士の礼を取った。
「わざわざ……お見送り、ありがとうございます」
思い返せばカーフィとは色々あったが、今後の事を考えれば彼が生きて帰ってくる保証はない。
僕も紳士の礼を取り、「道中、気を付けて」とだけ伝えた。
カーフィが会釈をして馬車に乗り込んだ。御者が声を押さえて拍車をかけると動き出す馬。
馬車の影が遠ざかり、闇に呑まれる様子を見送った後――僕は何となしに東の空に浮かぶ明けの明星へと視線を移した。
少しだけカーフィが無事であれば良いな、と思う。
そんなことを思い出しながら食べた朝食。食器が下げられて行く折に、僕は夕べも飲んだ眠気覚ましの苦い緑茶を頼んだ。
シャルマンが持って来た手紙の中から重要そうなものを幾つか拾い上げて封を切る。
ジャン・バティストからの業務連絡と激務に対する苦情やダージリン伯爵領からの幾つかの指示を仰ぐ内容。
目を通しながら給仕されたお茶を飲んでいる内、だんだん精神がスッキリしてきた。
――流石に今日はキーマン商会に顔を出し行かないとなぁ。
終わった分の書類も持って行かなければいけないし、と思った時。隣から盛大な溜息が聞こえて来る。見ると、マリーが力無くテーブルに突っ伏していた。
「どうしたの?」
随分落ち込んでいる様子。手紙に何か良くない事でも書いてあったんだろうか。
「年末年始、私達に休みはないわ……ソルツァグマ修道院から、新年の儀の予行演習があるから来て欲しいですって……」
これ見て、と渡された手紙。ざっと目を通すと、そこには新年の祝福の儀やパレード等への参加要請がつらつらと書かれていた。
『聖女マリア―ジュ様、グレイ名誉枢機卿猊下共に』と言う文面もばっちり書かれてある。
うん、僕も参加決定だな。
「その行事があったか……」
僕は溜息を吐く。
すっかり忘れていた。今日は商会に行けそうにない。後でヤンに書類を届けさせる事としよう。
月女神信仰をしているアヤスラニ帝国とは暦が違う、というイドゥリース達の会話を聞きながら僕は過去の記憶を辿る。
新年の儀と言えばこれまではサリューン枢機卿がしていたんだっけ。今年の初めは聖地に居たから不参加だった。
今回は聖女が国に居る事だし、疫病の噂から広がる民達の不安を鑑みるとどうしてもマリーに祝福の儀をして欲しいのだろう。
聖女なんだし、こればっかりは仕方がない。
「やるしかないか……」
うんと僕は一つ頷いて。ふと一つの事に思い至った。
新年の儀、僕はカラバ男爵の変装しなくても大丈夫なんだろうか?
訊ねると、マリーはそうだった、というような顔になって考え込む様子を見せる。
「まあ大丈夫なんじゃないかしら。レアンドロ王子は船の上に居るみたいだし」
マリーの言葉に僕は胸を撫でおろした。
良かった、じゃあ来年からもう変装しなくても良いんだよね?
本当に必要な時なら仕方ないけど、あの格好は色んな人、特にアールから揶揄われるからあんまりしたくなかったんだ。じゃあ、そう言う事で。
シャルマンに手紙を返して僕の机の上に置いておくように命じていると、もう一通の手紙に目を通していたマリーの表情が驚きのそれになった。気になって、少々無作法ながらもそっと覗いてみる。
何々、メテオーラ嬢がアルバート殿下と婚約が決まったのか。マリーを狙うライバルが減ったのは何よりだ。これは先回りしてお祝いを用意しておくべきだろう。
その他は、ガリア王国で金山とルビー鉱山の採掘がはじまったという。
どこかで嗅ぎ付けたのか、ガリアの王太子がマリーに興味を示しているそうだ。やっとアルバート殿下が片付いたと思ったら、嫌な予感がする。
僕はあくびをかみ殺しながら朝食の席に着いていた。
あれからサイモン様に報告しに行ったら、サイモン様直々に辺境伯と交渉の上で知らせて下さるとの事。
今後ともそういう要請があれば必ず報告するように念を押された。僕としても高位貴族としてはまだまだ未熟な身。相手によっては判断が難しいので、サイモン様は頼もしい限りだ。
肩の荷が下りた後で自室に戻り仕事をしたら、眠れなくなってしまった。
マリーが言っていた、眠気覚ましになるという苦い緑茶を飲んだからなのかも知れない。後少し後少し、とやっている内に結局ほぼ徹夜になってしまっていた。
外から馬の小さな嘶きが聞こえて来る。そちらを見ると、灯りが幾つか揺れ動いているのが見える。
