435 / 690
うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
グレイ・ダージリン(73)
しおりを挟む
あの後、僕達が視察の準備をしているのを知ると、皇太子オスマンは同行したがった。
しかし数日後には迎えが来るので僕は丁重にそれを断る。
すると今度はあの手この手で僕を配下に加えようと付きまとい始めた。
保証のない口先だけの話だとは言え、だんだん馴れ馴れしくなり提示される待遇が上がっていくのが心底怖い。
そんな勧誘地獄に耐えること数日、アヤスラニ帝国の前の大宰相オルハン――皇太子オスマンの母方の祖父にあたる人物だった。
大宰相という地位は、事実上皇帝に次ぐ最高権力者。
その外はオスマン皇子の側近と思われる人物数人、そして眼光鋭い立派な体格の男達。いずれも武人――しかも選りすぐりの精鋭なのだろう。
「『これまでも散々やんちゃをなさって来られましたが、流石に此度のなさりようはおいたが過ぎますぞ!』」
僕達が見守る中、元大宰相オルハンが外交官ブダックや皇太子オスマンを叱っている。
マリーによれば、皇太子オスマンは地揺れと大波で被害を受けたアヤスラニ帝国西岸の復興の責務を放り出してこちらに来ていたとのこと。下手をすればオスマン皇子に仕える者達全員死刑になりかねない。そりゃあ怒られて当然だろう。
「『いや、何も戻らぬと言ってる訳ではないのだ!』」
オスマン皇子は僕やマリーのやることなすことが目新しくて面白く、また国のためにもなるだろうと反論する。
……自分の正当化に僕たちを使わないで欲しい。
僕の想いが通じたのか、元大宰相は口先の言い訳に騙されなかった。それは大導師フゼイフェの仕事であり、皇太子のそれではないと断じている。
「『ガリアの復興には聖女は知恵を授けたと聞いた! 私は復興責任者として、その知恵を聞きに参ったのだ!』」
元大宰相オルハンはこちらを見た。僕達二人はほぼ同時に首を横に振る。
そこへ、大導師フゼイフェが皇太子がそれを一度もマリーに質問していなかったと指摘。元々迎えが来れば帰る約束だったと言う。
皇太子オスマンは降参した。その代わり、僕に視察に連れて行って欲しいと言う。その間にマリーに復興について色々と訊ねるから、と。
視察が終われば大人しく帰ると皇太子本人が宣言したので、僕はあまり気が進まないながらもそれを了承したものの。
――何だろう、嫌な予感がする。
***
……視線が痛い。
マリーがじと目でこちらを見ていた。
「『伯爵位よりももっともっと上の地位を約束するぞ。大宰相の地位……いや、適当な小国を一つ落としてそこの王でも良いな』」
視察へ向かう馬車の中。
オスマン皇子は四六時中、マリーに復興のことを訊ねることもなく、僕を臣下にしようと話しかけてきていた。
しかも、待遇が小国の王にまでなっている。ここまで来ると現実味が無さすぎて、僕は夢のような話ですねと受け流した。
「『グレイ、俺はいずれアヤスラニ帝国の皇帝となる。その為に一人でも多く優秀な臣下を必要としているのだ。そなたが警戒していることは分かる。俺が聖女目的でそなたを臣下にしたがっているのだと疑念を抱いているのだろう? しかしそれであればアレマニアの皇子と同じように最初から強引に聖女を口説いている』」
だが俺は奴とは違う、オスマン皇太子はそう言って、徐に僕の手を両手で掴んだ。
「『真実、俺はそなたの事を気に入ったのだ。そなたの能力を買っている。どうしたら首を縦に振って我が国に来て貰えるのか』」
さながら美女を口説くような眼差しを僕に向けてくる皇太子オスマン。圧が凄くて僕の鉄壁の愛想笑いが引きつりそうだ。
「グレイ、私少し疲れたわ。休憩しない?」
マリーの言葉に、僕は渡りに船とばかりに「『殿下、失礼致します』」と馬車の窓を開け、停止と休憩を命じる。
そこへ、大導師フゼイフェがオスマン皇太子に元大宰相オルハンが呼んでいると声をかけ、皇太子と交代するかのように馬車に同乗してくれることとなった。
マリーがぱちりとウインクしたので、僕は苦笑いしながら二人に礼を言う。ああ、やっと解放された。
元大宰相に叱責されたのか、それからは僕は口説かれることもなく無事に目的地に着いた。
鉄鉱山と炭鉱山の入り口に相応しい場所を特定して調査を命じた後、更に少し移動する。
マリーが熱水脈を探し当てて掘る場所を指定した後は、報告を待つのみ。
待っている間、オスマン皇子はマリーに復興のことについて色々と訊ねていた。
待つこと暫く。
前脚のヨハンが報告に来て、本当に熱水が湧き出てきたことを知らせると、アヤスラニ帝国人達は驚愕していた。
特に大導師フゼイフェは賢者もまた泉を掘り当てた逸話があった、と感動している。
「『この目で見るまでは奇跡など信じていなかったが……まさか、本当に』」
元大宰相オルハンの声が、嫌に鮮明に僕の耳朶を打った。
事件が起きたのは、その日の晩だった。
大勢なので集落に程近い場所で野営をし、火を起こしていざ料理をしようとした時。
僕達から少し離れた場所に陣取っていたアヤスラニ帝国人達。その起こした焚火の煙が、風に乗って届いたその直後――バタバタと護衛達が倒れ始めたのだ。
突然僕の体が地に押さえつけられる。
「毒です」
カールの簡潔な言葉。風向きが変わったその時には、前脚と後ろ脚も地に伏せていた。月明りの中、意識を失ってぐったりしたマリーの首に、ぎらりと光る銀色の刃。
「聖女の命が惜しくば動いてはならぬでおじゃ!」
マリーの身体を片手に抱き、オスマン皇子が叫んだ。
――嵌められた!
