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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
グレイ・ダージリン(108)
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「きゃあ、グレイ素敵! 思った通り良く似合っているわ!」
マリーの誕生日当日。
カレドニアの衣装で迎えに行くと、マリーは嬉しそうな悲鳴を上げた。
「ありがとう、マリーも似合っているよ」
試着をした日にはお互いの姿を見ず、今日までのお楽しみにしていて本当に良かったと思う。カレドニアのドレスを身に纏った彼女は実に愛らしかった。
僕の言葉にマリーは「そうなの! やっぱりタータンチェックは可愛くて!」とくるりと回ってみせる。
「秋冬ファッションにこの格子模様は欠かせないわ。これから寒くなって来るから、羊毛織物が良く売れるでしょうね!」
「そうだね」
僕のエスコートを受けながらうふふと笑う彼女。
ああ、きっとカレドニアの格子模様も流行することだろう。
会場である広間の扉が開かれると、そこに居た人々に拍手を以って迎えられた。
「皆様、本日は私のささやかな誕生日に来て下さり、誠にありがとう存じます」
マリーが壇上で招待客達に感謝の言葉を述べた後、個別の挨拶が始まる。
そこからは、サリューン枢機卿にアルバート王子、三魔女、メテオーラ嬢、女王リュサイ、賢者イドゥリース、ソルツァグマ修道院の中でも関わり深かった面々といった客人達から寿ぎの言葉を受けたり、皇女エリーザベトから兄皇子のことで謝罪を受けたり。
主だった挨拶が済むと、今度は主の意を受けた者達が持ってきた贈り物の引き渡しと口上を述べていった。
ガリア王国や山岳国家ヘルヴェティアは勿論、アヤスラニ帝国、神聖アレマニア帝国、エスパーニャ王国といった大国、これまで交流の無かった小国家に至るまで、様々な贈り物が山を作っている。
特に印象深かったのは、エスパーニャ王国が用意したのが東方のフソウ人奴隷だったこと。
黒髪に黒い瞳、のっぺりとした平たい顔立ちの男で、マリーが遥か彼方の国フソウに興味を持っていることから用意したらしいが……引きつった笑顔のマリーは、他に女と子供奴隷がいるはずだと言い、それも欲しいと交渉していた。
他、人々が注目したのは神聖アレマニア帝国とのかかわりの深い、音楽と芸術が盛んな公国から来た天才少年音楽家。
子供らしくマリーに求婚してその父親が青ざめ、イサーク様と言い合いになる微笑ましい一幕も。天才なのは伊達ではないらしく、聖女に捧げるピアノ曲を披露し、その素晴らしい旋律に場は大いに盛り上がった。
その後、少年音楽家のワルツに合わせて踊る僕とマリー。
ワルツが終わると興が乗ったのか、高地の騎士達がバグパイプという楽器を吹き鳴らし、カレドニアに伝わるという舞踊を始めた。手を上に上げたりつま先立ちで飛び跳ねたり、靴を高らかに鳴らしたり。
その軽快な音楽は、去年僕達が行った感謝祭の時を思い出す。
それはきっと彼女も同じなのだろう。目を輝かせてそわそわしているマリーに、僕は去年のように話しかけた。
「僕達も踊るかい、マリー」
「勿論!」
彼女の手を取って、僕は高地の騎士達に混じって飛び跳ねる。
何時の間にか、他の人々も同じように踊っていた。
「ああ、楽しかった!」
踊り疲れた僕達は、サリーナとナーテから飲み物に濡れ布巾に……と世話を焼かれる。
ふと手洗いに行きたくなった僕は、マリーに断って広間を出た。
無事、事を済ませて広間へ戻ろうとすると、誰かの話し声。
「……あちらですねー」
カールが指差したその先。カレドニア女王リュサイと騎士ドナルドのようだ。
深刻そうだが、カレドニア語で何を話しているのかは分からない。
時折カレル様の名前や皇女エリーザベトの愛称であるリシィという名前が聞こえる。
「戻ろう」
何となく僕はその場を離れることにした。
***
「あれ、マリーは?」
戻るとマリーが居なかった。
キョロキョロ探していると、サリーナがやって来る。
「マリー様は汗を拭きに行かれました。ナーテが居てくれるし、折角なのでカールと二人で楽しんで欲しい……と」
「うーん。嬉しいけどさー、グレイ様の警護はー……」
もじもじした様子のサリーナに、ちらりとこちらを見るカール。
「僕なら大丈夫だよ、カール。ここはキャンディ伯爵家の中だし、滅多なことは起こらない、と思う」
手洗いなら先程行ったし、ずっと警備させるのも気の毒だ。
行っておいで、と僕は彼の肩を推した。
「分かりましたー。僕が離れている間―、この広間の人目のある場所で大人しくしていてくださいねー」
