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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
グレイ・ダージリン(122)
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キャンディ伯爵家にボロボロの姿で駆け込んで来た暗殺者サイアの一報を受けたマリーは、すぐさま動いた。
カナールの民はラブリアン辺境伯領に居ると言う。
王宮へ向かいオディロン陛下や先代ラブリアン辺境伯に伝えたその次の日には、人数を絞った刻印持ちだけで屋敷を出発。好奇心が旺盛なのだろう、アヤスラニ帝国の特使やキンター・ヴァッガー、女王リュサイ達が同行を願い出てきたけれども、僕が助け舟を出したのは女王リュサイ達だけだ。
掌側に回したカレドニア王の印章に意識を向ける。
――何とか女王リュサイと話す機会が出来れば。
実家への連絡や商会のこと、ヨシヒコの教師候補への手紙を託したジャン、ヤン、シャルマンには迷惑をかけてしまったと思う。
僕は機会を見つけては女王リュサイに話しかけるように努めた。
自然に会話が増えて行けば本音を聞き出せるだろうと思ったからだけれど……。
……カレル様と結婚出来るならあっさり王位を捨てそうな気がする。
カレドニア王国の歴史や暮らしから徐々に狭めて行き――父王陛下を亡くされてさぞやご苦労なさったのでは、と触れると「そうですわね、父が生きていて下さったらと思ったことが何度もありますわ」と溜息を吐かれた。
「女王では何かと侮られますもの。身分の上下問わず、やはり男の王でなければ我がカレドニア王国はアルビオンに呑まれてしまう、という声を何度も聞いておりますわ。私だって……」
男の王族が他に居れば喜んで王位を譲りますのに、と言う。サイモン様やカールの言う通りになりそうだと僕はそれ以上深掘りすることは諦め、印章の指輪を握り込んだ。
カナールの民の件が終わったら、マリーに相談する方が良いな。
長距離馬車の為に作られた休憩駅で、馬車の点検と馬替えが終わるのを待ちつつリンゴやブドウを摘まむ。
ここまで街道をひたすら西へ向かって走って来たけれど――ふと疑問が浮かんだ。
カナールの民が保護されているのは海沿い近くにある小さな教会だという。
「そう言えばラブリアン辺境伯領って、」
カナールの民の住まう山からすれば北にある。
マリーを頼ってトラス王国へ逃げて来るのならば、北ではなく東に向かう筈なのではないだろうか?
カレドニア女王リュサイも言われて見れば、と不思議そうにしている。マリーは、彼らが北上したのは疱瘡の病人を抱えているからだ、と言った。
小舟を盗み、それに病人を乗せ、二手に分かれて海岸沿いを北上。その方が病人への負担が少ないからだと。
成程、そう言われて見れば納得出来る。遠まわりになっても東へ逃げて陸路を行くよりかはマシだ。
「あのサイアという男だろうな」
カレル様の言葉にマリーが頷く。彼女は少し遠い目をして、あまり無理をしないで欲しいわ、と呟いた。
サイアは今、二人の隠密騎士達と共にラブリアン辺境伯領へ早馬を飛ばしている。王宮から僕達が帰って来て直ぐ、幾ばくかも休めていない筈なのに先行することを申し出て来たのだ。
マリーが心配して隠密騎士二人を付けたけれど、その日の内にサイアは旅立っている。
「サイア達は今どの辺りに居るんだろう」
「辺境伯領に入る一歩手前ぐらいかしら」
流石に疲れているみたいで休んでいたわ、とマリー。休憩を取ってはいるのなら、まあ大丈夫かな……。
そう楽観的に考えていたけれど、災難は思わぬ方向からやってくる。
「な、何!? ダージリン伯爵家!? そんな姓は聞いたことがないぞ!」
ラブリアン辺境伯領へと入る関所で、まさか僕達一行が足止めを食らうとは思ってもみなかった。
***
――……やけに遅いな。
ラブリアン辺境伯領に入る関所。僕達はかなりの時間待たされていた。
王宮で先代ラブリアン辺境伯から身分を保証する書付を貰っている。それを提示すればすぐにでも通して貰えるはずだ。
不思議に思って馬車の窓のカーテンを少し持ち上げて関所の方を窺う。前脚達が何事かを言い合っているのが見えた。
「どうした」
カレル様の声に馬車の中に視線を移すと、マリーが頭を抱えている。どうしよう、と呟く声。
女王リュサイは「マリー様、どこか具合でもお悪いのですか?」等と困惑と戸惑いを見せている。
多分、聖女の能力を使って何かを見ているのだろう。
彼女の集中を乱さないようにじっと見守っていると、不意に外の様子が変わった。
馬の嘶き、金属をこすり合わせる音――これは武器を抜いている?