「『オスマン殿下! 聖女様に無体をなさってはなりませぬ、神の罰を受けまするぞ!』」
大導師フゼイフェはオスマン皇子を非難している。
大導師はマリーが賢者に等しい存在だと認めていたし、オスマン皇子達の行動を知らされていなかったのかも知れない。
「ヨハンとシュテファンは」
「直撃は免れてます。布で鼻と口を覆って煙を吸い込まないで下さい」
あの時、マリーはサリーナをお供に護衛達に声を掛けに行っていた。
僕達やヨハン達とは少し距離があったのだ。
一番守るべき存在が人質に取られ、更にこちら側の護衛の大半が妙な煙を吸って昏倒していてこちらは手も足も出ない。
「『やはり僕を臣下に欲しいというのは偽りだったんですね』」
僕の言葉に、アヤスラニ帝国の皇太子は肩をすくめた。
「『いいや、本気だったとも。残念だ、グレイ。そなたが俺に仕えることを選択してさえいればこのようなことにはならなかったものを』」
しかし数日後には迎えが来るので僕は丁重にそれを断る。
すると今度はあの手この手で僕を配下に加えようと付きまとい始めた。
保証のない口先だけの話だとは言え、だんだん馴れ馴れしくなり提示される待遇が上がっていくのが心底怖い。
そんな勧誘地獄に耐えること数日、アヤスラニ帝国の前の大宰相オルハン――皇太子オスマンの母方の祖父にあたる人物だった。
大宰相という地位は、事実上皇帝に次ぐ最高権力者。
その外はオスマン皇子の側近と思われる人物数人、そして眼光鋭い立派な体格の男達。いずれも武人――しかも選りすぐりの精鋭なのだろう。
「『これまでも散々やんちゃをなさって来られましたが、流石に此度のなさりようはおいたが過ぎますぞ!』」
僕達が見守る中、元大宰相オルハンが外交官ブダックや皇太子オスマンを叱っている。
マリーによれば、皇太子オスマンは地揺れと大波で被害を受けたアヤスラニ帝国西岸の復興の責務を放り出してこちらに来ていたとのこと。下手をすればオスマン皇子に仕える者達全員死刑になりかねない。そりゃあ怒られて当然だろう。
「『いや、何も戻らぬと言ってる訳ではないのだ!』」
オスマン皇子は僕やマリーのやることなすことが目新しくて面白く、また国のためにもなるだろうと反論する。
……自分の正当化に僕たちを使わないで欲しい。
僕の想いが通じたのか、元大宰相は口先の言い訳に騙されなかった。それは大導師フゼイフェの仕事であり、皇太子のそれではないと断じている。
「『ガリアの復興には聖女は知恵を授けたと聞いた! 私は復興責任者として、その知恵を聞きに参ったのだ!』」
元大宰相オルハンはこちらを見た。僕達二人はほぼ同時に首を横に振る。
そこへ、大導師フゼイフェが皇太子がそれを一度もマリーに質問していなかったと指摘。元々迎えが来れば帰る約束だったと言う。
皇太子オスマンは降参した。その代わり、僕に視察に連れて行って欲しいと言う。その間にマリーに復興について色々と訊ねるから、と。
視察が終われば大人しく帰ると皇太子本人が宣言したので、僕はあまり気が進まないながらもそれを了承したものの。
――何だろう、嫌な予感がする。
***
……視線が痛い。
マリーがじと目でこちらを見ていた。
「『伯爵位よりももっともっと上の地位を約束するぞ。大宰相の地位……いや、適当な小国を一つ落としてそこの王でも良いな』」
視察へ向かう馬車の中。
オスマン皇子は四六時中、マリーに復興のことを訊ねることもなく、僕を臣下にしようと話しかけてきていた。
しかも、待遇が小国の王にまでなっている。ここまで来ると現実味が無さすぎて、僕は夢のような話ですねと受け流した。
「『グレイ、俺はいずれアヤスラニ帝国の皇帝となる。その為に一人でも多く優秀な臣下を必要としているのだ。そなたが警戒していることは分かる。俺が聖女目的でそなたを臣下にしたがっているのだと疑念を抱いているのだろう? しかしそれであればアレマニアの皇子と同じように最初から強引に聖女を口説いている』」
だが俺は奴とは違う、オスマン皇太子はそう言って、徐に僕の手を両手で掴んだ。
「『真実、俺はそなたの事を気に入ったのだ。そなたの能力を買っている。どうしたら首を縦に振って我が国に来て貰えるのか』」