「うん。ありがとう」
どうせなら、招待客達と話してみるとしよう。
件の天才音楽少年やその父親、普段あまり接する機会のない小国家からの使者達との話は刺激的だった。
彼らとしても聖女の夫である僕と顔繋ぎするのはやぶさかではないようで、色々と有意義な話が出来たと思う。
少し疲れたので椅子に座って休む。マリーはまだ戻って来ないのかと思いつつ、広間を見渡していると。
「お一人ですか、猊下。カール殿は?」
騎士ドナルドが近付いて来た。
「彼の恋人がお誘いに来たので、それで。四六時中僕の為に自由を拘束されるのも可哀想なので」
先程女王と何を話していたんですか、と訊きたい気持ちを抑えつつそう答えると、ドナルドは「不用心な……」と溜息を吐いて隣に座った。
「私が警備を買って出ましょう。これでもそれなりの腕は自負しておりますので」
「ありがとう、ドナルド卿。そういえば、卿に訊きたい事がありました」
「何でしょう?」
こちらに向き直る騎士ドナルド。僕が『マク・ラセフ』の意味を訊ねるべく、口を開きかけたその時。
「ご歓談中恐れ入ります、グレイ猊下」
警備兵の一人が声を掛けて来た。
「マリアージュ様が猊下を呼んで来るように、と」
「マリーが?」
「はい。ご案内致します」
どうかしたのだろうか。立ち上がる僕に騎士ドナルドが「お供します」と寄り添う。
先導する警備兵の後をついていく僕達。
廊下を渡り、庭に出る。どんどん歩いていく警備兵に僕は不審感を感じていた。
おかしいな。
マリーが何時も居る庭は、こっちの方向ではない筈。
そっと懐に手を伸ばし、拳銃の安全装置を外す。
見通しが良くない場所まで来た時、警備兵はこちらをいきなり振り返った。
「ムエレテ!」
翻る白刃。拳銃を咄嗟に撃つも、標準が定まらずに肩を掠めただけで外れて迫りくる刃。
一瞬の後、僕は横っ飛びに草むらに倒れ込んでいた。
「ドナルド卿!?」
騎士ドナルドは答えずに起き上がると、シャランと音を立てて剣を抜く。先程、彼は僕を抱きかかえて飛んだのだ。
「くっ……」
しかし警備兵――凶手は騎士ドナルドを見ずに呻いている。
身を起こして良く見ると、刃を持っている方の腕には、小さな矢が突き刺さっていた。
そこへ近付く、草を踏みしめる音。
「泳がせられていたとも知らず。当家を甘く見られては困りますわね」
「ムヘル……?」
サリーナの姿を見た次の瞬間、凶手は呻いて崩れるように倒れ込む。
その背後から現れたのは――
「はい、いっちょ上がり―」
ご無事ですかー、と脱力するような声と笑顔で手を振るカールだった。
マリーの誕生日当日。
カレドニアの衣装で迎えに行くと、マリーは嬉しそうな悲鳴を上げた。
「ありがとう、マリーも似合っているよ」
試着をした日にはお互いの姿を見ず、今日までのお楽しみにしていて本当に良かったと思う。カレドニアのドレスを身に纏った彼女は実に愛らしかった。
僕の言葉にマリーは「そうなの! やっぱりタータンチェックは可愛くて!」とくるりと回ってみせる。
「秋冬ファッションにこの格子模様は欠かせないわ。これから寒くなって来るから、羊毛織物が良く売れるでしょうね!」
「そうだね」
僕のエスコートを受けながらうふふと笑う彼女。
ああ、きっとカレドニアの格子模様も流行することだろう。
会場である広間の扉が開かれると、そこに居た人々に拍手を以って迎えられた。
「皆様、本日は私のささやかな誕生日に来て下さり、誠にありがとう存じます」
マリーが壇上で招待客達に感謝の言葉を述べた後、個別の挨拶が始まる。
そこからは、サリューン枢機卿にアルバート王子、三魔女、メテオーラ嬢、女王リュサイ、賢者イドゥリース、ソルツァグマ修道院の中でも関わり深かった面々といった客人達から寿ぎの言葉を受けたり、皇女エリーザベトから兄皇子のことで謝罪を受けたり。
主だった挨拶が済むと、今度は主の意を受けた者達が持ってきた贈り物の引き渡しと口上を述べていった。
ガリア王国や山岳国家ヘルヴェティアは勿論、アヤスラニ帝国、神聖アレマニア帝国、エスパーニャ王国といった大国、これまで交流の無かった小国家に至るまで、様々な贈り物が山を作っている。
特に印象深かったのは、エスパーニャ王国が用意したのが東方のフソウ人奴隷だったこと。
黒髪に黒い瞳、のっぺりとした平たい顔立ちの男で、マリーが遥か彼方の国フソウに興味を持っていることから用意したらしいが……引きつった笑顔のマリーは、他に女と子供奴隷がいるはずだと言い、それも欲しいと交渉していた。
他、人々が注目したのは神聖アレマニア帝国とのかかわりの深い、音楽と芸術が盛んな公国から来た天才少年音楽家。
子供らしくマリーに求婚してその父親が青ざめ、イサーク様と言い合いになる微笑ましい一幕も。天才なのは伊達ではないらしく、聖女に捧げるピアノ曲を披露し、その素晴らしい旋律に場は大いに盛り上がった。