慌ててカーテンの隙間から外を覗くと、前脚と後ろ脚がこちらに駆けてくるのが見え――あれよあれよという間に僕達の馬車はラブリアン辺境伯領兵達に囲まれてしまっていた。
暫くの沈黙の後、マリーはようやっと顔を上げる。
「皆、よく聞いて。サイア、彼は家に来る時関所破りをしていたみたいなの。その時顔を覚えられてて見咎められたから二度目の関所破りをしたのね。
二度も関所破りを許した上、更に私が精神感応でラブリアン辺境伯に人の出入りに気を付けるように頼んでいたのもあって、関所は厳戒態勢になってる。先代ラブリアン辺境伯に書いて貰った手紙も疑われているみたい」
「ええっ!?」
関所破り!? しかも二度も!
先代の手紙も疑われているって相当じゃないか!
驚きの余り素っ頓狂な声を上げてしまう僕。カレル様がこめかみを押さえた。
「その結果がこれか。金角羊と影熊……あいつらも居て何をやってるんだ」
「サイアは気が急いていて、二人も任務を優先したみたい。三人共なまじ腕が立つから……」
ああ……一人は暗殺者、二人は隠密騎士だもんな。分かる気がする。
「まずいことになったな。どうする?」
「身分証明は僕の印章だから、ここは僕が出るべきかと思う」
「他ならぬラブリアン辺境伯爵家のこと、私も出ましょう」
そう話し合っていると。
「皆、ちょっと待って」
マリーがこの関所の責任者であるガストン男爵を引きずり出すべきだと主張した。
彼女によれば、領兵をけしかけてきているのはアントワーヌという男であり、ガストン男爵があまりにも無能だから関所の実権を握るようになったという。
しかし実際の責任者はガストン男爵。アントワーヌはあくまでも男爵の部下、重要事項の決定権も無く最終的な責任を問う事は出来ない。
ガストン男爵と話をしないことにはどうにもならないのだ、と。
カレル様は訝し気に首を傾げた。
「そう言えば、これだけ騒ぎが起きているのに男爵は何故出て来ないんだ?」
「娼婦と火遊び中だからよ」
「まあ、昼間から?」
女王リュサイが眉を顰める。カレル様と僕も同様だ。
私は親切だからいっそう燃え上がらせてあげるつもり、と温度の無い目をして微笑むマリー。
「勿論ラブリアン辺境伯にはお知らせするし、ヨハン達が時間稼ぎをしてくれている。まだ馬車を出ないで、男爵を炙り出すまで少しだけ時間を頂戴」
「分かった。だが、いざという時になれば俺は出るからな」
そう言って剣の柄を握るカレル様。僕も懐の拳銃に手を掛ける。
高まる緊張の中、遠くからカラス達の鳴く声が聞こえて来ていた。
カナールの民はラブリアン辺境伯領に居ると言う。
王宮へ向かいオディロン陛下や先代ラブリアン辺境伯に伝えたその次の日には、人数を絞った刻印持ちだけで屋敷を出発。好奇心が旺盛なのだろう、アヤスラニ帝国の特使やキンター・ヴァッガー、女王リュサイ達が同行を願い出てきたけれども、僕が助け舟を出したのは女王リュサイ達だけだ。
掌側に回したカレドニア王の印章に意識を向ける。
――何とか女王リュサイと話す機会が出来れば。
実家への連絡や商会のこと、ヨシヒコの教師候補への手紙を託したジャン、ヤン、シャルマンには迷惑をかけてしまったと思う。
僕は機会を見つけては女王リュサイに話しかけるように努めた。
自然に会話が増えて行けば本音を聞き出せるだろうと思ったからだけれど……。
……カレル様と結婚出来るならあっさり王位を捨てそうな気がする。
カレドニア王国の歴史や暮らしから徐々に狭めて行き――父王陛下を亡くされてさぞやご苦労なさったのでは、と触れると「そうですわね、父が生きていて下さったらと思ったことが何度もありますわ」と溜息を吐かれた。
「女王では何かと侮られますもの。身分の上下問わず、やはり男の王でなければ我がカレドニア王国はアルビオンに呑まれてしまう、という声を何度も聞いておりますわ。私だって……」
男の王族が他に居れば喜んで王位を譲りますのに、と言う。サイモン様やカールの言う通りになりそうだと僕はそれ以上深掘りすることは諦め、印章の指輪を握り込んだ。
カナールの民の件が終わったら、マリーに相談する方が良いな。
長距離馬車の為に作られた休憩駅で、馬車の点検と馬替えが終わるのを待ちつつリンゴやブドウを摘まむ。
ここまで街道をひたすら西へ向かって走って来たけれど――ふと疑問が浮かんだ。
カナールの民が保護されているのは海沿い近くにある小さな教会だという。
「そう言えばラブリアン辺境伯領って、」
カナールの民の住まう山からすれば北にある。
マリーを頼ってトラス王国へ逃げて来るのならば、北ではなく東に向かう筈なのではないだろうか?