さながら美女を口説くような眼差しを僕に向けてくる皇太子オスマン。圧が凄くて僕の鉄壁の愛想笑いが引きつりそうだ。
「グレイ、私少し疲れたわ。休憩しない?」
マリーの言葉に、僕は渡りに船とばかりに「『殿下、失礼致します』」と馬車の窓を開け、停止と休憩を命じる。
そこへ、大導師フゼイフェがオスマン皇太子に元大宰相オルハンが呼んでいると声をかけ、皇太子と交代するかのように馬車に同乗してくれることとなった。
マリーがぱちりとウインクしたので、僕は苦笑いしながら二人に礼を言う。ああ、やっと解放された。
元大宰相に叱責されたのか、それからは僕は口説かれることもなく無事に目的地に着いた。
鉄鉱山と炭鉱山の入り口に相応しい場所を特定して調査を命じた後、更に少し移動する。
マリーが熱水脈を探し当てて掘る場所を指定した後は、報告を待つのみ。
待っている間、オスマン皇子はマリーに復興のことについて色々と訊ねていた。
待つこと暫く。
前脚のヨハンが報告に来て、本当に熱水が湧き出てきたことを知らせると、アヤスラニ帝国人達は驚愕していた。
特に大導師フゼイフェは賢者もまた泉を掘り当てた逸話があった、と感動している。
「『この目で見るまでは奇跡など信じていなかったが……まさか、本当に』」
元大宰相オルハンの声が、嫌に鮮明に僕の耳朶を打った。
事件が起きたのは、その日の晩だった。
大勢なので集落に程近い場所で野営をし、火を起こしていざ料理をしようとした時。
僕達から少し離れた場所に陣取っていたアヤスラニ帝国人達。その起こした焚火の煙が、風に乗って届いたその直後――バタバタと護衛達が倒れ始めたのだ。
突然僕の体が地に押さえつけられる。
「毒です」
カールの簡潔な言葉。風向きが変わったその時には、前脚と後ろ脚も地に伏せていた。月明りの中、意識を失ってぐったりしたマリーの首に、ぎらりと光る銀色の刃。
「聖女の命が惜しくば動いてはならぬでおじゃ!」
マリーの身体を片手に抱き、オスマン皇子が叫んだ。
――嵌められた!
「『オスマン殿下! 聖女様に無体をなさってはなりませぬ、神の罰を受けまするぞ!』」
大導師フゼイフェはオスマン皇子を非難している。
大導師はマリーが賢者に等しい存在だと認めていたし、オスマン皇子達の行動を知らされていなかったのかも知れない。
「ヨハンとシュテファンは」
「直撃は免れてます。布で鼻と口を覆って煙を吸い込まないで下さい」
あの時、マリーはサリーナをお供に護衛達に声を掛けに行っていた。
僕達やヨハン達とは少し距離があったのだ。
一番守るべき存在が人質に取られ、更にこちら側の護衛の大半が妙な煙を吸って昏倒していてこちらは手も足も出ない。
「『やはり僕を臣下に欲しいというのは偽りだったんですね』」
僕の言葉に、アヤスラニ帝国の皇太子は肩をすくめた。
「『いいや、本気だったとも。残念だ、グレイ。そなたが俺に仕えることを選択してさえいればこのようなことにはならなかったものを』」
99
お気に入りに追加
5,687
あなたにおすすめの小説
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【短編】追放された聖女は王都でちゃっかり暮らしてる「新聖女が王子の子を身ごもった?」結界を守るために元聖女たちが立ち上がる
みねバイヤーン
恋愛
「ジョセフィーヌ、聖なる力を失い、新聖女コレットの力を奪おうとした罪で、そなたを辺境の修道院に追放いたす」謁見の間にルーカス第三王子の声が朗々と響き渡る。
「異議あり!」ジョセフィーヌは間髪を入れず意義を唱え、証言を述べる。
「証言一、とある元聖女マデリーン。殿下は十代の聖女しか興味がない。証言二、とある元聖女ノエミ。殿下は背が高く、ほっそりしてるのに出るとこ出てるのが好き。証言三、とある元聖女オードリー。殿下は、手は出さない、見てるだけ」
「ええーい、やめーい。不敬罪で追放」
追放された元聖女ジョセフィーヌはさっさと王都に戻って、魚屋で働いてる。そんな中、聖女コレットがルーカス殿下の子を身ごもったという噂が。王国の結界を守るため、元聖女たちは立ち上がった。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。