カールが窓を開けて口笛を吹いた。僕には分からないが、何らかのやりとりが交わされたようだ。こちらを振り向くカール。
「リプトン伯爵が出立するみたいですねー、見送りに行きますかー?」
「そうだね、行こうか」
強張った体をほぐすように伸びをして、僕はコートを羽織ると階下へと向かった。カールも背後からついてくる。
彼には結局徹夜に付き合わせる形になってしまった。寝ていて良いと言ったのだけれど、隠密騎士は夜番で徹夜することもあるし、ちゃんと仮眠は取ったから大丈夫なのだそうだ。
階段を降り、玄関を出ると馬車泊まりに出る。僕の姿を認めたカーフィは、少し驚いたように目を見開いた後。深く頭を下げて紳士の礼を取った。
「わざわざ……お見送り、ありがとうございます」
思い返せばカーフィとは色々あったが、今後の事を考えれば彼が生きて帰ってくる保証はない。
僕も紳士の礼を取り、「道中、気を付けて」とだけ伝えた。
カーフィが会釈をして馬車に乗り込んだ。御者が声を押さえて拍車をかけると動き出す馬。
馬車の影が遠ざかり、闇に呑まれる様子を見送った後――僕は何となしに東の空に浮かぶ明けの明星へと視線を移した。
少しだけカーフィが無事であれば良いな、と思う。
そんなことを思い出しながら食べた朝食。食器が下げられて行く折に、僕は夕べも飲んだ眠気覚ましの苦い緑茶を頼んだ。
シャルマンが持って来た手紙の中から重要そうなものを幾つか拾い上げて封を切る。
ジャン・バティストからの業務連絡と激務に対する苦情やダージリン伯爵領からの幾つかの指示を仰ぐ内容。
目を通しながら給仕されたお茶を飲んでいる内、だんだん精神がスッキリしてきた。
――流石に今日はキーマン商会に顔を出し行かないとなぁ。
終わった分の書類も持って行かなければいけないし、と思った時。隣から盛大な溜息が聞こえて来る。見ると、マリーが力無くテーブルに突っ伏していた。
「どうしたの?」
随分落ち込んでいる様子。手紙に何か良くない事でも書いてあったんだろうか。
「年末年始、私達に休みはないわ……ソルツァグマ修道院から、新年の儀の予行演習があるから来て欲しいですって……」
これ見て、と渡された手紙。ざっと目を通すと、そこには新年の祝福の儀やパレード等への参加要請がつらつらと書かれていた。
『聖女マリア―ジュ様、グレイ名誉枢機卿猊下共に』と言う文面もばっちり書かれてある。
うん、僕も参加決定だな。
「その行事があったか……」
僕は溜息を吐く。
すっかり忘れていた。今日は商会に行けそうにない。後でヤンに書類を届けさせる事としよう。
月女神信仰をしているアヤスラニ帝国とは暦が違う、というイドゥリース達の会話を聞きながら僕は過去の記憶を辿る。
新年の儀と言えばこれまではサリューン枢機卿がしていたんだっけ。今年の初めは聖地に居たから不参加だった。
今回は聖女が国に居る事だし、疫病の噂から広がる民達の不安を鑑みるとどうしてもマリーに祝福の儀をして欲しいのだろう。
聖女なんだし、こればっかりは仕方がない。
「やるしかないか……」
うんと僕は一つ頷いて。ふと一つの事に思い至った。
新年の儀、僕はカラバ男爵の変装しなくても大丈夫なんだろうか?
訊ねると、マリーはそうだった、というような顔になって考え込む様子を見せる。
「まあ大丈夫なんじゃないかしら。レアンドロ王子は船の上に居るみたいだし」
マリーの言葉に僕は胸を撫でおろした。
良かった、じゃあ来年からもう変装しなくても良いんだよね?
本当に必要な時なら仕方ないけど、あの格好は色んな人、特にアールから揶揄われるからあんまりしたくなかったんだ。じゃあ、そう言う事で。
シャルマンに手紙を返して僕の机の上に置いておくように命じていると、もう一通の手紙に目を通していたマリーの表情が驚きのそれになった。気になって、少々無作法ながらもそっと覗いてみる。
何々、メテオーラ嬢がアルバート殿下と婚約が決まったのか。マリーを狙うライバルが減ったのは何よりだ。これは先回りしてお祝いを用意しておくべきだろう。
その他は、ガリア王国で金山とルビー鉱山の採掘がはじまったという。
どこかで嗅ぎ付けたのか、ガリアの王太子がマリーに興味を示しているそうだ。やっとアルバート殿下が片付いたと思ったら、嫌な予感がする。
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