カレドニア女王リュサイも言われて見れば、と不思議そうにしている。マリーは、彼らが北上したのは疱瘡の病人を抱えているからだ、と言った。
小舟を盗み、それに病人を乗せ、二手に分かれて海岸沿いを北上。その方が病人への負担が少ないからだと。
成程、そう言われて見れば納得出来る。遠まわりになっても東へ逃げて陸路を行くよりかはマシだ。
「あのサイアという男だろうな」
カレル様の言葉にマリーが頷く。彼女は少し遠い目をして、あまり無理をしないで欲しいわ、と呟いた。
サイアは今、二人の隠密騎士達と共にラブリアン辺境伯領へ早馬を飛ばしている。王宮から僕達が帰って来て直ぐ、幾ばくかも休めていない筈なのに先行することを申し出て来たのだ。
マリーが心配して隠密騎士二人を付けたけれど、その日の内にサイアは旅立っている。
「サイア達は今どの辺りに居るんだろう」
「辺境伯領に入る一歩手前ぐらいかしら」
流石に疲れているみたいで休んでいたわ、とマリー。休憩を取ってはいるのなら、まあ大丈夫かな……。
そう楽観的に考えていたけれど、災難は思わぬ方向からやってくる。
「な、何!? ダージリン伯爵家!? そんな姓は聞いたことがないぞ!」
ラブリアン辺境伯領へと入る関所で、まさか僕達一行が足止めを食らうとは思ってもみなかった。
***
――……やけに遅いな。
ラブリアン辺境伯領に入る関所。僕達はかなりの時間待たされていた。
王宮で先代ラブリアン辺境伯から身分を保証する書付を貰っている。それを提示すればすぐにでも通して貰えるはずだ。
不思議に思って馬車の窓のカーテンを少し持ち上げて関所の方を窺う。前脚達が何事かを言い合っているのが見えた。
「どうした」
カレル様の声に馬車の中に視線を移すと、マリーが頭を抱えている。どうしよう、と呟く声。
女王リュサイは「マリー様、どこか具合でもお悪いのですか?」等と困惑と戸惑いを見せている。
多分、聖女の能力を使って何かを見ているのだろう。
彼女の集中を乱さないようにじっと見守っていると、不意に外の様子が変わった。
馬の嘶き、金属をこすり合わせる音――これは武器を抜いている?
慌ててカーテンの隙間から外を覗くと、前脚と後ろ脚がこちらに駆けてくるのが見え――あれよあれよという間に僕達の馬車はラブリアン辺境伯領兵達に囲まれてしまっていた。
暫くの沈黙の後、マリーはようやっと顔を上げる。
「皆、よく聞いて。サイア、彼は家に来る時関所破りをしていたみたいなの。その時顔を覚えられてて見咎められたから二度目の関所破りをしたのね。
二度も関所破りを許した上、更に私が精神感応でラブリアン辺境伯に人の出入りに気を付けるように頼んでいたのもあって、関所は厳戒態勢になってる。先代ラブリアン辺境伯に書いて貰った手紙も疑われているみたい」
「ええっ!?」
関所破り!? しかも二度も!
先代の手紙も疑われているって相当じゃないか!
驚きの余り素っ頓狂な声を上げてしまう僕。カレル様がこめかみを押さえた。
「その結果がこれか。金角羊と影熊……あいつらも居て何をやってるんだ」
「サイアは気が急いていて、二人も任務を優先したみたい。三人共なまじ腕が立つから……」
ああ……一人は暗殺者、二人は隠密騎士だもんな。分かる気がする。
「まずいことになったな。どうする?」
「身分証明は僕の印章だから、ここは僕が出るべきかと思う」
「他ならぬラブリアン辺境伯爵家のこと、私も出ましょう」
そう話し合っていると。
「皆、ちょっと待って」
マリーがこの関所の責任者であるガストン男爵を引きずり出すべきだと主張した。
彼女によれば、領兵をけしかけてきているのはアントワーヌという男であり、ガストン男爵があまりにも無能だから関所の実権を握るようになったという。
しかし実際の責任者はガストン男爵。アントワーヌはあくまでも男爵の部下、重要事項の決定権も無く最終的な責任を問う事は出来ない。
ガストン男爵と話をしないことにはどうにもならないのだ、と。
カレル様は訝し気に首を傾げた。
「そう言えば、これだけ騒ぎが起きているのに男爵は何故出て来ないんだ?」
「娼婦と火遊び中だからよ」
「まあ、昼間から?」
女王リュサイが眉を顰める。カレル様と僕も同様だ。
私は親切だからいっそう燃え上がらせてあげるつもり、と温度の無い目をして微笑むマリー。
「勿論ラブリアン辺境伯にはお知らせするし、ヨハン達が時間稼ぎをしてくれている。まだ馬車を出ないで、男爵を炙り出すまで少しだけ時間を頂戴」
「分かった。だが、いざという時になれば俺は出るからな」
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