その後、少年音楽家のワルツに合わせて踊る僕とマリー。
ワルツが終わると興が乗ったのか、高地の騎士達がバグパイプという楽器を吹き鳴らし、カレドニアに伝わるという舞踊を始めた。手を上に上げたりつま先立ちで飛び跳ねたり、靴を高らかに鳴らしたり。
その軽快な音楽は、去年僕達が行った感謝祭の時を思い出す。
それはきっと彼女も同じなのだろう。目を輝かせてそわそわしているマリーに、僕は去年のように話しかけた。
「僕達も踊るかい、マリー」
「勿論!」
彼女の手を取って、僕は高地の騎士達に混じって飛び跳ねる。
何時の間にか、他の人々も同じように踊っていた。
「ああ、楽しかった!」
踊り疲れた僕達は、サリーナとナーテから飲み物に濡れ布巾に……と世話を焼かれる。
ふと手洗いに行きたくなった僕は、マリーに断って広間を出た。
無事、事を済ませて広間へ戻ろうとすると、誰かの話し声。
「……あちらですねー」
カールが指差したその先。カレドニア女王リュサイと騎士ドナルドのようだ。
深刻そうだが、カレドニア語で何を話しているのかは分からない。
時折カレル様の名前や皇女エリーザベトの愛称であるリシィという名前が聞こえる。
「戻ろう」
何となく僕はその場を離れることにした。
***
「あれ、マリーは?」
戻るとマリーが居なかった。
キョロキョロ探していると、サリーナがやって来る。
「マリー様は汗を拭きに行かれました。ナーテが居てくれるし、折角なのでカールと二人で楽しんで欲しい……と」
「うーん。嬉しいけどさー、グレイ様の警護はー……」
もじもじした様子のサリーナに、ちらりとこちらを見るカール。
「僕なら大丈夫だよ、カール。ここはキャンディ伯爵家の中だし、滅多なことは起こらない、と思う」
手洗いなら先程行ったし、ずっと警備させるのも気の毒だ。
行っておいで、と僕は彼の肩を推した。
「分かりましたー。僕が離れている間―、この広間の人目のある場所で大人しくしていてくださいねー」
「うん。ありがとう」
どうせなら、招待客達と話してみるとしよう。
件の天才音楽少年やその父親、普段あまり接する機会のない小国家からの使者達との話は刺激的だった。
彼らとしても聖女の夫である僕と顔繋ぎするのはやぶさかではないようで、色々と有意義な話が出来たと思う。
少し疲れたので椅子に座って休む。マリーはまだ戻って来ないのかと思いつつ、広間を見渡していると。
「お一人ですか、猊下。カール殿は?」
騎士ドナルドが近付いて来た。
「彼の恋人がお誘いに来たので、それで。四六時中僕の為に自由を拘束されるのも可哀想なので」
先程女王と何を話していたんですか、と訊きたい気持ちを抑えつつそう答えると、ドナルドは「不用心な……」と溜息を吐いて隣に座った。
「私が警備を買って出ましょう。これでもそれなりの腕は自負しておりますので」
「ありがとう、ドナルド卿。そういえば、卿に訊きたい事がありました」
「何でしょう?」
こちらに向き直る騎士ドナルド。僕が『マク・ラセフ』の意味を訊ねるべく、口を開きかけたその時。
「ご歓談中恐れ入ります、グレイ猊下」
警備兵の一人が声を掛けて来た。
「マリアージュ様が猊下を呼んで来るように、と」
「マリーが?」
「はい。ご案内致します」
どうかしたのだろうか。立ち上がる僕に騎士ドナルドが「お供します」と寄り添う。
先導する警備兵の後をついていく僕達。
廊下を渡り、庭に出る。どんどん歩いていく警備兵に僕は不審感を感じていた。
おかしいな。
マリーが何時も居る庭は、こっちの方向ではない筈。
そっと懐に手を伸ばし、拳銃の安全装置を外す。
見通しが良くない場所まで来た時、警備兵はこちらをいきなり振り返った。
「ムエレテ!」
翻る白刃。拳銃を咄嗟に撃つも、標準が定まらずに肩を掠めただけで外れて迫りくる刃。
一瞬の後、僕は横っ飛びに草むらに倒れ込んでいた。
「ドナルド卿!?」
騎士ドナルドは答えずに起き上がると、シャランと音を立てて剣を抜く。先程、彼は僕を抱きかかえて飛んだのだ。
「くっ……」
しかし警備兵――凶手は騎士ドナルドを見ずに呻いている。
身を起こして良く見ると、刃を持っている方の腕には、小さな矢が突き刺さっていた。
そこへ近付く、草を踏みしめる音。
「泳がせられていたとも知らず。当家を甘く見られては困りますわね」
「ムヘル……?」
サリーナの姿を見た次の瞬間、凶手は呻いて崩れるように倒れ込む。
その背後から現れたのは――
「はい、いっちょ上がり―」
ご無事ですかー、と脱力するような声と笑顔で手を振るカールだった。
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